よからぬところでまた雨女パワーが出てしまいました。
主演ヴィゴ・モーテンセンのポストカードが特典として嬉しい前売り券を買っての、本日公開の『ザ・ロード』(ジョン・ヒルコート監督)を梅田ガーデンシネマで鑑賞しました。
「何でもないようなことが幸せだったと思う〜」・・・あ、これは全く違う「ロード」でしたね。でも正直言ってこの映画の公開前の数日、この曲が私の脳内へヴィ・ロテになっていました。
story
コーマック・マッカーシーがピューリッツァー賞を受賞した同名のベストセラー小説を映画化したロード・ムービー。
謎の天変地異がアメリカを襲い、ほとんどすべての動植物が死に絶え、文明も消滅。そんな世界に残された父(ヴィゴ・モーテンセン)と息子(コディ・スミット=マクフィー)は、ひたすら南を目指して歩き始める。生き残ったわずかな人々が互いを食らうという狂気の中でも父は決して正気を失わず、息子に人としてのモラルを語り続けるが・・・。(※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

この映画、出来ればエンドロールが終わるまでずっと席を立たずにいて欲しいです。
何があるってわけではないのです。でも微かに聞こえる“音声”に、言い知れない無常観を感じ、様々な思いが胸を熱くしてくれましたから。
「愛」とか「命」とか「力」とか「家族」とか、そんな言葉たちも脳裏を過ぎり…。この余韻もまた、スクリーンで味わう映画の良さなのかも知れません。
生命の輝きに満ちたオープニングから、「死を望むことなど贅沢」とイーライ(ロバート・デュバル)に言わしめるほどの地獄絵図の世界。
人間は、そこまでの地獄と恐怖と背中合わせになりながらも尚「生きよう」と思えるものなのでしょうか。そんな根源的な疑問が終始私の中で繰り返されたのでした。
父(ヴィゴ)の決断は半ばエゴではないのか、人は死を選ぶ自由もあるのではないか、そこまで考えた中盤でした。しかし、やはり最後にはちゃんと、父が本当に教えたかったことー命の尊さ(と、私は思う)ーを感じさせてくれたのでした。
そう感じるに至らせてくれた某人物、ガイ・ピアースがいいですねぇ。
出演が分かっていたので「一体いつ出てくるの?」と思っていましたが、ちゃんと期待に応えてくれました。

私なら、先ず負けてしまっていました。
「サバイバルに弱い」とは常々書いてきたことですが、あそこまで絶望の渦巻く世界で、私なら到底生きられないだろうって思いました。
だからこそ、彼らの生きようとする魂が私の頭をガツンと打ちました。
絶望の世界にいながら、「私がもし神なら、(今の世と)寸分違わぬ同じ世界を作り、そして(やはり)お前の父になる。」と息子に語った父。
一度は悪しき者の世界とボーダーレスになった彼を善き者の道に導いたのは他ならぬ息子だった・・・だから神は何処か違う世界に鎮座する存在なんかじゃなくて、本当はいつだって自分自身の中に居るのだと感じました。息子が神であり、彼を導き彼によって導かれもした父親もまた、真の神だったのではないかと思えたのでした。
彼らの道は何処へ続くのか。
その先に光があると信じたいです。

ヴィゴ・モーテンセンは『イースタン・プロミス』以来です。やっぱり素敵。
妻役であるシャーリーズ・セロンもやっぱり凄く素敵。
犬も登場します。私はこの犬の登場に、とてもとても、もの凄く、救いと希望を感じたのでした。
さて、劇中のヴィゴは偶然にも<命の水>(別称・いけない水)に出会います。
何年振りかのソレは、さぞ身体にしみ渡ったことでしょう。
ジャック・ダニエルにも似たボトルでしたが銘柄は判別できませんでした。

私の先日の命の水。

堂島サンボアでのジン・ソニックです。
ロバート・デュヴァル、ガイ・ピアース・・
なかなか豪華な出演陣ですね。
とある本を届けに南へ・・って訳でもなさそうですね ←もうソレはエエっちぅねん(=^_^=)
しかし、本作のカントクのご尊名を全く知らないワタシは、
まだまだ甘いんでしょうかねぇ・・
土砂降りの中ということは、11時55分の回でしょうか?!
またしても、同じ劇場でしたね! 今回はサンダルは大丈夫でしたか? フフフッ
出演者の演技が光ってて、言葉よりも映像でいろんな事が伝わってくる、
映画ならでは醍醐味がある作品やったなぁと思います。
でもいろんな意味でキツい物語でしたので、再鑑賞はちょっと尻込みしてしまいます。
息子役のコディ君なくして、この映画は成立しない!という気がするくらい、彼にはまりました、私。
ふと登場したガイ・ピアースがフツーな人で、なんかホッとしましたよー。
あっ、それ以上に彼の犬の存在に心がなごみましたけど。
観た後少しだけ希望が持てる気がする、そんな映画でした。
帰りには雨もやんでいたので、ちょっと気分も晴れやかになりました。
ロバート・デュバルも好きなんですよね〜、『ゴッド・ファーザー』の時の印象がよくて。
本作でも存在感を放っていました。
ジョン・ヒルコート監督は、私も作品映画を見るのは初めてじゃないかと思います。
TiM3さんの網の目状に走る(しかも立体交差で走る)映画情報からも洩れるくらい、映画の世界ってホントに広いんですね〜。(*^_^*)
映像はヨカッタですよ。もしも機会がございましたら是非に。(*^_^*)
!?! いいえ、私は14:10の回でしたよ!
あれ?土砂降りだったのは(特に)鑑賞を終えての帰路だったかも、です。^_^;
とにかくGパンの裾が雨水で濡れてしまって…真っ直ぐに帰る気になれずついちょっとだけBeerを飲みに行ってしまいました。(そんな状態やったら真っ直ぐ帰りんかいっ!! ^_^;)
映像が力強かったですね。
できればやっぱりスクリーンで鑑賞したい作品だったと感じました。仰る通り、かなりキツイし、怖いところも一杯なので、再鑑賞は心してかからないとダメそうですね。
コディ君、柔らかい雰囲気の顔立ちがママ役のセロンさんを髣髴とさせて、違和感も無かったです。最初の“危険な”シーンの後のコディ君の放心状態の演技は特筆ものでしたね。
ガイ・ピアース、確かにフツーだったのですが(私も多分もっと違う役柄かと思ってました)、意外にもそれがよかったです。(*^_^*)
ゆるりさんとは回が違ってたのかなぁ・・・。でも同じ作品を同じ日に、っていうことでニンマリしておりまする。(^^)
映像では少し違うようですね。父と子の物語だけでなく、母の出てくるシーンも多そうですし、映画を観る気は無かったのですが、今度時間があれば観ます。
> 出来ればエンドロールが終わるまでずっと席を立たずにいて欲しい
これって、映画ならではですね。
いつも思うんですが、お客さんでエンドロールが出たら直ぐに帰っていく人を観ていると....悲しいです。映画を最後まで楽しんでいただけないようで。
>邦訳版も読んだのですが
ええっ!?では初めに読まれた原作って「原書」だったのですね!
語学がお好きで長けていらっしゃるとは貴ブログで存じ上げていたものの、原書から「単調」なる文体をも感得なさる程とは・・・凄いです(*^_^*)。
本映画、殆どは父子の物語なのですが、「母」は(父の)「妻」として、父親(ヴィゴ)の心に強烈なまでの光と影を残していたのでした。
エンドロールは、さほど興味のない人や時間的に急ぐ人は仕方ないのかもしれませんが、ちょっと寂しい気もしますね。
私は「余韻に浸る時間」としても重宝しているのですが。(^^)
本を読んで自分で想像するのより、断然映像的にうまく表現していると思いました。
視覚的に判り易くなっていましたし、変なリアル表現もなかって良かったです。(原作も生臭いのはなかったです)
でもしんどい世界です。
私は原作を読んでいませんが、どなたかお読みになった方の「よく映像化したものだ・・・」っていうコメントを目にしたことが印象深かったです。
「世界の終り」感が、哀しいまでによく描かれていたように感じました。
しかしやはり、、、しんどい世界ですよね、本当に。
割と地味目な映画でしたが、少年と父との絆に関しては程よい描かれ方でよかったです。
ワタシとしては、シャーリーズに似てた少年に感情移入しまくりで
あの黒人盗人のシーンでは心を揺さぶられました^^
それにしても、あの親指の件に関しては一切説明がなかったですよね^^;
>割と地味目な映画でしたが、
そうですね、派手な演出はなかったといえるかもしれませんね。しかしそれでいて、あれだけのジ・エンド・オブ・ザ・ワールド、終末観を醸しているのも凄いかな、と。
あの少年、シャーリーズさんに似ていましたよね!
私もそう感じました。
>あの黒人盗人のシーンでは心を
少年が成長し、父が教えてきたことが嘘ではなかったと感じさせられたシーンでした。私も印象に深いです。けれど、もっと早く引き返して欲しかったというのも正直な思いですが。黒人の彼がまだいる時に、、、ね。
親指の件、ちょっと追ってみます。
意味があるのでしょうね、きっと。
ところで、itukaさんのお住まいの地域に、こちらも遅れること約一ヶ月。やっとこちらで公開となった『闇の・・・』を観て参りました。(*^_^*)
後ほどレヴューをアップしたいと思います。