テアトル梅田で『ボローニャの夕暮れ』(プピ・アヴァティ監督)を観ました。
前売りを買って待っていた一作です。梅ガデで同日公開の「木島安兵衛、直参でござる」っていう台詞の映画も気にはなっていたのですが、そこは初志貫徹で。
本作、タイトルこそ牧歌的ですが、内容は壮絶とも言えるものでした。
母と娘、いいえ、家族三人それぞれの、かくも長き「待ち」と「許し」の物語に、暫し黙する思い。
story
第2次世界大戦前夜のボローニャ、美術教師のミケーレ(シルヴィオ・オルランド)は美しい妻のデリア(フランチェスカ・ネリ)、17歳の娘ジョヴァンナ(アルバ・ロルヴァケル)とつつましく幸せに暮らしていた。そんなある日、ミケーレの勤める学校で女子生徒が殺害され、その犯人がジョヴァンナだったことから、一家の平穏な生活は一変してしまう。 (※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

原題は『ジョヴァンナの父』。
ジョヴァンナの事件の背後には長い長い年月を伴った家族の問題がありました。
ジョヴァンナの悲劇は、いわば彼女がこの世に生を受ける以前、父・ミケーレと母・デリアとの結婚にまで逆上るもの言えます。
求めても得られぬもの。待つことと諦めと。
そしてジョヴァンナが生を受けてからの最大の悲劇は、母親がいるにも関わらず、父親が母性と父性を両方持たねばならなかったことでしょう。
父の娘への溺愛は、彼自身の中の空洞を埋める行為でもあったのではないでしょうか。
子どもは敏感にそれを感じとるものです。
彼女ジョヴァンナもまた、長く長く、母による母性を待ちわびていたのですね。
第二次世界大戦の暗い蔭が、家族の崩壊に追い討ちをかけます。
父の「全てが変わったんだ…」の言葉が心に痛いです。
だから、最後の最後に、あんな結末がやってくるとは予想だにしませんでした。
あのラストで、ボローニャの柔らかな夕暮れの陽射しに、私はやっと癒された思いがしました。
さてさて、ボローニャの風はちっとも吹いていませんが、面白いイタリアン酒場が天満にあります。
その名も<葡萄酒場 裏HIROYA>です。

お昼間は<ひろや>という食堂、PM5時から(以前はPM3時からでしたが現在は5時から)裏HIROYAとしてワイン酒場になるんです。
これは3度目の訪問時。
デキャンタのワインは表面張力一杯に注がれて出てきます。タパスの5種盛りと共に。
酔うほどに思う・・・彼ら家族は何年も何年もの長きに渡る隔たりを、果たして本当に埋めることができたのだろうか。
母親キャラを配しながらも、
>母親がいるにも関わらず、
>父親が母性と父性を両方持たねばならなかったことでしょう。
と
>彼女ジョヴァンナもまた、長く長く、
>母による母性を待ちわびていたのですね。
と言う評のなされているのが興味深いですね。
天満のワインバーは興味津々です。
いつか大阪に戻れたら、行ってみたいなぁ・・(←ってけっこう頻繁に戻ってるくせに(=^_^=))
本作は母親の存在がキーでした。娘にとっても夫であるミケーレに対しても。
演じておられたのは魅力的な雰囲気の女優さんでした。
>天満のワインバー
ワインバーというよりもイタリアン酒場、或いはワインが飲める大衆食堂っていう雰囲気です(←褒めてるんですよ)。(^^)
食べ物の量がしっかりあって、ワインはボトルでも2000円からあります。HIROYAっていう文字が裏返ってプリントされてる暖簾もなかなか良いです。是非一度覗いてみてくださいね〜。(*^_^*)