2011年04月16日

婚前特急


  近隣ではソメイヨシノがはらはら散る中で八重桜が咲き誇ってますね。
次は何を咲かせてくれる?  大地の“芽吹きの力”を信じたい、ですね。

  久々に劇場に足を運び、『婚前特急』(前田弘二監督)を観ました。シネ・リーブル神戸にて。

5人の男性と掛け持ちで付き合っていたOLが親友の結婚を機に、自分にとっての“本当の相手”を見つけようとするお話。

                       婚前.jpg 
                         ※画像は映画情報サイトよりの転載です
         

恋愛コメディーと銘打たれていますが実は私はそんなには笑えなくて、むしろ主人公チエの“自分とちゃんと対峙しきれてない苛立ち”や“素直に人の輪に入っていけない孤独感”みたいなのが感じられて痛々しかったです。「百人一首」のシーンなんてちょっと泣きそうになっちゃいまして・・・。
こういう人間もある意味“不器用な人”って言えるのでしょうか。

恋人5人の査定から始まって、物語は誰かさんへの「復讐」というちょっと意外な展開へ。
しかしそこで展開の先にあるもの(誰を選ぶのか)が見えた気がしました。
だって、あれだけ具体的なたくさんの「デメリット」を挙げておきながら「メリット」がたった一つ「楽(ラク)」っていうのは、それって実は“最大のメリット”になってるんじゃないでしょうか。
それに「気付く」のかそういう受け止め方に「変わっていった」のかは分からないですが、5マタ掛けてて結構不良OLを気取ってたチエちゃんだったけれど、案外ピュアな部分を潜ませていたっていうことですね。

主演の吉高由里子さん、独特の雰囲気でイイです。
親友役の杏さんも、意外にも柔らか〜い笑顔が似合う素敵さで惹かれました。

杏さん演じる親友トシコが「結婚って思うほど悪くないよ」って言った時、村上春樹氏が安西水丸さんの御嬢さんの結婚式に贈った「結婚は、いい時にはとてもいいものです。」という言葉(村上春樹著『雑文集』に収録)をふと思い出しました。

カリンバっていうアフリカの楽器を知り得たことも嬉しい収穫。柔らかくって夢の中に誘われるような音色、素敵でした。
奏で方を習ってみようかな、なんて思ったりしてます。

                       テンプラニーリョ 赤 .jpg

   先日のウチのみワイン。
   ラベルが天道虫で可愛かったです、、、味はそれほどチャーミングでなかったけれど。
posted by ぺろんぱ at 21:33| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
久しぶりにコメントいただき、嬉しく思います。
で、まさか(!)の本作ですね〜仰るとおり。

なんだか吉高由里子さんが気になってしまい、劇場に足を運びました。
私の勝手な印象では、吉高さんという人はちょっと頑張りすぎな傾向があるというか、
サービス精神がかなり旺盛なタイプではないかと。
そんなちょっと痛々しい感じが、この役と少しだけダブッて見えたりしました。

にしても、やっぱり田無さんはキモすぎませんでした?!(笑)
Posted by ゆるり at 2011年04月16日 22:21
ゆるりさん、こんばんは。

たまにはこういう気楽に臨める作品もいいかなぁと思いましたが、私も吉高さん見たさっていうのが正直なところだったでしょうか。
「サービス精神旺盛」ですか、なるほど、無意識に無理を強いちゃう人なのですね。

田無さんはキモいというより何だか性格良くないなぁ〜って思っちゃいました。キモさなら、初登場時のデスクで髪いじってた後輩君の勝ち?かなぁ・・・^_^;。後半の彼には好感が持てましたが(^^)。あの後輩君の「その後」が知りたいところです^_^;。

貴ブログのコメントで「後追い」の「追い」をミス変換してました、この場を借りて訂正させていただきますね。注意力散漫?最近そういうの多いです、ごめんなさい。
Posted by ぺろんぱ at 2011年04月17日 19:37
ばんはです。

掲載されてる画像から、何となく『阪急電車』って作品を
連想してしまいました。

『8日目のセミ』と共に、ちょびっと気になってる邦画だったり
します。

・・

カリンバって指で弾いて演奏するピアノみたいな楽器ですよね。
昔、EW&F(アース・ウィンド&ファイア)ってファンク系バンドが
楽曲の中で用いてて「面白そうやな」と思ったモノでした(=^_^=)

・・

余り本文に絡めなくて、ごめんなさい(×_×)
Posted by TiM3 at 2011年04月18日 21:07
TiM3さん、こんばんは。
『阪急電車』は私も気になってる邦画です。
中谷美紀さん、イイです。
『8月の・・・』は以前確かNHKでドラマでなってましたよね。

カリンバ、そうです、指で奏でる小さな楽器です。
いい音色なんですよ。(*^_^*)
ネットで調べたら自分で作れるらしいです。私は不器用だから無理でしょうけれど。

>余り本文に絡めてなくて、

とんでもないです!
お越し下さり嬉しいです!ありがとうございます。
Posted by ぺろんぱ at 2011年04月20日 21:19
こんばんは。

おぉ〜!本作と『婚前特急』って鉄道繋がりなんでしょうか(←おい)

>“素直に人の輪に入っていけない孤独感”

これって、ワタシですよ!ある意味、ネコ科なんだろうか(←またまた、おい)

>「百人一首」のシーンなんてちょっと泣きそうになっちゃいまして・・・。

この文言がかなり気になります。
地元のミニシアターでもまだ上映してますが、
年会費五千円になってからは行く気にならないのです^^;
Posted by ituka at 2011年04月25日 00:04
↑ありゃ!『婚前特急』⇒『阪急電車』の間違いです(滝汗)
Posted by ituka at 2011年04月25日 00:07
itukaさん、こんばんは。

孤独感も幾つかの座標軸を経て「優しさ」に変換されるって思います。
itukaさんのネコ科的孤独?にネコ科的・他者への寄り添い?を感じます。

年会費5千円は高すぎます。
そうじゃなければ百人一首のシーンを観て頂きたいところですが。^_^;
またDVD化された時にどうぞご覧下さいね。

>『婚前特急』⇒『阪急電車』の間違い

私も最近その手の滝汗、多いです。^_^;
いいえ、先ず思い立ってキーを叩いて下さった故のことと私は嬉しく拝読させて頂きましたよ。
Posted by ぺろんぱ at 2011年04月25日 21:23
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