週末どれを観ようかとただでさえ取捨選択に悩むところ、先日入手した某情報誌のページを繰っていると鷹の爪団の新作映画『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 』がこの16日に公開されるという情報が飛び込んできました。
この週末には『カティンの森』やら『誰がため』とかが公開、脳内が完全に“重厚&大作系モード”になっていたところに、この作品紹介のビジュアルはある意味衝撃的でした。
忘れた頃に新作が作られるのですね、ホント忘れてました、鷹の爪団。
作品チョイスに大いに悩みます(悩むのかっ!?)。
ということですが、やはり先ず昨年末から公開を待っていた『カティンの森』(アンジェイ・ワイダ監督)をシネリーブル梅田で鑑賞してきました。
story
第二次世界大戦中、ソ連の秘密警察によってポーランド軍将校が虐殺された「カティンの森事件」を、ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督が映画化。
1939年、ポーランドはドイツ軍とソ連軍に侵攻され、すべてのポーランド軍将校はソ連の捕虜となった。アンジェイ大尉(アルトゥール・ジミエウスキー)は、彼の行方を探していた妻アンナ(マヤ・オスタシャースカ)と娘の目前で、東部へ連行されていく。アンナは夫の両親のもとに戻るが、義父はドイツに逮捕され収容所で病死し、残された家族はアンジェイの帰還を待ち続ける。 (※story、写真ともシネマトゥデイより転載させて頂きました。)

オープニングの、監督による「両親に捧げる」の言葉に身が引き締まります。監督自身、「カティンの森事件」で父親を亡くされていたのでした。当時はこの事件に触れることすらタブー視されていたらしく、この事件を起こした張本人は果たしてソ連軍なのかドイツ軍なのか、真相は闇の中だったようです。(本作では一つの解答が示されています。)
積年の思いと執念が監督にこの作品を撮らせたのだと思うのですが、ラストの“悲痛な叫び”の如きシークエンスを除いては、私の目には全編を通して至極冷静ともいえる監督の眼差しが感じられたのでした。
真犯人を暴くことよりも、戦争そのものの不毛さを描こうとしているのではないかと思われるのでした。
「ソ連でもドイツでも同じだ。死者は甦らない。」
これは劇中で語られた台詞です。
死者は甦らない。まさしくその通りです。
「悪人を悪人の裁きにかけるのか!」
これも劇中の台詞です。
戦争では互いが加害者であり被害者なのですね。

生ける者と死せし者。
どちらもこの世に一度生を受けた者として“全うされるべき人生”があったはずです。
尊厳をゆがめられ、名も知らぬ地で愛する人へ何かを言い残すことも出来ないまま無惨に命を奪われていった人たち。
その同胞たちの無惨な死を知りつつ、残された人生を生き抜かねばならぬと決めた人たち。
どちらも無念で、どちらも痛ましい。
だから戦争は不毛で、負の遺産しか残さないのですね。
私は劇中何度か「生き抜く」という台詞を聞きました。それは他ならぬ監督自身の発する言葉と受け止めました。
挿入される実録映像もさることながら、ラストの生々しい映像の“無言の迫力”の凄まじさ!
鎮魂歌の響いた後、無音のエンドロールに席を立てませんでした。
冒頭、一匹の犬が登場します。
アンナの娘ニカがその犬を気遣うのですが、そういう小さな優しさを誰もが持てれば、そこから何かは変わるはずなのにと思えたのでした。


今年最初のアルコールの画は、久方ぶりに訪れた心地よいBARでのジン、スコッチの乾杯二景です。
今年もジンが心に沁みます。
”カティンの森”行きはるやろうなぁと・・。
ジンめちゃ強い(そりゃはんぱやないすでぇーびっくりする位!)しっぶいかっちょよいあるお人推薦のーブラックウッズ60ーてのを最近ちょびっと味見しましたが・・「うぅっ濃い旨っ」て感じでしたわ。
ジン詳しいー美ジンぺろんぱさんーはとっくの昔から知ったはるかもしれませんが・・。
当てていただけましたか!ありがとうございます。それだけでこの映画をチョイスした甲斐がございました!(*^_^*)
ブラックウッズ60!
知りませんでした!度数60度なのですね!
つくづく「人生、いくつになっても勉強」ですね。そして、つくづく「生きていればいいお酒との出会いもあるんやなぁ」と。
あ、、、お酒に関してだけは素直にポジティヴになれる私です。^_^;
ブラックウッズ60とやら、飲んでみたいです。
その「しっぶいかっちょよいあるお人」に肖りたいです〜!
と光るんでしょうか・・
↑それ、ロシア映画やし!
淋しいです・・・。
本作に登場する犬はもうちょっと可哀相な状況でした。(T_T)
どうなったんやろ・・・あれから。そう考えると胸がしくしく痛んできます。しくしくしくしくしく。
それこそあのロシア映画のように逞しく??何かをくわえて走ってでも生き延びていて欲しいですが。
あのロシア映画のワンちゃんも過酷な人生(犬生)なのでしょうけれどねぇ・・・しくしくしく。
私も一昨日、会社の日経夕刊で知りました。
訃報記事を読んでいて思ったことは、最後の作品が非常に華のある作品だったようですので(未見ながら)監督も“華ある最期”になってよかったなぁということ、そして、ビイルネンさんがお好きだった監督さん(の一人)だったなぁということの二つでした。
「四季の物語」のうち、『春のソナタ』を劇場に観に行ったように記憶しています。その次の『冬物語』は未見ながらちょっとした理由でとても記憶に残っている作品タイトルです。
ご冥福をお祈りしたいですね。
もう第三弾なんですかっ?! まさかの映画化も、ここまでくるとスゴイですね。
「カティンの森」、終わり方も印象的でしたね。
レクイエム(やったんかなぁ自信ありません)が流れた後、無音でエンドロールという。
それでも、バタバタ席をたつ人が結構多かったのは大阪ならではでしょうか。ちょっと残念でした。
終り方は壮絶で、そこで初めて、監督の耐えがたいほどの怒りを感じたのでした。
あの無音の時間は私にとっては反芻の時間でしたが、やっぱり人それぞれで、先を急ぐ人は仕方ないことだったのでしょうかねぇ。でもちょっと悲しいですねぇ。
鷹の爪!
気になりつつもやっぱりDVDになるんやろうかと思っている今日です。
今回はあのスーザン・ボイルが主題曲を歌うとか聞きますが、なにより某誌でFROGMAN氏のお顔を拝見できたのがカンドーでした。(*^_^*)
DVDで観ました
以前から観たいと思っていたもので・・・。
「カティンの森事件」というのはこれまでも
小耳にはさんだことはあるのですが
こうして真相が語られる作品を観ると
あらためて哀しみと怒りを感じますね。
ポーランド国民の壮絶な試練というのも
詳しいことは初めて知りました。
ナチの時代,ユダヤ民族の悲劇ばかりがクローズアップされて
ポーランドのことはあまり世界に知られていないような。
淡々とした語り口ではありましたが
ラストの衝撃的なシーンに
身内が被害者であると言う監督ならではの怒りを感じました。
お越し下さり嬉しいです。
私も「カティンの森事件」のことは本作に触れるまで詳しくは知りませんでした。
惨い事件ながら、歴史の事実として知ることができてよかったです。
映像の力って(とりわけ「当事者の末裔」であれば尚更に)凄いのですね。
ラストの「声なき叫び」に打ちのめされました。
「真実」を知りたいと思うのは遺族なら当然の思いですよね。
事件そのものに加え、長年にわたり真実が隠ぺいされてきたことへの憤りは想像を超えるものであると思いました。
ポーランドという国、気候風土のみならず、どこか暗い陰をまとっているように感じるのはそういう歴史があったからなのでしょうか。
でも訪れてみたい国の一つではあるのですけれどね・・・。
やっと観ましたのでお邪魔させてください。
ラスト、そうでした、忘れてました。粛々とエンドロールが運ばれてましたよね。
本編もむしろ淡々とした描かれ方のように思えました。
だからこそリアルで、その当事者たちの傷みに直接触れたような気がしたのでしょうか。
>全編を通して至極冷静ともいえる監督の眼差しが
なるほどです! そうなのですね。
公式サイトの監督のメッセージを読んでみましたら、自分の悲しみではなく、被害者や遺族たちをこそ描きたかった、みたいな事を仰ってました。
まさにぺろんぱさんの感じられたとおり、それが監督の姿勢なのですね。
だからこそこんな作品になったのだと、今、気付かされました。
良い作品に出会えたと思いました♪
次はデンマークを観る予定です。
P.S. ジン、美味しいですよね♡ 最近は私もジンとライムで寒さを吹き飛ばしてます(笑)
あの静かなエンドロールは、本作の全てを自身の中で反芻する厳粛ともいえる時間だった気がしました。
本事件は為された行為の惨さに加え、真実を長きに渡り隠ぺいし続けたという「遺族たちへの二重の加害」があったことに暗澹たる思いです。
>次はデンマークを観る
「デンマーク」のんはまた違ったスタンスで、映画という一つの「鑑賞作品」として仕上げられていた(良い意味で)作品だと感じました。こちらも心に残ります。
>寒さを吹き飛ばして
夏が近づくと無性に飲みたくなるジンですが、夏のものだけではないのですよね〜。
私も早速新たなボトルを買って最近の寒さを吹き飛ばさなきゃ!です。(*^_^*)