昨日は好天で外でお陽さまを浴びるのに絶好の日でしたが、電車に乗って大阪に出るまではピクニック気分で、電車を降りてからは陽の当たらない映画館へ向かってまっしぐら。
梅田ピカデリーで、春のうららかさとは間逆の世界の映画、『第9地区』(ニール・ブロムカンプ監督)を鑑賞して参りました。ある映画を観にいった時の予告編で知った本作、封切初日に行こうと決めていました。
春のうららかさは到底なかったけれど、混沌とした世界・カオスに(何故か)一輪の花がそっと咲いたりもした、そんな作品でした。
story
ある日、ほかの惑星から正体不明の難民を乗せた謎の宇宙船が、突如南アフリカ上空に姿を現す。攻撃もしてこない彼らと人間は、共同生活をすることになる。彼らが最初に出現してから28年後、共同居住地区である第9区のスラム化により、超国家機関MNUは難民の強制収容所移住計画を立てるのだが…。(※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

ドキュメンタリー風の作りでのっけから「面白い!」と引き込まれつつ、「これってコメディ?」とも思えたB級的匂いのする序盤。
しかし、真面目だが冴えない主人公ヴィカス(シャルト・コプリー)の受難から一転、様々な要素を秘めたドラマが展開します。
安易な予測を許さず、暴力的シーンや肉体的な痛みを伴うシーンもありながら、受難後のヴィカスの必死の抵抗と闘いに“徐々に見えてくるもの”があったように思います。
第9地区の統治は武器と暴力と圧政によるもので人間同士の異種族感の争いにも似ていて、そこに利権の匂いを嗅ぎ取った人間達が群がってくるのはそのまんま人間世界と同じ。研究開発とそれによってもたらされる利権に暗躍する人間達も描かれ、人間・地球人の醜さが浮き彫りにもなります。
そんな中で描かれるエイリアン親子を巡る一連のシーンは、我々の心をエイリアン側に立たせるに十二分なものでした。(しかし・・・そうなるとやっぱり異星人と地球人との“真の共存”はなく、どうしても“VS.”の構図になってしまうものなのだということですよね。宇宙に目を向ける時代に、それはあまりに淋しいことですが。)

幾多のSF映画へのオマージュとも感じられる要素がたっぷりですが、中でも、このエイリアンの親子を追うくだりでは『E.T』の世界を髣髴とさせるものがありました。
本作のエイリアンのビジュアルは俄かに受け入れがたいものはありますが、それも「人間の目」で見ればのことです。異星人からすれば人間の姿も不気味極まりないのかもしれません。その造形の異形さを超えて芽生えた友情には素直に胸が熱くなります。結局、自分で判断できるものは自分の心でしかないのですもの。
あり得ない話、と言い切れるのか否か。
ドキュメンタリー手法で綴られた世界が妙にリアルに感じられたりもして、一市井の人でしかなかったヴィカスの姿に明日の自分をちらと重ねたりもする薄ら寒さも残った作品。
あの親子に託された3年後はどうなるのかな? ヴィカスは? 人間は? 地球は? どうなるのかな。 未来も予測不可能です。



先日の夕桜と、夕暮れのビア・スプリッツァー(ビール+白ワイン)とジン・リッキー。
おつまみにシュリンプは暫く選べそうもありません、気持ち的に。
「ドキュメンタリー手法」ってのが何か惹かれます。
> 「これってコメディ?」とも思えたB級的匂いのする序盤。
アハハハハッ、B級もいいじゃないですか?以前観たソ連映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」なんかも思いっきりB級でしたが、まさに私たち人間界を皮肉っていました。
これもそうでしょうね。
> 人間・地球人の醜さが浮き彫り
そうでなくては!
今週は観たい映画が一杯あるし、観る時間をどうとろうかと悩みますね。
「イリアン親子を巡る一連のシーン」を期待して映画館に参ります。
なかには、バインダーごと叩き落としたのに
「ったく!まぁ、いいさ!手形が付いたから」ってなんともファジーな!(笑)
序盤は完全にB級テイストだったのに、MNUに搬送されてからは
一気に流れが変わって行きましたね。
これはワタシの今年度のトップ3に入るんでは?というくらいの作品となりました^^
できれば、3年後には是非!クリストファー父子に帰って来てもらいたい(笑)
近くの劇場で公開してないのが、恨めしいトコです(×_×)
めっちゃ楽しみに『第9地区』を見たよ。
確かにB級映画の要素があって微妙でした。
エイリアンもちょっと可愛かったね。
>「ドキュメンタリー手法」ってのが
「これは本当のドキュメンタリーじゃない!」って分かりながらも何故か引き込まれていきました。(*^_^*)
B級というのも、完全B級というより「B級すれすれ」のところで作り手の皆さんがある意味楽しんでる感じがしました。
『不思議惑星キン・ザ・ザ』って、確か私も観た・・・のだったかな?どうだっけ?ちょっと日記を繰ってみます。(*^_^*)
本作ももしも時間の都合が合えばご覧下さいね!
>立ち退き承諾書を持って回るというのに
応対の仕方それぞれがホント人間のそれと同じで笑えましたよね〜。寝起きで出てきたぞ〜って感じのエイリアンもいましたよね。(^^)
>今年度のトップ3に
なるほど、です。
予測できなかった展開と特筆モノのビジュアルインパクトに於いては私もトップ何作かに入るでしょうか。
>クリストファー父子に
そうですね!「リターンズ!」は期待です。(*^_^*)
しかしクリストファーって名前は一体誰が…何の権利で…^_^; 。
是非、ご帰阪時にでも!(*^_^*)
100歩くらい歩み寄って頂いてソレイユさんで上映してくれないでしょうか〜。
これって、かなりマイナー路線走ってる作品って感じもしますから!(*^_^*)
ご覧になられたのですね!
後ほど貴ブログに楽しみにお伺いいたします!
本作のエイリアンは形状的には(親近感と)紙一重ですが、プレデターと同様、計算され尽くした美はあるのかもなぁと思っています。でもあの子供には心を掴まれましたぁ!(*^_^*)彼の仕草や心情が可愛かったぁ、とっても!
ちゃんとしたCGなのに、どこか手作り感もあって、決して憎めない映画でした。
手作り感・・・そうですね!
何だか制作スタッフの皆さんが嬉々として取り組んでいらっしゃる感じがしたのは私だけでしょうか。
設定も斬新で色んな要素も詰まっていながら、ベースが意外にシンプルで好感が持てました。(*^_^*)
エイリアンが服を着たり、下着を着けてたりしましたが、
「キミらには必要ないじゃん」とツッコんでしまいました。すんません(=^_^=)
実は、中盤までは全然面白くなかったのでした。
しかしそっからの展開がもの凄い。
新年度早々から、素晴らしい1作に出会えました。
少し前に貴ブログにお伺いしてコメントを残させて頂きましたよ〜。
ヴィカズの○○から、物語が加速度的に振幅を増しましたね。(*^_^*)
なかなか観応えのあるSF作品でした。
>キミらには必要ないじゃん
いえいえ、難民として地球に暮らして長い年月が経つと知らず知らずあちらの生物も“地球人化”するのかもしれませんよ〜。(^^)
白人の持つ故なき傲慢さを一身に受けていた、ありふれた男が見せる、
抵抗の物語。
あの3人の再会がどのように、いつ実現するのか?
3年は本当に地球時間なのか(^^ゞ
ヴィカスが花の作り方を忘れないうちにお願いしたいです(笑)
様々な醜悪な部分とふっと匂う清らかな部分と、、、うな垂れたり前を向いたり、いろいろな思いが錯綜した映画でした。
ありがちなテーマがこんなふうに“意外な設定”の中で描かれると真新しく新鮮に感じられるものですね。
>3年は本当に地球時間なのか(^^ゞ
あぁ〜!ほんまですね!!そこんとこどうなんやろ!(・・;)
もしかして地球では人類と彼らの立場が逆転してたりして・・・。ヴィカス〜、頑張れ〜!
『メン・イン・ブラック』の世界では、
「宇宙時間の1週間=地球時間の1時間」と定義されてました。
地球で3年なら、宇宙でも500年ほどに相当するみたい、、
って、エビたちの寿命は一体何年なのだぁ?!(=^_^=)
そうなんですか、、、宇宙時間の1週間=地球時間の1時間ですか、、、でもそれならより早くエビちゃん親子は地球にカムバックしてくれるのかも!? それを信じて待ちます。
考えてみれば『メン・イン・ブラック』には実に様々なエイリアンたちが登場していましたよね。
エビちゃん達に負けず劣らずのビジュアルインパクトのある皆々でしたぁ!(*^_^*)
良かったですよ、気持ち悪さを除けば。
アバターと同じく、SF的舞台設定を使って人間界の問題点を指摘しているっていい映画でした。
ドキュメンタリータッチのこの進行、私は非常に受けました。シリアス系にしているようで、実は虚構性を大いに表現していて。
そしてこれは、映像的にはB級映画ですが、内容は素晴らしいと思いました。
先ず設定でぐいっと引き付けられました。
そして行きつくところにはピュアなものも感じられて。(*^_^*)
あ、やっぱり気持ち悪いところはありましたね。^^; どうも映画で描かれるエイリアンたちは「口唇?周辺」に特徴があるみたいですね。
>シリアス系にしているようで、実は虚構性を大いに表現
なるほど。面白くて的確なご表現と感じます。
なかなかのSF作品でしたね。