2010年07月11日

川の底からこんにちは

梅雨の晴れ間だった昨日(土曜)、シーツとかの大物の洗濯を済ませ梅田へ映画鑑賞に。
『ザ・ロード』鑑賞時に前売券を買って楽しみにしていました。梅田ガーデンシネマでの『川の底からこんにちは』(石井裕也監督)です。

本作は、麒麟の発泡酒<端麗生>が多分最も多く登場する映画でしょうね。主演の佐和子(満島ひかり)が“これでもか”と飲みまくっていました。
満島ひかりちゃんの飲み方は酔い人からみれば「星2つ半」くらいでしたけれど、それでも、全編に女優・満島ひかりの底力を感じました。
吠えて、泣いて、前を向け。

story
  上京して5年、仕事も恋愛もうまくいかず妥協した日々を送る佐和子(満島ひかり)は、父親が病で倒れたことから帰郷。一人娘のため父が営むしじみ加工工場の後を継ぐことになるが、従業員のおばさんたちには相手にされず、会社の経営も倒産寸前に追い込まれていた。その上、一緒に工場の後継ぎになりたいと付いてきた恋人にまで浮気されてしまう。 (※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

                 川の.jpg

  あの「社歌ーA」、CDデヴューして欲しいです。
闘う意志が漲ってて、あれを毎朝聴いたら人生も変わるかもしれません。

「問題が大アリ」な状態でも「何の問題もない!」って言い切ってしまえば、それで人生は切り開けるものなのだなぁーと、「根拠の無い自信」と「妙な説得力」を感じる作品です。

台詞と台詞の間、画面の唐突な切り替わり、「それ違うでしょ!」っていうような胡散臭い台詞や設定なんかが、一拍置いてからぷぷっと笑えて来る妙な可笑しさもありました。

「中の下」と自覚し豪語する潔さは、それはそれで天晴れ。
開き直りも背筋を延ばしてそれをやればカッコよさになるのですね。一番カッコ悪いのは自分を取り繕うことなのだと思わせる。
取り繕ってばかりだったカッコ悪い健一(佐和子の恋人)も、きっとあれからはカッコ良くなっていってくれる・・・かな。(希望的観測)

                  川の1.jpg                        
健一の連れ子・加代子ちゃんとの関係が徐々に狭まっていく感じは実にいいですねぇ。
彼女、オトーサン(健一)以上に「人生分かってる」感があります。本作の中で一番エールを贈りたいのは加代子ちゃんでした。

川の中なら涙も消えていくのですよね、きっと。
泣いて泣いて、上を向いて、川の底からこんにちはー!


  さてさてかわいい、劇中、父親が佐和子に向けた「酔っ払って寝ちゃったんだよね、コイツ」っていう言葉。
私もかつて帰郷した際、お酒が好きで娘との乾杯を楽しみにしてくれていた父の期待に応えようと、必要以上にガンガン飲んで酔い潰れて寝ちゃったことがありました。母が介抱してくれたのを覚えています。
そういう“無条件に与えてくれる温もり”が、佐和子にも加代子ちゃんにも必要だったのだと思います。


                 銘柄失念 純米吟醸.jpg

はい、今日も酔い潰れない程度にお酒を飲みましょう。
これは先日の画、ヤキトリ屋さんでの日本酒です。



posted by ぺろんぱ at 16:58| Comment(4) | TrackBack(3) | 日記
この記事へのコメント
やーやー、ここんところ気が合いますねぇ。私もこれ、楽しみにしてました!
「クヒオ大佐」から満島ひかりさんには注目してた(遅いですか?)んですが、
彼女としじみ工場という組み合わせにワクワクしてましたよん。

あの「社歌ーA」の時、カメラワークも異様に迫力ありましたよねぇ。
「社歌ー@」の時との落差が笑えるし。ぷっ

>満島ひかりちゃんの飲み方は酔い人からみれば「星2つ半」くらい
なんかまずそうに飲んでたからでしょうか?!
ちっとも美味しそうではなかったような。。。。
ちなみに私は、ビールをグラスに注いでちょうどいい感じの泡で飲みたい派です。

ぺろんぱさんのお父様との晩酌、いいエピソードですね〜。
うちの父親は肝硬変(佐和子の父親と同じ!)で早くに亡くなったんですが、
そういえば小さい頃はビールをちょっぴり飲ませてもらってた記憶があります(いいのか?!)。

健一の編み物をする手つきがちょっとぎこちなかったのが気になったけど、
今年は面白い邦画との出逢いがなんか多い気がして嬉しくなりました。
Posted by ゆるり at 2010年07月11日 18:15
ばんはです。

“ソレイユ”に寄って帰ろうかな〜と思いきや、今週いっぱい休館でした。。大丈夫かなぁ・・(・ω・)

仕方ないので地上波で『ディパプリオ』待ちです(=^_^=) ←DVDソフト買ってるのに未開封のまま、、

満島さんと言えば・・『クヒオ大佐』では、川の底ならぬ、海の底に転落してましたっけ?

ちょっこしぎこちないような、インディーズ圏内なような、
そんな不思議な印象の女優さんだったかな?

「社歌」って言う演出は面白そうですね。

どっかで観る機会があるなら、試してみたいです。
Posted by TiM3 at 2010年07月12日 20:23
ゆるりさん、こんばんは。TBもありがとうございます。(私、実はTBってしたことがなくて、、、いつもコメントのお返しだけで済みません。)

さて、ここまで気が合うと、次の作品ももしや?と思っちゃいます。(*^_^*)
そして、私も満島ひかりさんは『クヒオ大佐』の時からです。

>「社歌ーA」の時、カメラワークも異様に迫力

熱唱する皆さんの顔、ある意味怖かったですね。^_^;
テンション上げ上げ状態で、あの戦闘モードのまま<しじみ>を扱う作業に入って果たして大丈夫なんだろうかと心配したりして。^_^;

>なんかまずそうに飲んでたからでしょうか

そうですね、そうなのです、依存してる飲み方ってもうちょっとお酒の存在を自己と一体化させようとしてる感じだと・・・。(何者やねん、ワタシ!^^;)

はい、ビールは本来ならゆるりさんのようにちゃんとグラスに注いで泡の美味しさも味わいたいところでしょうね(^^)。色も眺めたいですしね。勿論、佐和子にはその心の余裕はなかったのでしょうけれどね。

>ちょっぴり飲ませてもらってた記憶があります(いいのか?!)

いいのです!!!
良き思い出ですね。大切になさってくださいね。(*^_^*)

>健一の編み物をする手つきがちょっとぎこちなかった

おお!
私が佐和子のビールの飲み方を斟酌するように、ゆるりさん、そこにご注目されましたか!
手先が不器用な私はトンと気付きませんでした。(-_-)
でもあのざっくりしたセーター、ダサくてもちょっと可愛かったです。

私も今年は中盤あたりから結構邦画づいてます。
今後にも期待!です。(*^_^*)

Posted by ぺろんぱ at 2010年07月12日 21:48
TiM3さん、こんばんは。

ソレイユ、スタッフの皆さんで社員旅行とか?・・・そんなわけないのでしょうねぇ、きっと。

ディパプリオ、分かる人には“分かりやすい”ですね。^^;
今、拙宅ではBGVになってます。

>川の底ならぬ、海の底に

上手い!流石です!  座布団3枚!(←だからそれは古いってば!!^^;)

満島ひかりさん、「美形だけど(一見)脇役タイプ」、なのに「脇役だと勿体無いかも」という不思議な魅力を感じる女優さんです。(何者やねん、ワタシ^^; えらそうにスミマセン!)

あの社歌、是非聴いて頂きたいものです。(^^)
Posted by ぺろんぱ at 2010年07月12日 22:17
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/39573667
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

「川の底からこんにちは」「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」
Excerpt: 公式サイト(音が出ます!) 監督・脚本:石井裕也 製作:矢内廣/氏家夏彦/武内英人/北出継哉/千葉龍平/宇野康秀 プロデューサー...
Weblog: ゆるり鑑賞 Yururi kansho
Tracked: 2010-07-11 21:46

「川の底からこんにちは」:枝川二丁目バス停付近の会話
Excerpt: {/hiyo_en2/}ここって、上流、中流、下流? {/kaeru_en4/}すぐ先は海だ。 {/hiyo_en2/}下流ってことね。私たちの暮らしと同じで。 {/kaeru_en4/}待て。金持..
Weblog: 【映画がはねたら、都バスに乗って】
Tracked: 2010-07-18 19:27

映画「川の底からこんにちは」私ドーセ、中の下ですから
Excerpt: 「川の底からこんにちは」★★★☆WOWOWで鑑賞 満島ひかり、遠藤雅、相原綺羅、 志賀廣太郎、岩松了出演 石井裕也監督 112分、2010年5月1日公開 2009,日本,ユーロスペース (原作:原題..
Weblog: soramove
Tracked: 2011-09-03 11:55