
レヴューアップがちょっと遅れましたが、先の週末、梅田TOHOシネマズで『クレイジー・ハート』(スコット・クーパー監督)を鑑賞しました。
チラシでは、この「クレイジー・ハート(CRAZY HEART)」は「荒ぶる魂」と訳されていました。
アルコールの海に溺れ切ったクレイジー・ハートの行きつく先は・・・。
story
ジェフ・ブリッジスが破滅的な人生を送るシンガーを演じアカデミー賞主演男優賞を受賞したヒューマンドラマ。
シンガーソングライターとして一世を風靡したものの、57歳になってすっかり落ちぶれたバッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)。自分の弟子だったトミー(コリン・ファレル)がアメリカのトップ歌手として人気を博す一方、孤独な酒浸り生活を送るバッドは、シングルマザーの記者ジーン(マギー・ギレンホール)と出会う。 (※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

ジェフ・ブリッジスは大好きな映画『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(ミシェル・ファイファー大好き!)でもかなり素敵でしたが、本作でもその骨太な魅力は褪せるどころか更に深みと厚みを増していました。
ファビュラス…の時もそうでしたが、この人は本当に“(SAS風に言うところの)いけない水と煙”がとことん似合う御仁です。
死とすれすれのどん底のアル中人生の中でも、「コンサートでは歌って弾く!(それだけ!)CDなんか売らないぞ!」と息巻き、アーティストとしての誇りは辛うじて保っていたバッド。荒ぶれても決して腐ってはいないっていうことでしょうか。(そのくせバッドは興業主に平然とお酒をねだっていましたけど。^^;)
でも心底腐ってはいないバッドだから、本気で歌えばとにかくハートを揺さぶる魅力があるのですね。歌はテクニックじゃないのだと改めて感じさせてくれます。
吹き替えじゃなくてジェフ自身が歌ったということで更に驚かされます。同じく自身の声で勝負したコリン・ファレルの歌もなかなか聴き応えがありました。(相変わらず眉毛の存在感もバッチリ!のコリンさんでした。)

一流を見抜く目だけは腐らせていなかったバッドの魂が選んだ女性、ジーン。
アルコール依存から足を洗う決意をさせるほどには(これは並々ならぬ決意と思いますから)、ジーンにもジーン役のマギー・ギレンホールにも魅力を感じなかったのは私だけかもしれませんが、この物語のキーとなる肝心のそのジーンとの恋愛のパートが、バッドの人生の長さと起伏の激しかったであろう生き様に比して若干薄く、運びが性急に過ぎた感が否めなかったです。もう少し二人の「惹き合う魂」みたいなものをじっくり見せてほしかった気がしました。
苦い結果になったのも、だからそれはそれで仕方のないことだったのだろうなぁ、と。“あの出来事”がなくても二人の結果はきっと同じだったのだろうなぁ、と。
ただね、殺伐とした荒野にポツンと建つ公衆電話BOXで、小銭をかき集めてジーンに電話をするバッドの姿はとにかくいじらしく愛おしく、それを思うと報われなかったのはかなり切ないのですけれどね。
アメリカの広大な大陸に延々と続く一本の長い長い道。
空に浮かぶ白い雲は時に雄々しく、時に優しく。
周囲の風景は少しずつ変わることはあっても、その一本の道はどこまで走っても果てることがないのでしょう。まるでバッドの人生そのものみたいに、ね。
「孤高のシンガー」って言われて人生を終わるのも悪くない・・・って私は思いましたよ。
さてさて、「アルコール依存」は程度の差はあれバッドも私も同じだと思います。
先週から今週にかけてBAR2軒。
今日先ずアップさせて頂くのは目出度く2周年をお迎えの<Bar SPEAK LOW >さん(西天満 幸田ビルB1F)です。

2周年フェアのお葉書をいただいておきながら、一番行きたかったレディMさんのピアノ演奏日にはお伺いできず仕舞い(すみませんでした)。独りでしたが「今日こそ!」とお伺いできた日には2周年のシャンパンフェアも続行中で、先ずはシャンパンから始めてのジン2景です。
アルコール失敗談の引き出しは無尽蔵の私ですが、まだまだお酒の世界からは抜けられそうにありません。「心の友」ですから、なんてね。
私的には『サンダーボルト』『スターマン』『アイアンマン』
辺りが好きなジェブリさんです(←略しすぎ!)
アカデミーとかに興味のないしとは、きっと作品名がこんがらがって
『クレイジー・ハート・ロッカー』とか言ったりされそうですね(=^_^=)
もしや、と思って伺ってみたらUPされてて嬉しい〜(=^_^=)
確かに、バッドが何故ジーンにそこまで惹き付けられたのか、いまひとつ描ききれてなかったかも。
自分が息子と築けなかった関係性を、ジーンと彼女の息子に見出したかったのかなぁなどと
ぼんやり思いながら見ていたのですが。
この映画、ジェフの歌だけでも聴く価値アリ!な気がします。
「歌え!ロレッタ愛のために」とか「ウォーク・ザ・ライン」とか、カントリーミュージックの世界を
描いた作品は色々ありますが、これ、ダントツに音楽がカッコ良かった!と思います。
役づくりとはいえボテボテの体になってたジェフ・ブリッジスからは悲哀を感じましたヨー。
脳内衝撃波の後遺症は出ておりませんでしょうか?大丈夫でしたか?(^^)
さてさて、TiM3さんにかかると「おとっつぁん」なジェブリさん。ご紹介の『スターマン』っていうのにちょっと興味を抱いております。
>『クレイジー・ハート・ロッカー』
対抗馬、『エンゼル・ハート・ロッカー』・・・って、引き合い作品が古っ!!(すみません(涙))
早速にお越し下さりありがとうございます。こちらこそ嬉かりし〜です。(*^_^*)
確かに、バッドがジーンや彼女の息子バディに希望を見出そうとしたのは伝わってきましたよね。
そうなのです、丁寧に描かれてはいたのだと思うのです。
よ〜く自分の胸に手を当てて再考?してみるに、多分私はジーン役のマギーさんに思うところがあったのかもしれませんね。心情的に何となく感応しきれなかったとでも言いましょうか。
ふと思い出して過去の拙レヴューの『ダークナイト』を開けてみると、、、書いてました書いてました(^_^;)、「・・・命を賭して守るほど、マギー・ギレンホールという女優さんに今一つ魅力を感じなかった・・・云々」と。やっぱりソレだったのかなぁと思ってる今です。
マギーさんファンの方々、本当にすみません。ゆるりさんも、もしファンでいらしたらゴメンなさいです。
>カントリーミュージックの世界
ご紹介の2作品とも未見です。(涙)
しかしカントリーもしみじみ聴いてみるとなかなか渋いものですね。仰る通り、音楽はカッコよかったですね!(^^)
>役づくりとはいえボテボテの体
役づくり、なのでしょうか。そうですよね!
年月は残酷なものですね。・・・って、役づくりだってば!^_^;
いえいえ、ジェフさんならボテボテの体でもいいです!・・・だから役づくりだってば!!(~_~;)
アメリカでのカントリーソングの人気がわかります。
ジェフのアル中ぶりは迫真演技でした。
相当に飲んでましたよ。
あのお腹を見ていると、ボクは気をつけようと思いました。
カントリーミュージックって、古き良き頃を思い出す音楽っていう“ほのぼのイメージ”が先行していたのですが、なかなか“魂の静かなる叫び”っていうものを感じる音楽なのですね。
ましてや、ご当地での情景に包まれて聴くとググッとくるものがあるのでしょうね。
>ジェフのアル中ぶりは迫真演技
やっぱりアル中への道は<ハードリカー>なのですね。それもそのまんまストレートでのガブ飲みで。^_^;
お腹も勿論ながら、ご健康にはお気をつけてくださいね。(自分にも言い聞かせます)