2010年12月06日

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ


 ルミナリエで沸く神戸。
先の休日、シネリーブル神戸で『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(サム・テイラー=ウッド監督)観てきました。

主演じゃないけれどすごく惹かれた一人の若き男優がいました。
実は4年前に観たある映画に主人公の子役として登場していた俳優さんなのでした、気付かなかったのですが・・・(後述します)。

story
  1950年代のリバプールを舞台に、厳格な伯母と奔放な実母との間で葛藤する、ザ・ビートルズに入る前のジョン・レノンの青春を描く伝記ドラマ。
 1950年代のリバプール、伯母ミミ(クリスティン・スコット・トーマス)と暮らすジョン・レノン(アーロン・ジョンソン)は、反抗期真っ最中の問題児だった。ある日、近所に実母ジュリア(アンヌ=マリー・ダフ)がいることを知ったジョンは、普通とは違う境遇を受け入れられず、行き場のない孤独に打ちひしがれてしまう。(※story、写真とも映画情報サイトより転載させて頂きました。)

                        ノーウェア2.jpg
  
 オープニングはビートルズの「ア・ハード・デイズ・ナイト」のイントロを思わせるあの「ジャーン」というギター音!
ワクワク感が一気に高まりました。

音楽との強烈な出会いを描くというより、この映画はジョンの悩み傷付く青春の日々を描いたものなので、彼が自分のギターを手にするまでに物語は幾つもの展開を見せます。
そこまでの流れが私には幾らか冗漫な感じにも思えたのですが、後になって考えてみると、青春の通過儀礼的に尖ってみせていた何処にでもいるような“ちょっと問題児”であったジョンが伝説の人レノンの原点であったということに思いを馳せるに至り、運命というものの不可思議な導きを感じて掴みどころのないような果てしなく心地よい感覚に陥るのでした。

 ジョンが最初のバンドを組んだ後に運命の仲間・ポールと出逢った時から、物語が大きく“動いて”いく感じがしました。

ポール・マッカートニー。
私の中では実は何故かずっと「ポール=光(明)、ジョン=翳(暗)」というイメージがあったので、本作で描かれる“硬派でストイックなポール”というのが凄く意外でした。
意外で、そしてこの上なく鮮烈な感じでした。
                        
線の細い俳優さんやなぁって思ったのは一瞬のこと、すぐさま目はこのポール役のトーマス・サングスターに釘付けに。
ポールの纏う翳りと確かなる才能のオーラ。演じたトーマス・サングスターが、人間としての繊細さと内に秘めた音楽への強い執着を感じさせてよかったと思いました。

                        ノーウェア3.jpg ※手前右の男の子がポール

映画鑑賞後に自宅でこの俳優さんに付いて調べてみたら、4年前に日本公開となった『トリスタンとイゾルデ』に出演されたいたとのこと。同作品を観に行ってレヴューをアップした4年前の拙ブログを探り、彼が幼少期のトリスタンを演じていたことを改めて知りました。
その時にも彼に対して同様の好印象を持っていたらしく、そのことにちょっとびっくりしました。「孤高感ある印象」と評していましたが、本作での彼の眼差しにもやはり孤高感を感じましたので。

ジョンを描いた映画なのにすっかりポールに魅せられてしまったのはちょっと皮肉な感じ。でも、運命の仲間であり永遠のライバルともいえる二人なのだからそういう見方があっても構いませんよね。

でもジョン役のアーロン・ジョンソンもなかなか素敵でしたよ。
最後の、伯母ミミとの抱擁で見せたジョンのちょっとふてくされたようなはにかんだ表情がすごく切なかったです。
ミミに「(親と保護者)両方だよ」って言ったジョンに胸が熱くなりました。
エンディング曲「マザー」の歌詞も、物語の世界と相まって余りにも切なく心に響きました。

                         バローロ.jpg
   
満たされぬ想いを音楽へと向けたジョン。
「愛する人を憎む人生なんて無意味だ」と言うまでに成長した彼は、映画の序盤でのやんちゃな甘えん坊の彼に比して数倍も数十倍も素敵でした。





posted by ぺろんぱ at 19:50| Comment(6) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
90分程度の映画の中、面白いものをたっぷり詰め込んで、リズム感宜しく。こういう映画好きですね。ジョンが主役のドラマでしょうが、ビートルズの原点みたいな部分も描かれ、興味深い作品でした。60年前後の音楽に再び興味が湧いてきました。
Posted by 長右衛門 at 2010年12月06日 22:02
こんばんは。

お〜!ぺろんぱさん、瞬間的にトーマスくんに釘付けですか^^
上の画像の横顔を見てもリーゼントが似合ってて、かなりいい感じですね。

そういえば、ワタシもつい先日、同じような感覚を覚えましたよ。
女優じゃないけど、いずれ映画界にも進出して来ることを願っています。
スカちゃんとアシュレイ・ジャッドをミックスしたような子。
その名はテイラー・スウィフトと申します^^;
Posted by ituka at 2010年12月06日 23:44
公開間近の『ノルウェイの森』の前哨戦(?)って感じでしょうか?

因みに、ワタシは先日から、モンキーズの
『Daydream Believer』が聴きたくなっております(=^_^=)>
Posted by TiM3 at 2010年12月07日 19:18
長右衛門さん、こんばんは。
そうですね、この上映時間のコンパクトな“ぎゅぎゅっと感”が良かったですね。

>ビートルズの原点

はい。(*^_^*) 
ポールが「友達だ」って連れてくるのがあのジョージだとは!
でも映画を観てて私は「ビートルズのことを良く知らなかったんだなぁ」と思うことがたくさん。
私は改めてビートルズの曲をじっくり聴き直してみたくなりましたよ。
Posted by ぺろんぱ at 2010年12月07日 20:17
itukaさん、こんばんは。

トーマスくん、『トリスタンと・・・』のころと違って、もうしっかり名前を名前をインプットしたので、次回作があるならチェックしたいと思います。(*^_^*)

テイラー・スウィフトさん、知らなかったのでネットで調べました。
ミュージシャンでいらっしゃるのですね。
そして仰る通り「スカちゃんとアシュレイ・ジャッドをミックスしたような」女性ですね。程よくフェロモンが出ている感じです。(←誉めています!)

映画界に進出!の際は itukaさん、チェックチェック!! ですね〜。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2010年12月07日 20:33
TiM3さん、こんばんは。
こちらにもお越し下さりありがとうございます。(*^_^*)

そうなのですよ〜、いよいよノルウェイのXデーが間近に!
いろんな思いはありますが、まぁ一応チェックしてみたいです、やはり。(と、冷静に語りつつ、実は心臓バクバク)

>『Daydream Believer』

キヨシローさんがカヴァー?して歌ってらしたのが耳に残ってる感じです。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2010年12月07日 20:56
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ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ
Excerpt: ノーウェアボーイひとりぼっちのあいつ 英題:NOWHERE BOY 監督: サム・テイラー=ウッド 2009/イギリス オフィシャルサイト ジョンがビートルズになる前の、「ジョン・レノン..
Weblog: Art-Millー2
Tracked: 2010-12-06 21:51