こういうのは何だか嬉しいです。 メリー・クリスマス!


昨日はシネリーブル梅田で『蘇りの血』(豊田利晃監督)を鑑賞しました。
前作・『空中庭園』公開直前の覚せい剤所持事件以来、復帰第一作です。
『空中庭園』は公開後にDVDで鑑賞しましたが、「これってホラーだったんですか??」と思ってしまったほど、強烈で毒々しさをも放っていた作品でした。本作『蘇りの血』も、ファンタジーという衣をまといつつも、更にその毒々しさを炸裂させていたようじ感じました。
story
地獄の大王に命を奪われてしまった男が、現世へのよみがえりをかけた旅に出るヒューマン・ファンタジー。
闇の世界を司る大王(渋川清彦)の業病を癒やすため、同地に招かれた天才按摩(あんま)のオグリ(中村達也)。だが、オグリの健康な体と忠誠を誓わない態度に腹を立てた大王は、彼を殺してしまう。そんな中、オグリにひそかな思いを寄せるテルテ(草刈麻有)は、彼を現世へよみがえらせるため、地の果てにあるという“蘇生の湯”を目指すが……。 (※story、写真ともシネマトゥデイより転載)

そこはかとなく漂う虚無感。
けれど、徐々にその虚無感を超えて迫りくる“あまりのエネルギッシュさ”に圧倒されていった。
特に終盤の樽の湯の中での死闘は鬼気迫るものがあった。肉体を離脱した「観念の闘い」という感じだった。
一歩間違えれば陳腐に見えるかも知れない演出と思うけけど、とにかくそれを「これもか」と延々と見せ続けることで、こちらもいつの間にか闘うオグリと同化していくのだった。
この「オグリ」と「テルテ」いう名前。
浄瑠璃、歌舞伎などで演じられている熊野の口承伝「小栗判官と照手姫」をモチーフにしている。
勿論、独自の解釈や監督独特の世界観があるようで、神をあんなふうに弛緩し切った体(てい)に“ちゃらく”描く(板尾創路演じる)なんていうのも、ある意味何かへの「挑戦」めいていた気もする。人を酷い方法で試そうとする神に対して「俺は何度でも抗い、生き続けてやる」とでもいうような。
或いは、「自分だけが救われればいい」と考える人間ばかりの現世で、地を這ってでも愛する者を守り続けることの崇高さを声高に謳い上げるかのような。
何だか、監督自身の全身からたぎる血潮がドクドクと伝わってくる作品だった。

パンキッシュで何処か滑稽な大王を演じた渋川清彦さんはモデル出身の俳優さんだそうだ。
時々の“いっちゃてる”ような目つきが不気味だったけれど、怖いようで不甲斐無い様子に漫画チックな妙味があったように思う。
草刈麻有ちゃんも、この役柄のせいだとも思うけれど、何ものにも媚びない超然とした雰囲気にすっかりファンになってしまった。
主演の中村達也さん率いるロックグループ・TWIN TAILのパンクミュージックが刺激的に奏されていて、摩訶不思議な世界を味わえた。
ラストは、その1シーンだけで「やっぱりそうだよね」と納得できる結び。
83分というフィルムの短さにも潔ささえ感じた一作。
さて、ブルーな世界に陥った時、私はこれで↓蘇ります。

板尾さん、出たはったんですね。興味津々(=^_^=)
ワタシは高松で、何だかどうにも寂しいクリスマスを過ごしました(⌒〜⌒ι)
感傷的になると、どうもいけませんねぇ・・
あ、そうだ。『アバター』良かったですよ☆
この数日は大小取り混ぜ酒宴続きだったものの、「何だかどうにも寂しいクリスマス」というのは、私自身、とても、凄く、分かる気がします。
板尾さん、いい味出してらっしゃいましたよ。(^^)
そして、私も昨日『アバター』を観てきたのです!
良かったですよね。所用で出かけるので、夜になりますが頑張ってレヴューをアップしたいと思います。貴ブログにもお伺いいたしますね!(*^_^*)