2010年10月31日

泣きたくてタイタニック

 また今週もシアターでの映画鑑賞が叶いませんでした。

残念ですがそれは仕方がないとして、慌しい中にもどこか“映画鑑賞的秋の夕べ”みたいな気分に浸りたい秋の夜。
ああ、そういえば拙ブログにコメントを下さったThe Lonely Oneさんが“感動して泣くことはすごく体によいこと”と書いて下さっていたっけ・・・と手持ちのソフトから手にしたのが本作。

公開時に観に行って号泣した『タイタニック』(ジェームズ・キャメロン監督)です。 そうだ、泣こう。

                        タイタニックVIDEO.jpg

そういえばあの頃は未だ私も結婚生活を続けていて、本作も夫であった男性と観に行ったのでした。
自らをジャック(ディカプリオ)とローズ(ケイト)になぞらえるほど若くもなく、また彼らほど卓越した容姿など持ち得ていなかった我々でしたが、そこはやはり互いに“相手の人生”を想いやる態勢ではあったわけで・・・(多分)。私も号泣していましたが、夫であったその人も涙を流していた一情景がちらと甦ったりしたのでした。(夫であったその男性とは今は良き友人関係です。)

本作は劇場鑑賞後直ぐにVIDEOソフトを購入し、以来二、三度観返しました。
前・後編二本からなる本ソフト。初めはバック・グラウンド・ヴィジュアルとして家事をしつつ流していましたが、徐々に家事の手も止まり、後編に切り替える頃にはタイタニックワールドにすっかり魅入られていました。


 映画というのは改めて「執念の産物」なのだと感じます。
これだけの物語を、物語の中心となる人物以外の人間にも労を惜しまずライトを当てて丹念に描き、見せ場を作りつつも細部にも拘り、尚も最後まで観る者を吸引し続けてくれるこの力。この力は、監督は勿論、数多の制作スタッフの「執念」なくしては為され得ないものだと感じましたね、改めて。

今のこの現在に本作の製作の布陣が再び集うなら、更なる様々な映像技術の進化によってもしかしたらもっと強大な作品になったのかもしれません。でも私にとっての本作は、やっぱりこの時代に作られたこの一作なのでした。多分本作をご覧になった皆さんにってもそうではないでしょうか。

 当初の目的からいえば? はい、泣きました。しっかり、三度。
一度は、タイタニック号から脱出するローズが意を翻してジャックの残るタイタニックに飛び戻ったところ。二度目は沈みゆく船上で音楽を奏で続けた楽団の人たちの姿に。そして三度目は、ローズが投げ出された身も凍る海上で既に冷たくなったジャックの手を離し生きる決意を固めたところ。沈みゆくジャックの姿にもう涙、涙、涙。
最も大切な「命」を誰かのために捧げられるということは、(陳腐な表現と言われようとも)やはり「究極の愛の形」なのですから。

この感涙、ちょっとは身体のためにプラスになったのでしょうか。(^^)

嗚呼、そういえば本作で年老いたローズを演じたグロリア・スチュアートさんが、先日御年100歳で天に召されたのでしたね。
どうぞ安らかに。ぴかぴか(新しい)

                        ウチのみ赤ワイン.jpg

劇場通いの時間は捻出できずとも、アルコールタイムは確保。
秋の夜長、今冬公開の映画のチラシたちと共に。


posted by ぺろんぱ at 21:54| Comment(12) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
ぺろんぱさん、こんばんは♪
作品と共に蘇るぺろんぱさんのその日の情景を読ませていただいて、
恥ずかしながら迷走中の私の心まで、なんともほんわりとして来ました。
しかも今のご関係までもが、ぺろんぱさんのお人柄が伺えて、
本当に素敵ですね。
好きな俳優ケイトとディカプーなのに、不覚にもいまだ見終えてないので、
これを機会に私も観ておきたいと思いました。
そして、棚の奥で何年も封印している私の作品たちも、
もうそろそろもう一度対面する勇気を今なら持てるかも…なんて思わせてくれて、
いつも素敵な記事をありがとうございます。
あ、あの背中の彼は、好きなアクターのリストにいます。
誰に笑われようと盲目的に猫っ可愛がりしています(笑)
返事が遅くなってごめんなさいねm(_ _)m
Posted by fizz♪ at 2010年11月01日 00:19
ばんはです。

キャシー・ベイツの手ほどきを受け(?)、オールバックの
紳士に変身するディカプリオがカッコ良かったですね。

彼の親友が、タイタニック号の倒れて来た煙突の直撃を受けて
(確か)退場しちゃったのが、私的にはショックでした。。

楽団の面々には、ホントに切なくなりますね。

『タイタニック』を観てから『ゴーストシップ』を観ると、
ちょっと妙な気分になりますよ(=^_^=)
Posted by TiM3 at 2010年11月01日 00:52
fizz♪さん、こんばんは。

殆ど独りよがりなつぶやきにも温かいコメントをくださってありがとうございます。「今」については「時」も一つの薬でした。(^^)
こちらがいつも素敵だなぁと思わせて頂いているブログのfizz♪さんから「素敵な記事」なんて言って頂いて、私は今PCの前で赤面しております。
ケイト&ディカプー(この呼び方いいですね!!)がお好きなら是非どうぞ手にとってみてくださいね。

>私の作品たち

fizz♪さんはアート作品の制作に携わっておられるお方なのでしょうか。すみません、以前にも一度同じようなことを感じてコメント上でお尋ねしたかもしれませんね。(ごめんなさい、お答えいただかなくて結構ですよ。(^^) ここは私の呟きとして読み流しておいて下さいね。)
でもその作品たちの封印が解かれるのを(私も)願っていますね。

>あの背中の彼・・・返事が遅くなって・・・

とんでもないです!
ヒントをくださっていたのに疎い私が分からず、別手段で知る方法もご提示くださっていたのに勇気が無くてできず仕舞い。念力で解明できるかなと今もあの背中を食い入るように見つめていますが・・・やっぱり念力では顔が見えません。^_^;あ、もっと怖いのは顔が見えても誰だかわからないことですが。^_^;

Posted by ぺろんぱ at 2010年11月01日 19:50
TiM3さん、こんばんは。

そうそう(*^_^*)、やっぱりディカプリオ、素敵でしたよね。オールバック?が似合うのも美男の証拠ですね。
そして彼の友人。
生きたい、生きようとする気持ちがあんなに突然の形で・・・(涙)。

>楽団の面々

一度散会した後で直ぐにまた3人が寄り添うシーン、泣けました。

>『ゴーストシップ』

私もその「ちょっと妙な気分」とやらを体感してみようかしらと作品をネットで調べてみたら、なんと私の超苦手なホラー作品じゃありませんか。\(◎o◎)/!
すみません、鑑賞はパスさせて頂きますがどのように「妙な気分」だったのか、機会がございましたらまたご教授くださいね。


Posted by ぺろんぱ at 2010年11月01日 20:02
そうだ!思い出しましたが
ワタシはこういう映画では泣くことができなくて
どちらかというと、ダメ人間が奇跡を起こすパターンに弱いんです^^;
例えば『ベーブ・ルース物語』とか『ベイブ』でしょう、そして『自転車泥棒』などです。

こうして見ると、どれも“ダメ人間が奇跡を起こす”とは微妙にズレてますね^^;
Posted by ituka at 2010年11月01日 22:29
itukaさんが書いておられるのを拝読して、
やはり人によって泣ける映画が違って面白いなぁと思います。

私はすぐ泣けるという特技(?!)があるので「タイタニック」でもOKなんですけど、
差別と戦うテーマの作品とか、人間の持つ力とか弱さとかに訴えかけてくる映画に
特に涙腺が弱いようです。
「アラバマ物語」「素晴らしき哉、人生!」「道」(フェリーニ)なんかの古い映画がツボかなぁ〜
「自転車泥棒」で思い出しましたが、イタリア映画は上手いこと琴線に触れてきますよネ。

「この作品が泣ける!」という皆さんの意見も聞いてみたいですね♪
Posted by ゆるり at 2010年11月02日 01:54
泣きたくてタイタニック
なかなかナイスなネーミングですね

泣ける映画 中国映画をご紹介します
「變臉 この櫂に手をそえて」この映画は
DVDになっていないですが すごい
「あの子を探して」「活きる」
両方とも あのチャン・イーモウ監督作品です
泣けます 泣きたいときおススメ
Posted by The Lonely One at 2010年11月02日 11:45
itukaさん、こんばんは。

そうですか、itukaさんにはこの映画は泣けない映画でしたか。(^^)
私も「泣ける映画」としてだけで本作を評する積りはないのですが、それでもやっぱりいつ再見しても泣いてしまいます。(^_^.)

思いますに、映画で「泣ける」と言う時には幾つかのパターンがあって大別すると多分「3つ」くらいに分けられるのではないかと・・・。
本作は、何と言えばよいのか、「美しく泣ける映画」とでも言いましょうか、(その世界に酔って)泣いた後でしっかりと前に向き直って劇場を後にできるっていう感じですね。泣くことにも酔える、そういう「心酔の涙」です。
あとは「爽快の涙」とか、最も重たくドーンと救いのないのは「胸拉ぐ涙」とでも評しましょうか。
「ダメ人間が奇跡を起こす」パターンに感応する涙はどう言い表しましょうか〜。(*^_^*)

そうそう、itukaさんが貴ブログで書いて下さっていた『ウォーリー』も随分泣ける映画でしたね〜。私も拙ブログで「ハンカチのご用意を」なんて書いておりました。

『自転車泥棒』、名作ですね。

長々と書いてしまってごめんなさいね。


Posted by ぺろんぱ at 2010年11月02日 20:26
ゆるリさん、こんばんは。

そうですね、涙線のスイッチは本当に人それぞれなのですね。
itukaさんへのコメントの続きみたいになっちゃいますが、(私が勝手に)大別する「泣ける」観点で言うところの「胸拉ぐ涙」として今パッと思い起こしたのは『砂の器』です。あれはもう本当に立ち直れないくらいに辛〜い涙です。
洋画ですが『ステラ』とか、あと動物が天に召されたり悲しい目に会うものは観れないくらい泣けてきますね。
ゆるりさんと同じく分析してみますに、私は幾つか思い出してみると「動物もの」「親子もの」に結構涙腺が弱いかも。(大前提として私の場合は多分年のせいで涙もろくなってると自己分析。トホホ・・・)

>イタリア映画は上手いこと琴線に触れて

そうですね。
『ライフ・イズ・ビューティフル』『マレーナ』(伊・米合作??)なんかも凄く泣きました、私。
フェリーニは何作か観ているやのですが、「泣ける」より「眠くなる」イメージが先ず浮かびます。(・・・すみません、こんな奴で^_^;。)

またひょんなことで他の「こんなんに泣いたよー」って作品がございましたらご紹介下さいね。
私も他に思いだしてみます〜。


Posted by ぺろんぱ at 2010年11月02日 20:46
The Lonely Oneさん、こんばんは。
この記事に勝手にロンリーさんの名前を揚げさせて頂いてすみませんでした。(事後・無理ごり押し承諾??すみません)

ひゃぁ〜!本家本元の“泣き映画”御指南役ロンリー様からの御教授、嬉しく拝読しております!(*^_^*)

>變臉 この櫂に手をそえて

全く知りませんでした。
ネットで調べてみて、“家族の絆”的作品なのでしょうか??
DVDになっていないとのこと、またいつかBSとかで放送されるのでしょうか。

>「あの子を探して」「活きる」・・・チャン・イーモウ監督

チャン・イーモウ監督作品は『秋菊の物語』『単騎、千里を走る。』は鑑賞しました・・・が、お薦めの二作品は未見のままです。

ありがとうございます!
泣きたい時は(でも人はもしかしたらいつだって思いっきり泣きたいのかも知れません)、いえ例え泣きたくなくとも、本作品の名をインプットして備えることにします。(*^_^*)


Posted by ぺろんぱ at 2010年11月02日 21:08
ありがたく この名前 拝命いたしました
「變臉(へんめん) この櫂に手をそえて」 は 
TUTAYAにひょっとしたら VHSであります
VHSのデッキもっていたら 必見です
「活きる」は泣けるというよりも
ぐっとくる作品 同じ監督の
「初恋の来た道」もオススメですが
なんといっても 「あの子を探して」が
一番泣けます すべてDVDでレンタルできます
また泣ける映画思いついたら 投稿します
指南役として(笑)
Posted by 泣き映画 指南役 at 2010年11月02日 22:42
The Lonely One様、もとい、泣き映画ご指南役様、おはようございます。
(すみません、へん命名をさせて頂いてしまって・・・^_^;)

一度最寄りのTUTAYAさんを訪ねてみます。(VHS、鑑賞可能です。)
『活きる』の「ぐっとくる」というのも気になるところです。
また是非ご指南願います!!

あ、ご指南役様に恐れながらではございますが(笑)・・・
中国映画ということで思い出しましたが、『故郷の香り』という映画(フォ・ジェンチィ監督)が私としては「泣けるけど大好きな映画」の一つに入っています。もしも機会がございましたら。(^^)
Posted by ぺろんぱ at 2010年11月03日 06:10
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