久々のリ−ブル神戸、濃いグレーで縁取りされた真っ赤なカーペットが敷かれた階段はちょっと豪華な感じです。
いつかロココ調ドレスを纏ってこの階段を駆け下りてみたい・・・という妄想は抱きませんが。
さて映画。
最後の「なぁ〜んてね」には最大の凄味が。
story
とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子(松たか子)が静かに語り出す。「わたしの娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではなくこのクラスの生徒に殺されたのです」教室内は一瞬にして静まりかえり、この衝撃的な告白から物語は始まっていく……。 (※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

衝撃でした。
ある意味、ホラー映画よりも怖いです。
「仮に」として呼称された「AとB」は、限定されたクラスの中であっけなく特定の固有名詞に変わる・・・その瞬間がぞっとするほど怖い。
負の連鎖と言うのは生ぬるい、そこには「“毒”の連鎖」を感じました。
連鎖の始まりは何処なのか。森口(松たか子)の激しい怨念なのか、その怨を生んだAとBなのか、いいえ、そのAとBを生んだもの?更には? 分からない。そして連鎖の終りは、果てしなく「無い」に等しい。
その連鎖の中に、私自身を含め誰もがいつどんな形で絡んでいくことになるかも知れない、その怖さも感じます。
幾つかの「告白」によって事件の内実が少しづつ姿をみせてゆくのですが、どの側面も其々にとっての真実であり、故に、どの側面も全てに於ける真実とは足り得ない。そこがひどく哀しくやるせない気持ちにさせるのです。
「復讐」という、通常の生活ではその字面さえなぞってみることもない言葉に否が応でも向き合わされる映画。
復讐の矛先が、少年法を温存する社会の制度や、アレを事故死と判断した警察の無能さにも分散して向かうのではなく、ごく個人的極小の標的に向けた世界を大胆に描ききったことが非常に興味深いです。それが本来の人間の感情なのかもしれないと感じましたから。

中島哲也監督ならではの極彩色な世界はなかったものの、独特のあの“弾ける”感覚の描き方は随所に見られ、益々この監督さんの作品は面白いと感じさせられました。
狂気さえ滲ませ、静かにどす黒く渦巻く怨念を見せてくれた主演の松たか子さんにも拍手です。
湊かなえさんの原作、是非読んでみたいです。
さてさて、こういう映画の後のざらざらとする感情をクールダウンさせるため、三ノ宮・ZENで<吉兆吟醸>を。
さらりと美味しいです。飲み過ぎるとヒートアップするので要注意ですが。リーブル神戸のカーペットを思わせる酒器の赤です。


コレはちょいと期待値を高めてる1作ですね。
松たか子さんと木村佳乃さんと言うと、
ちょっと(見た目)キャラのかぶってそうな感もあるんですが、
どうそこに「それぞれのらしさ」を演出してるのかな、
みたいなトコに興味があります。
しかしこの手の作品って・・レビューする側も、読む側も
互いに妙に気をつかってしまいますよねぇ・・(⌒〜⌒ι)
書きたいんだけど書けない。
読みたいんだけど読めない。
みたいな。
なぁ〜んてね。
(↑観てから、そのネタは使いなさい、と)
今回は特に!storyを割らないように書いた積りでしたが、やはり何にせよ“真っ白な”状態でお臨み下さるのがいいです。私もそうでしたので。
それで、もしも本当に御鑑賞が叶ったら是非ご再訪下さいね。(*^_^*)
松さんと木村さん、確かにキャラの被ってそうな感はありますね。しかし松さんの今回の演技を見るに、お二人の同時御出演で考えればやはり森口先生役は松さんだったか、、、と。ご覧になられたら御意見賜りたいです。
TiM3さん流の「なぁ〜んてね・リメイク」を心待ちに?しております。
この映画、原作を読んでみると
上手に映画に咀嚼しているなあ、といっそう
感心されるのではないでしょうか。
とくに、あのひとことは、映画ならではの
画竜点睛でした。
まさにそういう子供たちであり、親の姿でしたね〜。
しかし、手放しで褒めたくはない種類の作品ではあります。
その手法がどうであれ。
最近とくに、敢えて映画化する意味、みたいな事を思ってしまうのですよねぇ、、(^^ゞ
この作品も早速、ハリウッドでリメイクが決まったそうですが、
ちょっとなんだか、売れればOK的な群がり方にも違う気がしてしまいます。(な〜んてね (uu;)
学園物のダークな世界感、松さんの血の気のない
無表情キャラに期待値がかなり上がっていたのが
ワタシのレビューの辛口原因かもしれません^^;
え!もうハリウッドでリメイクするの?
ワタシとしては、これは是非、韓国でリメイクしてもらいたいです^^;
観て来ました〜 ・・って早っ!
>ご覧になられたら御意見賜りたいです。
直接対決は余りなかったですね・・
>TiM3さん流の「なぁ〜んてね・リメイク」を
>心待ちに?しております。
ハリウッドリメイク企画が、コケないとすれば(=^_^=)
「な〜んてね」は「Only Joking.」とか訳されそうですね。。
早速本日、原作本を購入してきました。
映画との違いを味わってみます。
>映画ならではの画竜点睛
そうなのですね。原作の中で、あのひとことの発想に至ったと思われるところを見つけてみたく思います。 (^^)
確かに、「賞賛」と言うには余りにも打ちのめされ過ぎる作品ではありました。鑑賞後のザラつく心情があったことは否めません。この作品を彼らと同世代の子たちが観ればどう受け止めるのか、それを考えると複雑です。
早くもハリウッドリメイク!?
驚きです!ショッキングな面だけをウリにしたようなものになるのはちょっと辛いですね。(私もレヴューで先ずそれを書いてしまってますが)
と言いつつも、森口先生役は誰やろ・・って考えてしまいました。
ナオミ・ワッツ?・・・それ、単にあの邦画リメイクの横流しやし ^_^;。
しかしこうやって、映画を観た人といろんな観点から「語り合いたい」と思わせてくれた本作でもあるのです。
私は結構「衝撃度」は高かったのです。
子供たちの誰もがそれぞれに毒を秘めていて、それも恐ろしかったです。
もうちょっと救いが欲しかったくらいで、いつかソレが来るかと思っていましたが、、、無かったですね^^;。
>韓国でリメイク
と仰るということは・・・itukaさんの中では「是非この監督に!」っていうのがきっとあるのですね。(^^)
『…クムジャさん』の御仁ですか? 『グエムル』の御仁ですか??それとも???
ホントに「早っ!」ですね!(^^)
で、こちらからも先に貴ブログにお伺いして先ほどコメを残させて頂きました!
>直接対決は余りなかった
そうですね。
ちょっと考えてみるに・・・母親(佳乃さん)がそれこそ土下座でもして謝罪していたとしても、
多分森口教諭(松さん)の復讐は変わらなかったのでしょう・・・ね。
>「な〜んてね」は「Only joking.」とか
或いは「Just kidding !」 とかね。(^^)
21時からの「ココシャネ」待ち状態です(=^_^=)
>で、こちらからも先に貴ブログにお伺いして先ほど
>コメを残させて頂きました!
有難うございました。
わたうさちゃんも大喜びです(=^_^=)
>母親(佳乃さん)がそれこそ土下座でもして謝罪していた
>としても、多分森口教諭(松さん)の復讐は
>変わらなかったのでしょう・・・ね。
土下座が通じないと悟った木村さんが松さんに襲いかかり、
台所で包丁を振りかざして対決・・
・・ってまんま『キルビル』ですね(=^_^=)
>或いは「Just kidding !」 とかね。(^^)
どうせだから、思いっきし「意訳」して「Bon Appetit!」
ってのはどうでしょう?(=^_^=) ←ジュリジュリかよ!
早速返信が入っていたのでビックリ!しました。
『ココ・シャネル』をどうぞお楽しみ下さいね。
シャーリー・マクレーンさんもさることながら、マルコム・Mさんの今の姿をしみじみと御鑑賞くださりたく・・・。私は『時計じかけの・・・』の彼のポストカードを未だ大事に持っておりまする。(だからなんだよ、と言われると辛いものがありますが^_^;)
>わたうさちゃんも大喜びです
そのお言葉、今はちょっと怖いですぅ。^_^;
キルビルの展開、、、そうなってくれてたほうが逆に気が楽だったかも、です。
>思いっきし「意訳」して「Bon Appetit!」
そのへんのTiM3さんのブラック・ジョークの才には本当に脱帽です。 わたうさちゃんグッズを進呈します^^;。ハリウッドでそれが採用されるかもしれませんよ。(^^)
映画観たらまたコメにきます。
評価が高いというより、凄く衝撃度が高かったのです。
そしてそれが今も尾を引いている感じです。観終わった後の心のザラつく感じも否めませんでしたし。
けれど、是も非も全てひっくるめ、いろんなことを映画を観た人と語り合いたいと思わせてくれる作品ではありました。
今、原作を読み進めています。
west32さんは原作を読んでいらっしゃるのですよね。もし映画をご覧になられましたら是非ご再訪くださいね。
私も観ましたよ。
・・・・実は好きなジャンルです,復讐もの。
しかし,これは凄かったですね
まさに「毒の連鎖」です。
復讐ものっていろいろ観てきたけど
これほど薄めていない「生(き)のまま」の毒気は初めてかも。
それでいて,この監督さんの映画ってどこかピュアな美しさもあって
そのアンバランスさがかえってインパクトありました。
ほんと,これって心理的にはホラー映画ですよね。
後半,貧血メイクの松たか子さんが
まるで怨霊のようにも見えたシーンもありました。
初めて韓国映画って凄い!と思ったのが
あの『チェイサー』だったのです。
ということで、ワタシとしては是非とも、ナ・ホンジン監督に撮ってもらいたいんです^^
もしも、ハリウッドリメイクならナオミ・ワッツってピッタリな感がしますね^^
それとも、まさかのジュリアン・ムーアだったりして^^;
薄まってなかったですね〜。
物語の進行と共に更にどんどん濃くなっていく感じで。^_^;
>怨霊のようにも見えた
完璧に、既に(人間としての)人生は何処かに置いてきたって感じでしたね。
女優さんって凄い。というか、松さんって凄い。
>どこかピュアな美しさも
森口教諭は怖いのに何処か凛と、どろどろの怨念とは別な、しーんとしてまるで湖面が澄みわたるような透明感も感じましたが、それももしかしたらななさんが仰っている「ピュアな美しさ」を監督が求めていらしたからかも知れませんね。
『チェイサー』でしたか!(未見ですが・・・)
パク・チャヌク監督じゃなかったんですね。(^^)
ハリウッド・リメイクはどなたが監督なさるのでしょうね。
>ジュリアン・ムーア
おお!ハンニバル!シェルター!衝撃映像モノにはピッタリ?!
そういえば『妹の恋人』では発狂して自姉を虐殺してましたけど。いえいえ、それはあくまで「売れなかった女優時代にやった役柄で」って設定で、本当は素敵なレディー役でしたけどね。(^^)
お元気ですか?
そろそろ夜が明けようとしています・・
近頃私は、クーラー病で、身体がダル重いです
外は暑いし、中は寒いし、絶対自律神経ボロボロになると思います・・ (泣)
「告白」を初めて映画館の予告編で観た時「う〜わっ!怖っ!」って思いました
ペロンパさん曰く「ある意味、ホラー映画よりも怖いです」というのが、よく分かります
何て言うか・・女特有のうらめしや〜っていうのを感じます
なので、臆病者の私は観に行けません!
本で読むことにします (^-^)
さて、今宵(6/12土)は、新月です
願い事は、新月にして、叶うのは、満月(6/26土)だそうです
ペロンパさんも何かお願いしてみて下さいね! vivian
映画として中々良いものでした。原作の怖いところをうまく取り込んで、映画の短い時間で表現されていると思います。
特に松たかこさんは素晴らしいです。無表情な顔で淡々と語る言葉!怖いですね。松さんに関わるシーンでは直接的なキツイ場面はほとんどなかったと思いますが、すーっと入り込んでくる怖さ。語りだけでこれだけ恐怖を伝えてくれて....怖い。
この映画では原作以上に「母性」というものが打ち出されているように思いました。森口親子、少年A親子、B親子。いずれも母と子のお互いを真剣に見つめる(でも自分中心の)姿が打ち出されています。
ぺろんぱさん、原作を読み終えたら是非ともそちらの感想も。
(映画と本は違うものですが、どちらも楽しめます)
今朝のコメントの時間、早いですね〜!眠れなかったのでしょうか?? 私もよく猫に起こされて起きている時間帯でもあるのですが。^_^;
クーラー病とのこと、職場は仕方ないとしても、せめて御自宅ではクーラーの無い中でゆっくりと身体を労わってあげて下さいね。
このブログに時々コメントを入れてくださるビイルネンさんに教わったことですが、生姜を毎日がりっと齧るのは身体を芯から温めてイイみたいですよ。私も実践しています。(^^)
さて『告白』ですが、今は本も後半です。
ご推察の通り、映画の方がかなり凝縮された怖さがありますね。けれど原作を読まれたら映画も観たくなるのでは??(^^)
>今宵(6/12土)は、新月
ありがとうございます。(*^_^*)
願い事、唱えてみますね。
vivianさんの願い事が叶うといいですね。
ご覧になられたのですね。(^^)
先ほどのコメントでも述べましたが、本作は原作の世界を凝縮して描かれていて、映画としては原作世界を損なわないで完成度を高めてくれていたように感じました。
本はまだあと半分弱、早く読み終えたいと思います。
>原作以上に「母性」というものが打ち出されて
そのようですね。
そしてその母性こそがあらゆる事件の根底に大きく存在しているのですね。
松さん、よい女優さんですね。
最後の台詞はぞっとすると共に涙を誘うほどのものでした。