19日(土)、シネリーブル神戸で『恋愛睡眠のすすめ』(ミシェル・ゴンドリー監督)を。夢と現実がごちゃ混ぜになる映画・・・。実際、観ている私自身が夢と現実が交錯する状態?にあったので、倒錯感は倍増。
それが相乗効果をもたらせば良かったのですが・・・。
story
シャイで臆病な青年とクールで知的な女性の恋愛模様を、青年が見る夢と現実を交錯させながら描くロマンチックなラブストーリー。監督は『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー。
さえない人生を送るステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)は父の死をきっかけに、住み慣れたメキシコから母のいるパリへ帰郷する。彼はアパートの隣に引っ越してきたステファニー(シャルロット・ゲンズブール)に恋をするが、なかなか思いを伝えることができず、次第に彼女との関係が成就した夢の世界に逃避するようになる。 (シネマトゥデイより)

この映画は私の中に「映画はベストコンディションで鑑賞すべし」という教訓を残した貴重な?一作となりました。
この日ちょっとした(でもお目出度い)セレモニーがありまして、宴席でいささか酩酊気味になっていた私。
翌日曜日は映画館に行く時間が取れそうもなかったので、パーティーのあと神戸に戻り「えいやっ!」の勢いでリーブル神戸に駆け込みこの映画を観たわけですが。
温かいブラックコーヒーを劇場売店で買ってしっかり精神を覚ましたつもりでいましたが、お酒の力って凄いですねぇ・・・何だか物語の進行と共に酔いも進行して来まして、都合のいい夢の中の都合のいい世界に逃避するステファン(ガエル君)と同じように、私もどっちが夢の世界でどっちが現実なのか分からなくなってしまいました。
眠ってしまったわけではないのですが、何だか心も身体もフワフワしていまして、その時はそれなりに映画を楽しんだつもりで帰途についた私でしたが(事実、鑑賞中に二、三のメモを書いて残しています。)、こうして翌日の今、ブログに残そうとすると「一体何故あの時ステファンはあんな行動をとってたのか?」とか「あの時スクリーンに広がってたシーンは何だったのかしら?」とか、「?」マークが頭の中を横行している状態です。
はい、こんな言い方潔くないですね・・・そうです、ところどころ記憶が飛んでいるのでございます。
同監督の『エターナル・サンシャイン』の不思議且つ切ない世界に魅せられていただけに、この映画の公開も楽しみにしていましたが、こんな形で鑑賞後記を綴ることになるとは思ってもいませんでした。

しかし冷静に、可能な限り神経を昨日のリーブル神戸のシアターの座席に戻して考えてみるに、そういう掴みどころのない(悪い意味じゃなくて)映画ではあったと思います。
ストーリーにも特別の展開があるわけでもない(あったのかもしれませんが)し、気が付いたら現実に、はたまた気が付いたらいつの間にか夢の世界に・・・という、“決して絶望的じゃない”ちょっぴり自信と意気地のない冴えない男の子の恋物語っていう感じでしょうか。
そうなのです、ステファンが、今までのガエル・ガルシア・ベルナルの役どころからは想像しがたいほどの所謂“ダメンズの代表”みたいな男性で、「憎めないのだけど情けない」のです。そういう役どころにこのガエル・ガルシア・ベルナルを配したというのはとても面白かったと思います。
実際観ててガエル君がホントに情けなく見えてきたので、彼はやっぱり演技力のある俳優さんなのかな、と後になって感心していた私です。
ただ、相手役のシャルロット・ゲンズブールが、私にはとてもアンニュイで非日常的な世界で魅せる女優さんだというイメージが強すぎて、画的にもステファンとのギャップが大きく、二人の恋愛がうまくイメージできなかったのは確かですね。

映像は前作に続いて遊び心いっぱいの不思議ワールドでした。
特に蛇口をひねって出てくる半透明なセロファンのお水・・・ああいうの、好きです。
ステファンが逃げ込む妄想の世界。そこで理想の世界に生きて精神の均衡を保てるならそれはそれでいいんじゃないでしょうか。
・・・で、あのあと二人の恋の行方はどうなるんでしょう。酔ってなければラストシーンに二人の未来が見えたのでしょうか。というより、これってもっともっと実は奥が深い作品だったのかもしれないなと今になって思っている私なのですが。
DVDが出たら素面で正座して観直してみます。反省。
さて昨日の酩酊の一本。
本田酒造<龍力「神力」特別純米酒>720ml。
力強く飲み応えのある、濃い味わいのお料理にも負けない味わい深いお酒です。味わいがしっかりしているのでお料理を脇へ置いてお酒だけでも進んで飲めてしまう感じです。

*メーカーH.Pより転載
けれどお酒はほどほどにね・・・・特にあとで映画に行こうと思うような時は・・・。
P.S メモ書きで残していた感想は以下の三つです。
■言葉の擦れ違いの妙
■「でもキミが好きみたいだ」
こんなことを口に出せるなんて・・・
■ギアが中々のキャラ
ギアっていうのはステファンの同僚です。
酔ってる時の字って笑えますよ。・・・・・しかし反省。
でも更新ごとにblog拝読させてもらってます。
これ観たい映画です。面白そうですね。
私も、酔っ払い状態でレイトショーとかで映画観たときは、流石にちゃんとストーリーを掴めてないときがあり、反省します。いつもDVD発売後、改めて観て「あぁー・・・」みたいな感じです。
いつもペロンパさんのblog楽しみにしております。
私もきっとこのDVDを観た後は「あぁー・・・」みたいな感じになると思います。でも巷の評判は中々いいみたいですよ、この映画。
拙ブログを御覧頂いているとのことで大変恐縮です。トミヅルさんのブログにお邪魔しては、そのお酒と食への本格的なこだわりに恐れをなしてすごすごと引き下がっている私です。(^_^;)
(いや、作品違うっての)
でもパトカーに追われ続けたショックですっかりキャラが変わっちゃってて・・・・って、作品違うってば!
これは彼でなかったらただのスト−カー寸前のマーマ坊やの映画になってしまうかもしれなかった感じです。
(現実に、帰宅したら隣人が家にいたなんて、コワ〜いよー)
でも、映画がファンタジーに仕上がっているのはガエル君と美術がとてもよかったせいではないかな〜
“エターナル・・”に通じるシーンや
せりふなどもありましたが作品的にはあちらのほうが好きですね〜
恋も仕事も現実にはうまくいかないことが多くて、想像の中でいやな上司を
張り飛ばしたり、スターとデートしたりってのは誰でも思うこと、それを
キュートに映像化したのはイケてます。
ガエル君のかぶりもの、これまたキュート!猫の姿で“君と一晩じゃれあいたいな〜”とジャジーに歌うシーンが好きです。
私は『モーターサイクル・・・』で初めてガエルくんを知りました。その時も“別の顔”をした彼がいました。『アマロ神父の罪』も要チェックですね。
>猫の姿で“君と一晩じゃれあいたいな〜”とジャジーに歌うシーン
ん・・・それ、飛んでます、記憶が。悔やまれます。
ところで、Sakaさんの「タイプ」の男優さんに付いて今度熱く語って頂きたいです。赤ワイン、もしくは焼酎ロックで。