つい先日お節料理でお酒を飲んだような気がするのですが・・・あっという間にもう3分の1が過ぎようとしているわけですね。早い。怖いくらいに早いです。
こんななら「3年」もあっという間に過ぎそうですが、たった一人っきりで、しかもこの地球じゃなくて「月」での一人っきりなら、3年は恐ろしく長いのかもしれません。
梅田ガーデンシネマで『月に囚われた男』(ダンカン・ジョーンズ監督)を鑑賞しました。
本作、とっても楽しみにしていたんです。
story
地球に必要不可欠なエネルギー源を採掘するため月の基地に滞在中の男が奇妙な出来事の数々に遭遇するSFスリラー。デヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズが初監督に挑んだ作品。
サム(サム・ロックウェル)は地球で必要なエネルギー源を採掘するため、3年間の契約で月にたった一人で滞在する仕事に就く。地球との直接通信は許されず、話し相手は1台の人工知能コンピュータ・ガーディー(声・ケヴィン・スペイシー)だけの環境だったが、任務終了まで2週間を残すある日、サムは自分と同じ顔をした人間に遭遇する。 (※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

観終わってからタイトルの意味がじんわりと心に沁みてくる・・・。
自己の存在理由と向き合う時に、これほど切ないことはないでしょう。
殆ど予備知識なしに臨み、「自分と同じ顔をした人間に遭遇する」という一点の情報のみで漠然とタルコフスキー監督の『惑星ソラリス』の世界を想像していた私には、本作は実は意外な展開でした。
しかし本作ではストーリー上の種明かしはさほど重要ではなく、「ソレ」を知り得た時から始まるサム(もしくはサムたち)の苦悩と葛藤が切実に、そして極めて誠実な形で描かれていたことが最大の魅力であったように感じました。
主人公・サムの「最後に理解し得るのは結局はその特性を知っている“自分”でしかない」という理解。
家族への溢れんばかりの愛が地球帰還を望む原動となっていること。そして果てしないそれへの希求。
人工知能コンピュータが最終的に見せる姿勢に人間的な感情を感じ得ずにはいられなかったこと。
全て、孤独と絶対的危機の中で究極には人間としての哀しみと慈しみの感情が描かれていた(いい意味での)シンプルさに素直に泣けた作品です。

サム・ロックウェル。
彼は『グリーン・マイル』での凶悪犯役がずっとずっと印象に残り続けていたのですが、本作で払拭されました。同じでありながら違うサムとしてそれぞれの苦悩と葛藤のあり方を演じていた彼には拍手をおくりたい思いです。
ケヴィン・スペイシー。
彼が声を演じるだなんて、きっと計り知れない裏があるに違いないと踏んでいた人工知能コンピュータ・ガーディー。スマイルマークがそのままであったガーディーのハートに感謝する思い。
低予算というのが話題であったらしい本作。
確かに月面を走る掘削車が何となくプラモのようにも見えましたが、それがいい意味での手作り感に繋がっていました。不思議な感覚を味わえました。
地球の大気圏に突入した碧き映像の爽快感が素晴らしかったラスト。
でも最後の最後に挿入された武勇伝?めいたナレーションは正直にいって不要だった気がします。違うエンディングを期待していたのでそれが残念でした。


春の酒肴<のれそれ>と焼酎の水割り。そして河岸を変えての和酒ぬる燗。
劇中「ピンポンは禅だ」という興味深い台詞がありました。
かつてそれを部活としてやっていたことのある私としては、分かるような分からないような言い得てるようでそうでもないような、そんな不確かな気持ちでしたが、酒盃の交わし合いはまさしく禅のような瞬間がございます、それは確かですよ。
私は実は"邦題に囚われた女"でした(笑)
なので、やはり別なストーリーを脳内展開していましたが、
そうきたか、、という展開、結末でしたね〜。
あのエンディングは、ちょっとハリウッド的でしたね。。
私もぺろんぱさんときっと同じコト、想像していたので、あれは要らなかったです(^^ゞ
良さそうな雰囲気ですね。
サム・ロックウェルと言えば『コンフェッション』と『ギャラクシー☆クエスト』が印象深かったです。
囚われたのですね、Kiraさん。(*^_^*)
この邦題、かなりいいですよね。
私もね、○○○○ には“そうきたか”って感じでした。でも期待と違った意外性がありつつも、本作、なかなか佳かったですよね。(*^_^*)
>ハリウッド的な
そうそう!そういうご表現、ピッタリ!
もうちょっと違う「その後」があっても良かったんじゃないかなぁと思いました。
本作は設定の妙も勿論ながら、低予算なりの撮り方も面白かったです。(*^_^*)
サム・ロックウェルが光ってましたよ。・・・てか、ほぼ全編この人の出演でしたが。
(時々徳永英明さんが被ってきました^^;)
因みに★3は負け、それ以上は勝ちと思って楽しんでます(笑)
本作、予告編で二コちゃんマークが出て来た時は、コメディ映画かと思ってたんですが
なにやら男の処遇に国家的陰謀の影がチラつきだしてから興味を持ちました。
そういや、たったひとりということで『ウォーリー』『アイ・アム・レジェンド』と被るのでしょうか?(笑)
★3つが境界線なのですね。もしも本作をご覧になられたらitukaさんは★幾つとお感じになることでしょう。(^^)
無機質な宇宙基地内でのあのスマイルマークは、異質でもあり且つ唯一の「他者の感情表現」として最も近しいものでもあり、妙に“面白うてやがて哀しき”って感じでした。
>『ウォーリー』『アイ・アム・レジェンド』と被るのでしょうか
私はどっちかといえば『ウォーリー』の感覚に近いかなと感じました。
夜になって襲ってくるものは一応いませんでしたし。(^_^;)
SF世界なのに、やってることが妙にアナログ的で、20世紀的で面白く、感情移入し易かったですよ。
そうなのですよね、あのニコちゃんマークもどこかコミカルでした。
そして両方とも、そのコミカルさがやがてちょっともの哀しくも感じられてきた私でした。
撮り方もアナログ的な匂いがしていましたね。
だから余計“クローン”の登場には意外性を感じてしまいました。
ソレを造る技術は数段上の全く別ステージのような気がしたものです。
縁あって観る事ができました〜。
あのロボットがなんか愛しかったなぁ。
「本当に外をチェックするだけなんだね。じゃあ・・・」なんて言って
サムを外に出してしまうし。
スマイリーフェイスが感情を表現してて可愛い。。。
一番恐いのはエイリアンではなくて、人間かもしれませんね。
この静かにヒヤッとするかんじ、星新一さんのショートショートを思い出しました。
あのCPロボット、考えてみると、彼は全てを知ってて“いろんなサム”に仕えてきたわけですよね。彼こそ反乱を起こしてもおかしくはないのに、「忠実に」とインプットされてる通りに尽くしてくれて・・・。
そう考えると何だかゆるりさん同様、私も彼を愛しく思えてきました。(*^_^*)
>一番恐いのはエイリアンではなくて、人間かも
そうですね。本作でもまさしくソレでしたね。
「静かにヒヤッとする」って面白いご表現です。
星新一さん、私はあんまり読んだ事がないのですけれど、でも何となく分かる気がします。
休日の昼間なのに会員は1千円でした。
これも低予算の良い意味での煽りでしょうか。
ラストは、かなり切ない内容になってましたね。
実際、ほんものはどっちなの?って最後まで気になってしまい結局分らずじまい。
個人的にはあの娘の父がモニターに姿を見せなかったのが意味深だと捕えましたけど^^
こちらにもようこそ、です。(*^_^*)
ドキドキの「映画ハシゴ」!良い休日になりましたね〜!
本物はモニターに写らなかった「あの一人」なのでしょうけれど、どのサムも「自分が本物」なわけで、どの彼にも感情が移入してしまいました。
哀しい物語ですね。