インディアンというのはバイクの名。バイクの「いろは」も知らない私が、何故か「どうしても観ておきたい」と思った映画です。
何故なのか考えを巡らせてみると・・・多分、この映画が公開されて間もない頃、別の映画を観に行った際に、前に並んでいた半分白髪の麗しい老婦人が「世界最速の・・・・一枚」と言っていらしたのを聞いた時に、映画タイトルとその老婦人の麗姿の余りのミスマッチ感に「この映画って何なの?」と興味を持ったことが始まりだったと思えます。
きっとあの老婦人の後ろ姿を追いかけてみたかった・・・のかな・・・・?

story
60歳を超えてもライダーとしての夢を追い続けた実在の人物、バート・マンローをモデルに作られた感動の人間ドラマ。
誰にも期待されていなかった年老いたライダーが、世界最速記録を更新するまでの紆余曲折をユーモアたっぷりに見せる。
ニュージーランドで暮らすバート(アンソニー・ホプキンス)の夢は、伝説のバイク“インディアン”でライダーの聖地アメリカのボンヌヴィル塩平原で世界記録に挑戦すること。年金暮しの彼は倹約に励み、隣家の少年(アーロン・マーフィー)の協力も得て廃品を利用してバイクの改良を試みるが、なかなか渡航費まで手が届かない。 (シネマトゥデイより)
実話を基にしているという強みでもっとドラマチックにもっと涙を誘う作り方は幾らでもできたと思うけれど、そういう作り方を一切排して(いい意味での「欲のなさ」を感じた。エンディングなんて「えっ?」とも思ったほど。)バート・マンローのボンヌヴィルに向けてのロードを淡々と追ったこの映画に、こうも爽やかで、且つ深い滋味に満ちた感動を受けることになるとは思いませんでした。
うん、凄く爽やかな思いに包まれましたね。
もう一度、といいますか、何度でも観たい作品です。
「バイク」の世界を知らなくても、この映画には人生の大先輩であり、夢を追い続けた伝説のおじーちゃんバート・マンローの、「人生を導いてくれる愛すべき深い言葉」が幾つも散りばめられています。
いえ、言葉だけじゃなくて、ボンヌ・ヴィルを目指すバート・マンローの行動にも彼の生き様は現れていました。
大会を目指し、バイクの改良どころか会場にたどり着くお金すら十分にない、そしてニトロを持ち歩かねばならない持病も発覚、応援してくれる仲間は一体いるのかいないのか・・・・(いるんですけどね、本当は)。
実際のロードでどれだけの苦難がバーとを待ち受けているか・・・けれど何故かいつも救世主が現れる・・・・幸運の女神が彼を見捨てないのです。でも少しも「嘘っぽい」と白ける気にならなかったのは、バートの人柄によるもの、と。
あの生き様を持つあの彼であるからこそ、出会う人々は皆彼に手を差し伸べたのだと思います。

彼はニュージーランドの片田舎から、泣けなしのお金と最愛のインディアンと、あとは身一つで地球の裏側のアメリカにやって来ます。
様々に出会う苦難と、差し伸べられる手・・・・。ここずうっと、いやぁ〜なアメリカが描かれた映画は多かったけれど、この映画には“古き良き”、いえ、今でも根底にある“(我々日本人が想像するところの)本来の、良きアメリカ”の姿が一杯詰まっているように感じましたね。
バートは苦労の果てに世界記録を達成します。←言っちゃってごめんなさい、でも彼は実在の人だから。
欲も得も極限まで排除し、しかし出会う人々への愛までは削らず、ただひたすら目的をぶれさせることなく突っ走ったバート・マンロー。
結果は彼に与えられるべき当然の褒賞のようにも思えるけれど、しかしそれは素人の私が考えても決して容易に叶えられる夢ではない。
それだけに、目標達成の時の感動は、スクリーン前の者にとっても鳥肌もののものであったと言えます。
“一生”にも勝る“5分”の走りに人生そのものを賭け続けたバート・マンロー。
幾つになっても“終わり”は無いと教えてくれています。
ああ、またいい映画に出会えてよかった・・・レクター博士のアンソニー・ホプキンスもいいですが、こんなナイスおじーちゃんの彼も魅力的です。
いい映画ですよ。

※ご参考まで。関東方面の某店で展示のインディアン。
H.Pより転載させて頂きました。
バートは劇中、何度も「ワシは酒も煙草もやらん。だからこの年になっても夢を追える。」というようなことを言っています。
煙草は吸いませんがお酒は人一倍飲む私にとって、これはちょっぴりチクリとくる言葉でした。
でもせめて今夜は記録を達成したバート・マンローの為に乾杯させてもらいます。・・・って、何だって理由を付けて飲むんですけれどね。
1月半ばに届いたワイン12本。残りあと7本で、今日は<トレ・クーポレ ネロ ダーヴォラ(伊)>を開けてみました。
開栓後すぐの香はブルーベリーヨーグルトのような甘酸っぱい香。
少し時間をおいて口に含んでみると、ヨーグルトのような甘ったるい感じは全くなくて(酸味がいい感じのキレを作ってくれた?)、ブルーベリーの華やかな香だけが残っていました。

「こうやってお酒ばかり飲んでいると夢を追えなくなるのかぁ…」と思いつつ、お酒でホロ酔いになって見る夢もなかなか楽しいものだしなぁ・・・と納得して飲み続けました・・・・とさ・・・、めでたしめでたし。
明日は仕事で取り敢えず頑張ります。
お酒を飲んだくらいで夢を追わなくなる事はありませんよ。
とか言いながら最近過量摂取に反省しきりの私です。
そんな私自身への教訓です
「花は半開を看(み)、酒は微醺(びくん)に飲む。」(菜根譚)
今日は仕事で、帰りに短時間でぐぐっと濃いお酒を飲んで帰ってきました。微醺に飲む境地には及びませんね・・(恥)。
でも、「飲み続けても夢は追える」と仰るkbowさんを信じて飲み続けます!
オヤスミナサイ!