2010年05月23日

春との旅

  公開を前に、本作前売券で今度は望む通りの‘通路に面した左端の席’をゲットできました。
望む座席を得て、期待を大にして臨んだ梅田ブルク7での『春との旅』(小林政広監督)でした。

ロードムービーが好きで主演の仲代達矢さんも好きな俳優さんでしたが、(私の拙い鑑賞眼のせいかもしれませんが)結果的には深く心を打つものが得られませんでした。脇を固める俳優陣がなかなかの方々ばかりだっただけに、ちょっと残念でした。

story
  足の不自由な元漁師の忠男(仲代達矢)と仕事を失った18歳の孫娘・春(徳永えり)は、忠男の生活の面倒を見てもらおうと疎遠だった親類縁者を訪ね歩く旅に出る。親族との気まずい再会を経るうちに、忠男はこれまで避けてきた過去と向き合わざるを得なくなる。そんな祖父の葛藤(かっとう)を間近に見ていた春にも、ある感情が芽生えていく。 (※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

                 春との.jpg

  冒頭から少し進んだところ、ある駅に、忠男と春を乗せた電車がゆっくりと滑りこんできます。
カメラを据えて一点からずっと長回しで二人の降り立つシーンを撮っておられたのは、心にしんと染み入るようで「いいなぁ」ってぴかぴか(新しい)思えました。


でも、そもそも物語の始まりから微妙にズレを感じてしまっていました。
忠男は誰かにすがって生きていける気質の人間ではないと思えたし、演じる仲代達矢さんご自身も、漲る生命力と男性としての力強さが(隠しても)じわじわと漂う感じで、私には“やわ”な老人には映らなかったです。
あの忠男なら、そして春なら、「生きる道」は、他にもきっとあったはず。だからそもそも何のための旅だったのか、と。

訪ねて行った先々での兄姉たちとの「すれ違いと分かりあい」も、どこか言葉だけが踊っていたようで、説明的な感じが先立ってしまったのには感情的に入り込めず終いで終わった感があります。
最後の方、春の父親だった真一(香川照之)を訪ねるシークエンスはよかったですが(香川さん、さすがの存在感!)、それもその後、お蕎麦屋さんのシーンで忠男と春の会話を借りての「説明」が繰り広げられてしまって、私としては逆に盛り下がってしまった感じでした。

                 .
 
ロ−ドムービーの醍醐味として、日本の隅々の風景をもっと色んな形で見せてほしかったなぁというのも残念なところでした。

・・・ごめんなさい、ネット上でも好評を博しているようだし、きっと心打たれた思いの方々は多いのでしょう。
私のうがった鑑賞眼のせいかも知れませんので、作品の感想はこれくらいで止めておきます。


 さてさて、劇中、忠男が春に隠れて日本酒のカップ酒をぐいぃ〜っと一気飲みするシーンがあります。
北海道だけに、それは「男山」の銘柄でした。私も好きですよ、男山。かわいい

日本酒の画は最近あまり挙げていませんでしたので、ここで今まで撮っていた日本酒(殊に地酒)の画を一気に挙げたいと思います。
奇しくも、ワイングラスで戴いている画は<エントラータ>というイタリアンのバールでの「男山」ですよ!


    王禄.jpg  丑寅で 鷹座巣.JPG  丑寅で 酔鯨.JPG  ますらお.jpg  エントラーダ 男山 あるんだ、日本酒も.jpg  駅ビルの呑み屋さんで.jpg  飛露喜 大好き!.jpg  美丈夫.jpg  東北泉.jpg  天青.jpg  喜楽長.jpg  


エントラータの他、難波の<丑寅>、天満の<やまなか>、北新地の<回>、駅ビルのお店(名前失念)での日本酒たちです!

忠男さんのように“ぐいぃ〜っ”とまではいかなくても、いつも“くいくいっ”と飲んでしまう私です。



posted by ぺろんぱ at 16:31| Comment(14) | TrackBack(3) | 日記
この記事へのコメント
おーっ、こうやって日本酒の画像が並ぶとなんか迫力ありますねー。
そして日本酒には、かな文字じゃなくやっぱり漢字のラベルが似合いますね!

その映画の何かが自分の感覚としっくりこない、そんな時が私もあります。
とは言っても、ぺろんぱさんが今回言ってはるのは、そういうの事とも違うかもしれませんね。
いずれにせよ、いろんな評価がある方が見てる側としては興味深いし面白いです、正直。
なんで、辛口のレビューも期待してますよ〜。

私事ですが、今週鑑賞予定の映画は2本とも邦画なんです。
いまだに邦画を見る時は「大丈夫かなぁ」と何となく緊張感を感じてしまうんですよねー何故か。

この作品も、来月あたり余裕があれば見てみたい気もします。
香川照之さん出てはると気になります。←こういう人、多いかも。
Posted by ゆるり at 2010年05月23日 21:56
お疲れ様です。

「漁師」を演じる仲代さん・・ってのは、
何だか『男たちの大和』でのキャラ造型を連想されてくれますね。

ワタシも(?)、こと最近の仲代さんには・・あんまり「凄まじさ」を感じないかも・・

(やや近年に限って)今までで一番印象深いのは『女王蜂(1978)』における大道寺のおいちゃん役でしょうかねぇ・・

でも、もっと時間を経て観直したら、案外グッと来るかも
知れません、かね?
Posted by TiM3 at 2010年05月24日 00:41
ゆるりさん、こんばんは。

お酒の画、迫力出てますか?^_^;
くいくい呑んでいってる私の呑み姿の画も迫力あるかも、です。^_^;

ゆるりさんが今週にご鑑賞予定の邦画2本って、アレとアレかなぁ〜?それともアッチとアッチかなぁ〜?と想像を楽しんでおります。(*^_^*)
そして私も!邦画に対しては何故だか「バシッと、ググッと、くるやろうか」と観る前はちょっと心配してしまったりします。
分析してみるに、多分「自国語で、自国の情景の中で、理解しうる共通の民族的感情に基づいて」描かれているものだという思いが自然と鑑賞眼を厳しく(或いは柔軟ではない姿勢に)変えてしまうのではないかと・・・。
本作も、ちょっと私は肩に力を入れ過ぎたのかもしれません。

>いろんな評価がある方が

そう言って頂けてホッとしました。
ゆるりさんがもしもご覧になられたら、ゆるりさんのご視点での感想を是非楽しみにしています!(*^_^*)

香川さん、ほんまに凄いです!
どの作品も存在感が凄いのに、どの作品もその存在位置が画一的でない香川さんなのですものね〜。


Posted by ぺろんぱ at 2010年05月25日 19:41
TiM3さん、こんばんは。

仲代さんというより、どっちかといえば「演出」とか「台詞の完璧さ?」(脚本?)にしっくり馴染めなかったのかもしれません。

しかし、もしもTiM3さんがご覧になられて「これぞ今年の邦画の筆頭格にして、役者・仲代達矢の代表作成り得るものと決め打っておきたい!」とかレヴューされるかもしれないと思うと、ちょっと“置いてきぼり”な気分になる私かもしれません、トホホのホ。^_^;
いえいえ、それはそれで歓迎ですので、もしもこの先ご覧になる機会がございましたら是非に。(^^)

>仲代さん

私としては映画では『鬼龍院花子の生涯』での鬼政役が何と言っても印象に最も深いところでしょうか。(*^_^*)

>もっと時間を経て観直したら、案外グッと

そうですね。きっとそうだと思います。
ありがとうございます。

Posted by ぺろんぱ at 2010年05月25日 20:04
はろはろ、しげぞうでございます。

この映画、GWの時、新宿の映画館の前を
通った時に気になっていた映画です。
名古屋地区でも上映が始まりましたので
是非、見に行きたいですが
今日はRailwaysだけでいっぱいですので
次回へ。

見たい映画がいっぱいで困ります。
Posted by しげぞう at 2010年05月30日 17:05
しげぞうさん、こんにちは、あ、この時間だと「こんばんは」?

>Railways

中井貴一さん主演のあの映画のことでしょうか。
私もアレはちょっと気になっています。
でもしげぞうさんと同じで「見たい映画がいっぱい」の6月、困っています。
5日は撮り合えず「アレ!」と決めていますが叶うでしょうか。(*^_^*)

この『春との旅』は多分ロングランになると思いますから、きっとまだまだ大丈夫だと思いますよ。
私は相性がよくなかった本作ですが、なかなか評判は上々のようです!(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2010年05月30日 18:08
見てまいりました。
結果、見てよかったとは思いますが正直、
何度か気持ちが引いてしまったところもありました。

>日本の隅々の風景をもっと色んな形で見せてほしかった
これすごくわかります!
せっかくやからもうちょいそういう面でのお楽しみがあってもよいのでは?と私も思いました。
それでも、春の父親の牧場の風景には、それまでのウツウツとした気持ちに
風を通してくれるような爽やかさがありました。北海道いいなぁ。

忠男には、甘ちゃんやなぁと思わせる言動がちょいちょいありますが、
仲代達矢さんが信念を持ってきちんと生きてはる人!という先入観が
私の中にあるもんですから。。。。
巧みなお芝居によって、忠男らしさがちゃんと表現されているのもかかわらず、
なかなか私の中で役と仲代さんのイメージが合致しないんですね。
これはあくまでも私サイドの問題だと思いますが。

小林政広監督、以前七藝(やったと思います)さんで上映してはった
「愛の予感」はビジュアル的にどうも食指が動かずスルーしてしまいました。
今作品面白い部分もあったので、今後機会があれば鑑賞していきたいと思います。
Posted by ゆるり at 2010年06月03日 00:43
ハイ、そうですよねぇ〜。
あのお蕎麦屋さんのくだりは要らなかったと、正直私もあの時点で思いました。
名優たちに援けられた感がありますよね。

で、やっぱり「男山」を見逃さなかったぺろんぱさん〜(^^)b
先日前から従妹に頼んでおいた「百年の孤独」を、
呑んでしまおうかと思ったくらいそそられました(笑)
今はすっかり弱くなってしまったので、一人で呑む訳にいかないんで、ガマンしていますが〜〜!
「益荒男」ってなに〜?!きいてないよぉ〜じゃない、呑んでみたいよ〜(笑)
Posted by kira at 2010年06月04日 00:37
ゆるりさん、おはようございます。

はい(*^_^*)、私もあの牧場風景には清々しさを感じました。
最初のひなびた温泉地の、窓から見える夜海もなかなか良かったですし、もうちょっとロードムービーならではの楽しみを味わいたかったですね。

「引いてしまった」というのは私も同じです。
横断歩道を飛び出すところなんかも・・・(-_-)。
仲代さんは好きだった俳優さんですし今でも好きですが、本作の役柄とは正直言ってミスマッチな感じでした。そこんところもゆるりさんと同じかなぁって思います。

本作、「何となく」ではありますが、監督氏の描き方に「文科省推奨作品」的なイメージを抱いてしまった私です。
同監督の他作品はどうなのでしょうね。良き作品があればまた教えてくださいね。

Posted by ぺろんぱ at 2010年06月04日 06:05
kiraさん、おはようございます。
俳優陣の熱演には拍手!でしたね。

>あのお蕎麦屋さんのくだりは

そうなのですよね。
それと忠男がいつまでもお蕎麦を豪快にすすって食べているので、「随分と盛りのいいお店だなぁ、良心的なお店だなぁ」って感心してました。(感心するとこじゃないってば!^^;)

「男山」、ラベルをばっちり確認しました!
っていうか、目が自然に吸い寄せられていって。(怖い。^^;)
わぁ!「百年の孤独」!いいですね〜!
我慢なさらず是非オン・ザ・ロックでぐいっといって下さい!(*^_^*)
「益荒男」もよい味わいです。名前的にもピッタリなので忠男さんにも味わって頂きたいところです〜。

Posted by ぺろんぱ at 2010年06月04日 06:19
期待とか先入観で考えるとあまり良くない点もありましたが、「年老いる」ってことを考えることになり、私としてはまずますの作品だと思いました。

仲代達矢さんが今まで演じてきた役を考えると、どうもしっくりこないというのはそのとおりでした。残念ですが役者さんが今までこなしてきた役でイメージとしてそうなってしまうんでしょうね。

一方、春の父親役の香川照之さん、出番は少なかったがこの映画での強いインパクト与えてくれていますね。(ある意味彼らしい役だったと思います)

劇場のポスターなどをみると、仲代さんがこの脚本を気に入って本以上の作品になったとの言葉がありました。本以上なのかどうかは判りませんが、本の方も一度読んでみたいなと思います。
Posted by west32 at 2010年06月07日 23:54
west32さん、いらっしゃいませ。

そうですね。「老いる」ということと、「家族の在り方」についても考えさせられましたしね。

役者さんは皆さんそれぞれに力演されていたと思います。
仲代さんにはまだまだ良い意味での色気を感じましたし、香川さんはもう本当にカメレオン的役者さんで(^^)。つい先日はDVDで『剣岳 点の記』を観て感心させられ、今はまた日曜夜のNHK『龍馬伝』での岩崎弥太郎の姿を嬉々として眺めております。(まっこと日曜の夜が楽しみぜよ!って感じです(^^))

本作、確か原作・脚本とも小林監督の手によるものではなかったでしょうか??
またご覧になられたら感想をお聞かせくださいね。
Posted by ぺろんぱ at 2010年06月08日 12:22
ちょっと前、BSでやってたん録画したの、いっぺんには観れんかったんですが、(平日はどうしてもそうなってしまうーいい観方ではないけど)今日観終わりました。

こないたくさんのコメント、しかも4年前!てことで、ぺろんぱさんを白こくさせたら許してちゃぶ台。

徳永えりさん、結構好きなんですが、やっぱうまかったです。ガニ股歩きもしぶかった気ィが。
自分としては、いい映画でした。
春が「おじいちゃんと生きていく」と、途中決意するところなど、いろんな意味でのー身内というものの重要さ、かけがえのなさーを感じさせました。後半、香川照之の奥さん言うところの「血がつながってなくても気があえば・・」みたいな言葉とは対照的ですが。
それと、「辛いから生きていけるんじゃないの」みたいな淡島千景のセリフが心に残りました。

ほな、またです。
Posted by ビイルネン at 2014年06月12日 03:24
ビイルネンさん、こんばんは。
過去のページにもご来訪頂き嬉しいです。「白こく」なんてなりません、歓迎です。

そういえばBSでやっていましたね、本作。
私も徳永えりさんはヨイなぁと思います。ただ、本作を劇場で観た時は未だ徳永さんの御名を知りませんでした。
『フラガール』を観たのはずっと後でしたし、NHKの『梅ちゃん先生』も本作より2年後でしたので。
仲代さんのイメージが本作のおじーちゃんと合致しなかったっていうのがやっぱり私の中での拭えぬマイナス感でした・・・しかしそれも今観返すと違ったものに感じるかもしれませんね。

>いろんな意味でのー身内というものの重要さ、かけがえのなさー

取り換えの効かない存在、ですよね、やはり。


淡島千景さんのその台詞は今はもう忘却の彼方ですが、「辛いけど生きていける」ではなくて「辛いから・・・」というソレは、ちょっと気を引きます。
機会があればその台詞の前後だけでも再チェックしてみたいです。

>ほな、またです

はい、ほなまたお越し下さいね、是非に。(*^_^*)






Posted by ぺろんぱ at 2014年06月13日 03:03
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