ずうっと以前、「猫好きなら気に入るよ」って知人に薦められて観たのが最初。時を経てBS2での放映を録画し、以来2度目の鑑賞です。
やっぱりいいです、この映画。 大好きです。
story
ニューヨーク。ハリー(アート・カーニー)は妻に先立たれた72歳の男性。住居であるアパートが取り壊されることになり、愛猫トントを連れて長男バート(フィル ・ブランズ) の家に移り住む。だがどうも居心地が悪く、ハリーはトントを連れ、シカゴにいる娘シャーリー(エレン・バースティン)の所へ向かう。トントがいるため飛行機に乗れず、ハリーはバスで西へ。さらにバスを降りざるをえず、中古車を買う。彼はシカゴ、そして次男が住むロサンゼルスへと移動しながら道中で様々な人々と会うのだが。(※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

ロードムービーっていうのもいい。
それが、頑固だけどちょっとアナーキーな感じのおじいちゃんと、達観してるふうの猫の「二人旅」っていうのが更にまたいい。
猫・トントは、実はそれほどフィーチャーはされていない。
ただただ、二人(ハリーと猫・トント)は旅の相棒であり、人生そのものの相棒であり、二人が物理的にも精神的にも離れることはなかったということだ。(ただし“運命の別れ”までは、ね。)
映画では、どちらかというとハリーが行く先々で出会う人々との心の交流と別れにスポットが当てられている。
それは離れて暮らしている家族であったり、はるか昔に恋心を抱いた女性であったり、ヒッピー風の若者であったり、、、エトセトラエトセトラ。
それらのどの出会いも別れもが人生をしみじみと考えさせてくれるし、その時々で深い趣のある言葉の数々が交わされもする。その言葉のやり取りを、トントは聞くふうでもなくさらりと流していたのだろうね、ハリーの傍らで。
ハリーとトント。
主従関係なんかじゃなく、互いにちょっと「手を焼かせるぜ」的な友なのだね。
ハリーは老いても、誰にも何にも依存しない。孤高ですらある。そしてどこまでも“自由”だ。トントもそれは同じ。

ラストもしみじみといい。
トントに似た猫を追いかけて行って、もしもあそこで心臓発作でうぅっ!と倒れこんでたらまるで『ベニスに死す』のアッシェン・バッハだけど、そうじゃなくて、カメラは違う夕暮れの海辺のシーンを捉えるのだ。
微笑ましいシーンながらも、私には“無常観”なるものをそこはかとなく感じさせて、そりゃあもう実に“しみじみ”なのだ。
そうそう、先日鑑賞した『やさしい嘘と贈り物』に出演のエレン・バースティンがハリーの娘シャーリー役で登場されてます。
彼女とハリーの会話もまた、心に残るものだったなぁ。
劇中で出てきますが、ハリーは「スコッチの水割り」がお好みのようです。

私は先日のシーヴァスの残りを水割りならぬソーダ割りで。
ん〜、でもやっぱりソーダ割りには前回のテネシーWかバーボンが適しているでしょうか。スコッチは味わいを大切に、水割りかロックか、はたまたそのままストレートで。
「おうちシリーズ」のついでに、自宅での<ビア・スプリッツァー>の画も載せます。シャッターチャンスが遅れて泡が消え入る寸前ですね、トホホ。
ハリーがトントと一緒に♪ロードムービーですよね、何か淡々とした綴り方だったような気がします。そんな意味で観た若い頃の私は、もう少し刺激が!!って気もしていました。
年取ってからもう一度みたらまた違う感覚で観れるでしょうね。
次、機会があれば観たいと思います。
ありがとうございました。
本作、タイトルだけは知ってます・・何でやろ。
トントと言えば・・『レオン』の冒頭、ジャン・レノに殺されちゃったおっちゃんの役名を思い出します(⌒〜⌒ι)
お若い頃にご覧になったのですね、本作。
仰る通り、淡々と綴られていた物語です。
トントとの別れのシーンでさえ至極さらりと描かれていましたものね。
よろしければ是非一度観返してみてくださいませ。(*^_^*)
交わされる「言葉たち」もなかなかですし、違った感覚でご覧になることができると思います。
私はラストでちょっとだけ涙腺が緩みました。
そうなのです、本作でのエレン・バースティンさんは“おばあちゃま”じゃなくて“中年のご婦人”でした。
父娘の間に微妙に存在する「確執」めいたものも、その背景を暴くわけでもなく、解決させるふうでもなく、「時」が自然な感じで移ろっていくのですよ。
よろしければお時間のございますときにどうぞ(*^_^*)。
>トントと言えば・・
そうでしたか!?
とんと、思い出せません。←うわぁ、恥ずかしい!(だったら書くなよっていう話ですが.... ^_^;)