明けましておめでとうございます。(不穏当なタイトルの後で恐縮です。)
年始の一本はシネ・ヌーヴォーでの『動くな、死ね、甦れ!』(ヴィターリー・カネフスキー監督)です。
新春企画として組まれている「ヴィターリー・カネフスキー特集上映」で、幻の三部作と称されている『動くな、死ね、甦れ!(1989年)』『ひとりで生きる(1991年)』『ぼくら、20世紀の子供たち(1993年、ドキュメンタリー)』の上映からの一篇です。
story
1990年のカンヌ国際映画祭で鮮烈な印象を残してカメラ・ドールを受賞した青春ドラマ。
第二次世界大戦が終わり、収容所地帯となったソ連の炭鉱町。12歳の少年ワレルカ(パーヴェル・ナザーロフ)はガリーヤ(ディナーラ・ドルカーロワ)の協力で盗まれたスケート靴を取り返すが、いたずらがバレて学校を退学になる。母親と愛人との関係や何もかもに嫌気が差したワレルカは、ほんの出来心から列車を転覆させてしまう。 (※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました)

カオス。
冒頭から何十分かの映像で先ずこの言葉が浮かびました。
混乱し過酷で、とにかく生きるのに必死であるあまり、老人や少年少女たちにすら安寧はないのです。
気候は厳しく、住まいを取り巻く環境は劣悪で、終始何かを巡って人々は言い争い、戦争の負の遺産がいたるところで顔を覗かせていました。
しかしそんな中でもひと時、一心不乱に遊びに興じたり邪気なく苛めあったりしているさまに子供たちの持つ底知れないパワーを感じたのも事実です。
その子供たち、ワレルカとガリーアをカメラは追っています。
生きることがあまりに過酷であり、それを運命と受け止めている故に、ガリーアには既に“何かを見てしまったかのような”老成感さえ漂います。一方のワレルカは全身がナイフのようであり、その尖りを周囲に振りまくのですが、時折覗く無邪気さが運命に抗おうとしている“男の子”特有の激しさを感じさせるのでした。
時に監督はワレルカ自身であり、時にワレルカを見守るガリーア自身でもあるのだなと感じました。
二人の絆は危うさを秘めつつも清らかなるものを放っていて、そこに不可侵の空気を感じるのでした。

しかし物語の描写はこれでもかといわんばかりに痛々しく、そして激しいのです。
何だか社会の成り立ちそのものを敵化して挑んでいるかのようでした。
パンフレットには、監督は「25歳で国立映画学校に入学するが在学中に無実の罪で投獄され8年間の獄中生活を送る・・・云々」とあったのですが、そのことが作用しているのかもしれません。
収容所に響く怒声、発狂する学者、生まれたての仔猫を水に沈める老婆、手足を失くした元兵士、15歳の少女の絶叫、炎に包まれる男。
何かを象徴するように使われていますが、どれも胸に痛く、目を背けたくなるものでした。
無軌道で不安定極まりないワレルカですが、自我の強い子どもにはあの混沌とした状況を甘んじて受け入れられなかったのも至極真っ当なことのようにも感じられるのです。
唯一ガリーアとの絆だけに救われる思いもあったので、ラストはあまりにも無慈悲。発狂する母親を追い続けるカメラも残酷ですらあります。
衝撃的と言えば確かにこれほど衝撃を受ける作品は無いのかもしれません。
だけれど、この作品は後年に撮られたあとの二作品を観てからでないと語れないのかもしれないですね。私は時間的な都合で本作のみの鑑賞でした。きっと全てを観たらこういう感想とは違った何かが見えていたかもしれません。
鑑賞初めは、鮮烈ですが重くのしかかる作品でした。
1月は観たい作品がたくさん公開間近です。佳い作品に出会いたいと思っています。
昨年11月半ばから始めた週末ジョギングですが、元旦はいつもよりちょっとだけ距離を延ばして約5キロ走ってきました。
とは言っても、ボンボリ帽子を被って走ってるどこかのおじいちゃんにも抜かされそうなくらいの“カメ速走り”の私です。
ブログのアップもこんなふうにカメ速でのんびりマイペースでやっていこうと思っています。
あ、お酒の飲み方だけはターボエンジン外せません。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。
昨年もたいへんお世話になり、ありがとうございました!今年も宜しくお願い申し上げます。
ー週末ジョギングーす、すごすぎますぅっ!
ー美しい人ーちゅうんは、その美に甘えることなく、より美と健康を育んでいくもんなんですね。
(ウゥッ・・まぶしすぎるっ・・)
帰松しつつ、淡路島内のお寺に2ヶ所お参りしてたら・・5時間もかかりました(⌒〜⌒ι) ←あんた散策し過ぎ!
本作。大阪で「三が日になんか観ようかな〜」と調べてて、タイトルにインパクトを受けたのを思い出しました。。
20年前の作品なんですね〜。
ハイウェイでカルキン君が「おいた」する『危険な遊び(1993)』ちぅ作品もありましたが、こちらも観客の精神状態にかなり危険を及ぼしそうな、、
そうそ。週末ジョギング、イイですね☆
ワタシはすっかりサボり気味、、
例えば、ぺろんぱさんと並走しながら「映画しり取りする」とかにしたら、もっと飽きずに続けられることでしょうに。
ぺ「しり取り!」
私「リベリオン! ・・あ、、」
私「しり取り!」
ぺ「リドリー・スコット!」
私「トニー・レオン! ・・あ、、」
・・ナニをやっても弱いワタシ・・(×_×)
私には甘える美も健康もございません。
いつもながら、ビイルネンさんの“どなたに対しても褒めて下さる”博愛主義に感謝しつつ、「現実」と向き合っていこうと思うぺろんぱです、トホホ。
ちょっとばかりの運動も日々の大量飲酒でかき消されていますので、肝臓くんにも良いことを始めないと駄目ですね・・・トホホ・2。しゅん。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。
大阪から無事のお帰り、なによりでしたね。
明日からお仕事ですか。私も今日が最後の年始休暇でした。あ、宝くじ見とかなくちゃ。
本作、タイトル凄いですよね。
ブログに挙げてて改めて思いました。
しかし、二作目の『ひとりで生きる』を挙げていたとしても、友人からは「念頭の決意?今更言わんでも分かってるって!」とか言われちゃいそうです。^_^;
しかしご推察の通り、本作は内容的にも「初春を飾る一作」って感じになるには余りにもヘヴィーでした。観た後そのまま遠いところにでも行ってしまいたくなるような。
ジョギングは確かに孤独ですよね〜。
並走っていうか、私のカメ速走りではTiM3さんなら「並歩」で十分でしょうね、きっと。^_^;
>「映画しり取りする」とかにしたら
T 「しり取り!」
ぺ 「リンゼイ・ワグナー!」・・・古っ!! 悲し〜ぃ!!
>とにかく生きるのに必死
ハァ〜、ほんとにあの環境に自分を置いて想像すると寒すぎますっ。
あんな所に長年抑留された日本人の方達の事を思うだけで胸が痛みました。
誰が悪いというんじゃないんでしょうが、ソ連の違法行為に関しては、
スターリン政権に正直、憎悪を感じます。
「カティンの森」や昨年観たグルジア映画「懺悔」なんかを思い出して
頭の中がグルグル〜です。(^-^;A
ところで、ジョギングシューズ(ですか?)可愛いですね!
オレンジのラインが効いてます。ちょっと丸っこいつま先の形もいい感じデス。
スニーカーが可愛いから、ジョギングにもはげみが出ますね!
胸が痛む映像が多かったですね。
あの地で幼少期を過ごすと考えると、恐ろしく極限的に内省的な人間に育ちそうな気がします。
『懺悔』!
そういえばそんな映画を観ましたね〜。
あの市長の不気味な顔が大アップで甦ってきました!
半端じゃない過酷な世界が、スターリン政権下のソ連は勿論のこと、過去も、そして現在でさえも至る所で展開しているのでしょうね。
はぁ〜っと、私もゆるりさん同様、溜め息が出てきました。
週末ジョギングは、最近首元から鼻先までをすっぽり覆うフリースのウォーマーを被って走っているのですが、たまにすれ違う人にギョッとされることがあります。
軽快にカッコよく走ってるのじゃなくて、かろうじて見えてる目元がきっと悲壮な感じなのでしょうねぇ。トホホのホ。(>_<)