拙ブログ「タイタニック」のページで The Lonely One 様より<泣き映画>としてご紹介を受けていた『變臉(へんめん) この櫂に手をそえて (The King of Masks) 』(ウー・ティエンミン監督)。(現存はVHSのみ)
タイトルすら未知であった本作に興味が高まり、やっとTSUTAYA某店に在庫があると分かり、レンタルして鑑賞いたしました。
story
中華民国時代の中国。四川の歌劇“變臉”の名人、變臉王ワン(チュウ・シュイ)。老いた彼の悩みは、妻も子も失い、この芸の後継者がいないことだった。彼はある日、人買いから子供を買い、クーワー(チョウ・レンイン)と名付けて芸を教え始める。ワン老人はクーワーを溺愛するが、実は、クーワーは後継者になれない女の子だったのだ…。老人と少女の絆を描いた作品。(※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)(※變臉=中国の古典劇に伝わる、一瞬で面を変える演技)

どうしようもなく悲しいのに、観終わった後は温かい。
頬をつたった一筋の涙も、最後には微笑んだ口角に消え去ります。
泣けるというよりも、しみじみと「古き良き映画に出会えたなぁ」という思いです。
古い中国の町並みや景観に、薄墨にほのかな色味を足したかのような茫とした美しさをも感じます。
勿論、貧しさと混乱の世情の中で、苛酷な現実はたくさん見せられます。
ほぼ公然と行われている子どもの人身売買。子どもをさらって売り飛ばず人買いの横行もあれば、貧しさゆえ実の親が行うそれもあり、売られる子たちも「生きる」為に覚悟を決めているような面持ちでした。観ていて耐えがたいものがあります。そして極端なまでの男尊女卑感。クーワーは無価値と見なされる女の子で、既に7度もの売買を経てワン老人のもとに来たのでした。
苛酷な運命のいたずら的事象が重なり暗澹たる思いに沈むのですが、絆とは血だけのものではなく、血の繋がりを越えた絆を築くことができる人間の賢明さに改めて気付かされます。
クーワーが実に健気、そして強い。小さな子でも人生の苛酷さを知っている故の強さなのでしょうか。
彼女の存在はワン老人を苦境に貶めることになるけれど、結果的には彼女自身の強さと一途な思いが運命を変えることになるのです。
演じるチョウ・レンインという女の子が本当に素晴らしいです。
印象深いシーン。
楽山大仏(四川にある巨大な大仏像)の足元から大仏を見上げて「おじいちゃん!おじいちゃん!」と叫び続けるクーワーと、それを眺める老人、そしてそんな二人を泰然と見守っている風情の楽山大仏、この三者の画です。
この時、クーワーはワン老人に男の子として引き取られ、愛され、その幸せがこれからも続くであろうと信じ、幸せで胸が張り裂けんばかりであったろう瞬間と思われるのです。
このあとで悲劇が訪れるのですが、この幸せの瞬間が、観終わった後で反芻するに実は最も切なく(再びの)涙を誘うものなのでした。
あともう一つ。
将軍という名のお猿さんが出てきます。この猿がひたすらワン老人を慕う気持ちにも心打たれますし、何より老人とクーワーの“いい接着剤”になっててくれていた気がします。それにこの将軍ちゃん、余りにも凄い演技力なのでびっくりしました、役者です。
いい映画でした。ロンリーさん、ありがとうございました。

さてさて、劇中、お酒の好きなワン老人が「ワシから酒を取ったら何が残るんだ?」と言うくだりがあります。
お酒を取ってもワン老人には<變臉>という優れた技芸が残りますが、私には何一つ残らないかも・・・。ああ悲しや。
ある休日の昼酒・二景です。
週中のいつかに午後半休をもらって映画を観に行くことを密かに画策中ですが、書いちゃったから「密か」ではなくなりますね。(汗)
監督になり替わり お礼申し上げます
「頬をつたった一筋の涙も、
最後には微笑んだ口角に消え去ります」
は言いえて妙 名文ですね!
将軍というお猿さん
もし アカデミー助演男優賞(雌かも?)
動物部門がああれば
間違いなく オスカーを
手に入れていたでしょうね
また 泣ける映画思いついたら紹介します
はい、鑑賞させて頂きました。(^^)
なんだか某TSUTAYA店で「はい、当店に在庫ございますよ」と言われた時には、逆に「えっ!あるんですかっ!?」ってびっくりしちゃいました。
老人と娘との関わり以外にも、名優リャンさん??とワン老人のやり取りも深いものがあって、なかなか考えさせられたのでした。
そうそう!あのお猿君(はい、確かに雌猿ちゃんかも^^;)、オスカーを贈呈したいです!!
将軍ちゃんとの絆にも涙でした。
今後もまたいい映画を御紹介下さいませ!(*^_^*)
VHS鑑賞! 何だかその響きにこそ、
驚かされたワタシでした(←そこじゃないってば)
TSUTAYAの会員を辞めてから、もう15年ぐらい経つかなぁ・・ワタシ(⌒〜⌒ι)
これからは林檎印のお店で、ダウンロードレンタルするかも、、
VHS!
この再生作業がなかなかいいのですよ、まだまだ私にとっては。(*^_^*)
>林檎印のお店で、ダウンロードレンタル
そういうのに着いて行けなさそうな私です。
先日も取引先の某氏から「スマー○○○ン」の良さ(面白さ)について教授を受けていたのですが、途中からまた例によって“理解した振り”で聞いていました。^^;
こんな私に明日はあるのでしょうか・・・。