今日は久々に本のお話。
といってもまた村上春樹の本ですが。
時折彼の作品を再読することは何度か書きました。
長編も短編も織り交ぜて再読しますが、短編は作品数が多いのでその時その時のチョイスで手に取ることとなり、何度も読み返している作品もあれば殆ど読み返したことのないものもあります。(好きな作品はやはり読み返すことが多い気がします。)
そんな中、先日、おそらく初めて読み返したのじゃないかと思う『5月の海岸線』という短編(『カンガルー日和』に収録)にはちょっとした衝撃を伴いました。

一瞬のデ・ジャ・ヴュと永遠の喪失感みたいなもの。
5月の風のように煌めいていたものたちの存在と、もう二度とそれらを形あるものとして手で掴むことができないのだという茫漠とした寂寥感。
小説という形をまとった、それは一遍の長い詩のようでした。
考えてみたら、多分もっと若い頃に読み返していたとしても今回のような感慨は得られなかったかも知れません。
そういえば、春樹は別の小説で「何かを失うことを経験したことのない人間に、何かを失った時の感情を説明することは不可能だ」という意味のことを書いていたっけ。
人は誰でも生き続けることで何かを確実に失っていくのだとしたら身体の中が空っぽになってしまいそうですが、その分、何処かへ逝ってしまった「何か」に対する深い「想い」がそこを埋めてくれるのかもしれませんね。
さて、、、私は日本酒が好きです。(今さら言うことでもないですけどね。)
勿論他のどんなお酒も大好きですが、帰ってくるところは日本酒なのかもしれません。
折々のいろんな日本酒を楽しめて女性でも立ち寄ることのできる地酒の立呑み屋さんとして、今私が気に入っている処が「西の刀屋、東の丑寅(勝手にそう表現しています)」です。
<刀屋>さんはJR六甲道から歩いてすぐのところ、<丑寅>さんは難波駅の高島屋周辺、駅から歩いて数分のところにあります。
刀屋さんとのお付き合いはお店ができてから間もない頃からですが、丑寅さんはその存在をほんの数ヶ月前に知りました。
どちらのお店も日本酒に深い愛情を持っておられる感じが伝わってきます。
特に、(一度書きましたが)刀屋さんのご店主はまるで修行僧のような雰囲気を醸しつつ日本酒に接しておられます。(^^)
どちらも佳き味わいのお店です。
上段の画が刀屋さんでのもの。そして下段が丑寅さんでのものです。
刀屋さんの画の中に一枚、ジントニックの画がありますが、こちらで戴くジントニはずっしりとした錫のグラスが心地よくて美味しいです。先日のジンは、時折お伺いする<Jazz Bar Wishy-Washy>さんで戴いたことのある<ヴィクトリアン・バット シングル・カスク>でした。アルコール度数56度。
丑寅さんの画の中の一枚、お皿に盛られているのは常連さんはよくご存知の<お任せ酒肴盛り>です。なかなかよいでしょう? お酒が進む品々が盛られていますよ。
こうやって、日々、空っぽになっていく部分に、私はお酒を注ぎ入れて埋めようとしているのかもしれません。
まあいいじゃないですか・・・めでたしめでたし。(何が?)
気になってしゃぁないです。
......ネットで探したら、この作品は「神戸」への思いを綴ったもののようですね。だからぺろんぱさん、デジャブなのかなぁ?
こんな殆ど“ひとりよがり”なページにもコメントをくださって嬉しいです!
ありがとうございます。(*^_^*)
ホントに意味不明な記述でしたね、ゴメンナサイ。でもストーリーが有って無いような作品でしたので。^^;
春樹さんの小説を読んでいると、「ああ、これって神戸や芦屋のことを書いているのかなぁ」って感じることはあります。
確かに、それが既視感に繋がったのかもしれませんが、本作は普遍的なものも感じる作品でしたよ。
本作は短いので、本屋さんでさらっと読んで頂くこともできると思います。
(講談社さん、並びに各書店の皆様、すみません ^_^;)
お時間があります時に是非に。(*^_^*)
プチ改名致しました。とうとう右を入れて「長右衛門」です。いよいよこれが最後の決戦です。(大袈裟な)
村上春樹ファンのぺろんぱさんへ。先日本屋さんで、季刊誌「考える人」2010年夏号「村上春樹ロングインタビュー」特集記事を見つけました。立ち読みしていても読み切れないので購入です。村上サンは、テレビ等にはほとんど出ませんが、何故か雑誌などにはよく登場して自分の考えを述べています。ノルウエイーからIQ84まで好き勝手にしゃべってました。なかなか面白く読みましたが今の村上サンがよく解りました。
人間誰しも時間を経過しますね?
M春樹氏の『ノルウェイ〜』の製作状況はどうなんでしょうね?
「絶対に映像再現できへんシーンあるやんか〜(ダイレクトにエロティック過ぎるため)」と思いつつ、
ちょっこし期待していたり・・
細部を忘れましたが、庭に井戸のある場面を思い出します。
追記:ジントニックは好きです。錫のグラス、雰囲気もあって良さげですね☆
ご改名されたのですね。なにやら並々ならぬ志が感じられます。でも字面からはとても良いイメージを受けます。
私も本屋さんでそのロングインタヴューを何度か手にとりました。写真も良かったですよね、買ってはいないのですが。
そうですか、、、気になりますね、やっぱり買わないといけませんね。(*^_^*)
テレビは誤解を生じやすいですものね。
じっくりインタヴューを受けて活字になる雑誌なら(チェックも可能ですし)納得できるのでしょうね。
時間の経過。
失くすばかりではない「何か」があると思いたいです。
『ノルウェイ・・・』は着々と?進んでいるのではないでしょうか。マツケンくんも雑誌で短いインタヴューを受けてたみたいですし。(^^)
確かに凄くエロティシズムが香るところはありましたね。そこをどんな風に表現してくれるのか・・・ある意味、これは映画なのだという気持ちを持って臨まないといけないだろうなぁとは思っています。
井戸・・・はい、直子が語るシーンです。
因みに後年には、「井戸」が大切なモチーフとして描かれる春樹の小説があります。
ジントニ、いいですよね。
夏にはビールもいいけど、ジントニ、最高です。(*^_^*)