夏休みにはまだちょっと早いのですが、『リリイ・シュシュのすべて』を先行鑑賞?しました。
『スワロウテイル』は近郊のツタヤのどの大型店舗も現在は取り扱い無しとのことで、こちらはいつかBSで放送されるのを気長に(執拗に?)待つことにします。
『リリイ…』、ある程度の心構えはしていたものの、観終わった後暫くは、心と身体が映画ではない現実の世界に上手く馴染むことができませんでした。
story
ウェブサイト上展開されたインターネット・インタラクティブ小説から生まれた衝撃の問題作。
田園の広がる地方都市で暮らす中学生の蓮見雄一(市原隼人)は、学校で突如荒れだした同級生の星野修介(忍成修吾)にいじめを受け鬱屈した日々を送っている。唯一の救いはリリイ・シュシュというアーティストの歌を聴くこと。自ら「リリフィリア」というファンサイトを主宰し、様々なリリイファンと交流する中で【青猫】というリリイファンに出会う。(※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

14歳。
余りに過酷で痛々しい世界に、あの突き抜けるように美しい青空は一体何だ。
彼らが嘆き、血を吐き、絶望するその上には、どこまでも青く、まばゆいほどに輝く空がありました。
そういえば、ガス・ヴァン・サント監督の『エレファント』にも、素晴らしく美しい青空があったっけ。
神々しい世界と醜い現実は常に「共存」してるってことでしょうか。
しかし、いくら醜くとも彼らにとっては紛れもない「現実」。一人一人の、それぞれにとっての、それぞれに過酷な「現実」。
流される者、押しつぶされる者、抗い闘う者、心の中で自ら神となってゆく者。
夕暮れの教室でピアノを弾き続ける久野(伊藤歩)に淡い夕陽が差し込むその様を見て、私は一瞬彼女に神にも似た姿を感じてしまいました。
「エーテル」ー安らぎと永遠の場所ーは、この世に無いと断言してしまえば無いし、自身の心の中に自らが作りだすこともできるものなのだと考えればそれも真実なのでしょう。

西表島での一連の物語は印象に深い。とても深いです。
“世界を灰色に変える”スウィッチを入れることになってしまったのかもしれない放浪旅の男性(大沢たかお)が、海を見ながら発した言葉が心に残り続けています。
「人間にとっては楽園でも、そこに生きる生物にとっては地獄なのかもしれないね。」っていう言葉。
14歳、希望に輝いているはずの世界も、そこに生きる彼らにとっては地獄なのかもしれないね・・・と感じられたから。
『花とアリス』でも感じた、透明感ある、そしてどこかノスタルジックな独特の雰囲気を放つ映像は本作でも其処かしこに散りばめられていました。
そして津田詩織という女生徒の役で出演の蒼井優ちゃん、やっぱり存在感ありましたね。
この映画は、14歳とはかけ離れた年齢だから最後まで観れたのかもしれないです。同じ年代だとしたら・・・そう考えると怖いです。
先夜、お連れ頂いた北新地の某BARにて。
山崎の12年、ストレートで。ワイングラスに入れて下さって、香りも楽しめました。

本作、星野修介(忍成修吾)を変えたのには幾つかの要因があったと思いますが、その中で最も大きかったものは何だったのだろうと・・・そこに思いを馳せざるを得ない鑑賞後の今です。
本作は原作小説から入って、他国盤の怪しい(=^_^=)
ヴィデオディスクソフトを入手し、鑑賞したモノでした。
大沢たかお、突然にアレしたんでしたかね。。
田園(緑)と大空(蒼)の映像美が、今も記憶の底に残っています・・
そうだ、『花アリ』の時のコメントでも書いて下さっていましたが、先ず原作を読まれたのでしたね、TiM3さん。
映像美は、本当に印象深いものでしたね。
「こんなに空は青いのに・・・こんなに緑は輝いているのに・・・」っていう思いでした。
大沢たかおさん、そうです、突然にアレされました。(結果的には)凄く複雑な役処でした。
原作では東大生っていう設定なのですってね。
いろいろ考えてしまう今です。
いい意味でも悪い意味でもすごく印象的で、彼なりの世界観をもってる人やなぁという印象でした。
同監督作品は、その他に「リリイ〜」しか知らない私ですが、
この作品は息苦しくて発狂しそうな気分と同時に、
深呼吸したくなるような気持ちよさとちょっとした陶酔感が味わえる
不思議な映画だった気がします。
そうそう、久野さんが弾くピアノの音色は美しく、キラキラしてる!そんな映像そんなシーンが
色々あったような記憶が。。。。ちょっと蘇ってきました。
若い俳優さん達の新鮮な魅力が映像のあちらこちらで光を放っていて、
それだけでも見ていて気持ちがいいし。
市原隼人さんも蒼井優ちゃんもぎゅぎゅっと抱きしめたくなるくらい可愛いかった。
正直、ちょっと長すぎるなぁと感じたような気はします。
“エーテル”と聞くと、どうしてもゲームキャラクターの回復アイテムが頭に浮かんでしまう
自分が悲しいですが。。。。
俺も岩井作品が大好きです。映像と符合する淡く脆いのに繊細な世界観の虜ですねwでも、最近は目立った活動がないようなのが、残念だったりします。
リリィ・シュシュを見たのは多分ビデオリリースされてすぐにレンタルで見たのであまり覚えていないけど、とにかく救いがたい世界だなと感じました…。何か透明な膜に閉じ込められたような感覚でした。
>神々しい世界と醜い現実は常に「共存」してるってことでしょうか
まさに。そんな脆い美しい感覚でした。
>『スワロウテイル』は近郊のツタヤのどの大型店舗も現在は取り扱い無しとのことで
え?そうなんですか…。
実はDVD、持ってますよwお貸し出ししましょうか(笑)
スワロウテイルは、俺は個人的に今まで見た日本映画で5本の指に入る作品です。
差別、国籍、性、教育、官僚、暴力、そしてほとばしるカッコよさ…。現代の日本に対する強烈な皮肉と、生きる意味を探した名作中の名作です。
そして岩井美学の頂点に立つ作品です。是非、見ていただきたいですね。
岩井俊二監督、確かに、一度観たらその世界観たるや他と一線を画する独特のものを感じますね。
「スワロウテイル」は残念ながら、次のBSあたりの放映を待つことになりましたが、期待感は大きいです。
「リリイ・・・」は仰る通り、息苦しさで一杯でしたね。でも同時に、ゆるりさんの「深呼吸したくなるような気持ちよさとちょっとした陶酔感」というご表現にも頷ける思いです。
本作で久野さんの存在に静かだけれど強い衝撃を感じました。
リリイ・シュシュにも通じる強さもあって。
同監督作品はどれも長尺のようですね。
『花とアリス』も長かったです。もしよろしければ『花と・・・』も一度ご覧になってみて下さいね。(*^_^*)
>“エーテル”と聞くと、どうしてもゲームキャラクターの回復アイテム
そうなのですか。(^^)
本作でもいろんな意味合いで使われいました。
「安らぎと永遠の場所」はその中のほんの一つの解釈に過ぎないのですが、心に残っていたので書いてしまいました。
でもゆるりさん、ゲームにも精通していらっしゃる??凄い!!右脳と左脳が同時に超人的に作動してるって感じです!(*^_^*)
あ、龍馬伝が始まった!観ますぅ!
>何か透明な膜に閉じ込められたような
素敵なご表現です。
っして仰る通り、「救いがたい世界」が展開していました。
監督、最近そういえば新作の声を聞きませんね。そのうちに発表されるといいのですが。(*^_^*)
スワロウテイル。
dkさんの五指に入る邦画ですか!そして「名作中の名作」とは!!
BSを気長に待ってちゃダメですね。貸出しだなんて言って下さってありがとうございます、お気持ちに感謝します!
でもそれならばこちらで何とか入手してみますね、本当にありがとうございます。(*^_^*)
ご覧になると知ったので私もつい最近初めて観てみましたよ。感想は書けませんでしたが(^^ゞ
どの子のケースも痛くて、観ているのがつらかったです。
空を観る時だけ息ができるみたいな感覚で、だからこそあの空が必要だったのかも…なんて思うくらい印象的でした。
やはり『エレファント』を思われましたか♪
この連想が共通していて、とっても嬉しかったです。
『花とアリス』と同じ年代の若者に視点を置いているものの、今作はなんと苦しかったことでしょう。
でもますます岩井監督に傾倒してしまいましたよ。
そしてこちらにお邪魔して『スワロウテイル』を名作と仰って下さっている方もいらっしゃるのを読んで、さらに感激でした♪
いつも以上に暑い夏ですので、くれぐれもお身体ご自愛くださいね〜♪
あ、そうかっ!あの空は、観ている私達のためのものでもあったのかもしれませんね!
確かに、それほどの息苦しさでしたものね。
『エレファント』は同じように連想して頂けたのですね、こちらこそ同士を得たようで嬉しいです。
私は『スワロウテイル』は未見で、レンタルで入手は無理だったので購入等での入手を考えています。観たらレヴューを(可能ならば)アップしたいです。(^^)
『花とアリス』の世界がとても気に入っての岩井監督への傾倒だったので、本作はいきなりのカウンターパンチでした。しかしメゲずに追いたいです。
fizz♪さんもご自愛を。(*^_^*)
少し前に貴ブログにお伺いして更新されているのを拝見し嬉しく思いました、とても。当該作品は太宰小説では未読&未見映画でしたので、つい投稿に怖気付いて帰ってきてしまいました、ごめんなさい。
しかし内容はしっかりと拝読させて頂きました。オダジョVS.・・・誰がいいだろうって考えていました。(*^_^*)
またどうぞお越し下さいね。