今日の朝日新聞朝刊に友川カズキ氏(フォークシンガー。私は今日のこの記事で初めて知ったお方でした。)のインタヴュー記事があり、その中にこんな言葉がありました。
「・・・(前略)反原発歌手になろうとかっていうことじゃない、情緒はいつもまっさらでいたい。でも、原発の風景の中では、ただの酔っ払いでは死ねなくなってしまったということなんだ。」
全文を記さないで不明瞭かと思いますが、ただの酔っ払いの私としてちょっと心動かされたところがあり、ここに記させて頂きました。
さて、最近私の身の回りにある本たちについて。

先ずは既にボロボロ状態の『ハヅキさんのこと』(川上弘美著・講談社文庫)から。
川上さんは好きな作家さんの一人です。未読だった本作を見つけ、通勤電車で読了後は日々の半身浴に持ち込んでの再読。川上さんの小説は不思議な“たゆたい感”が心地よいのですが、本作も然り。全25話の掌編からなる本作、どれもこれも読み終えた直後は「この一編が一番好きだな」って思えるから不思議です。だから、読み返すたびに毎話「あ、やっぱりこれが一番好きかも」というのを繰り返す始末です。
次は町田康さんの『きれぎれ』(文春文庫)。
尊敬する某女性が町田康さんの大ファンでいらして、一度読んでみたいと思っていて先ず手に取ったのが氏の処女作『くっすん大黒』(文春文庫)でした。表題作と「河原のアパラ」収蔵。
何ともパンクな世界がそこにはありまして・・・。旅ものの古典落語を観ているように(私、落語が好きなので)場面がカラフル且つ強引に?展開し、それでいて純文学的匂いがそこはかとなく感じられて。キョーレツな登場人物たちに度肝を抜かれつつも、ある瞬間ふと、どこかで重なるものがあるのではないかと愕然としたりも。とにもかくにも、もう一作読んでみたいと購入したのが『きれぎれ』なのです。処女作からいきなり芥川受賞作へいくか?ですが、入った書店にこれしかなくて。
そして伊坂幸太郎さんの『グラスホッパー』(角川文庫)と『死神の精度』(文春文庫)です。
伊坂作品の映画を幾作品か観て、小説も一、二作読んで、今はちょっとしたマイ・ブームの波がたっておるのです。「グラスホッパー」は通勤中に読んでいて「死神の精度」はスタンバイ中です。
凄惨なシーンをあれだけ徹底的に描きながら、何故この人の小説にはこんなに清廉なイメージが残るんでしょう。
ついでにもう一冊、松尾スズキ+河井克夫コンビによる『ニャ夢ウェイ』(文春文庫)をちょこっと追記。
猫と暮らす人には「わかるわかる!」と感涙の?連続で面白いです。巻末の妻子さん&元妻子さん(つまこさん&はじめつまこさん)のエッセイがちょっぴり泣かせます。

注ぎ口を取り付けるタイプの箱型赤ワイン(2リットル)を約3日で飲み終えました。やっぱり“ただの酔っ払い”なのでしょうか。
画像は地酒・銀盤の純米吟醸です、新地の<ほんだ>にて。
町田康さんのお名前をお見かけして、コメントさせて頂きますね。
ちょうど先日、
娘が「この雰囲気、なんとも好き。お母さん読んでみて。」
と勧めてくれたので『浄土』を読んでみたところでした。
>何ともパンクな世界がそこにはありまして
言い得て妙ですね。 さすがぺろんぱさん!的確でいらっしゃる。
独特な言い回しの面白味もさることながら、
読みながら想像させられる世界が醸し出す不思議な色合いを、驚愕しながら味わいましたよ。
ぺろんぱさんの記事をいつも楽しみにしております。
拙ブログを読んで下さっているとのこと、とても嬉しいです、お越し下さりありがとうございます。
『浄土』ですか。承りました。
『きれぎれ』のあとはそちらを探してみますね。
私もその世界を「驚愕しながら」味わいたいです。
先ずは『きれぎれ』で振り落とされないようにしないと。ネット上で「難解」とかの書評を目にしてしまって怯えております?! ^_^;
拙いブログですがどうぞまたお越し下さいね。
お待ち致しております。
本記事で、ぺろんぱさんの「落語趣味」を知りました(=^_^=)
なんだかうれしい。
邦画でも『東京タワー』『ディア・ドクター』とか、
ちょこちょこ落語ネタが出て来ますよね。
(もっと大きくフィーチャーされてる作品があるってば)
またおススメの噺があれば、ゼヒ教えて下さいね。
ワタシは随分昔に、ラジオだかで『がまの油』を聞いて
爆笑してしまった覚えがあります。
決して「健康な笑い」のネタじゃないんですけどね(=^_^=)
良い連休でございましたか?
私は初めて独りで寄席に顔を出して以来、かれこれ20年強になります。ひところはよく通っていたものの最近はとんと回数が減ってしまいました。
もっぱら上方落語贔屓です。
応援している落語家さん(月亭八天さん、実力派です!!)の独演会には必ず行っています。
貴コメントで「どの噺が好きかなぁ」と考えてみましたが、ジャンルによって決めがたく、また演者さんによっても味わいの分かれるところがあり、なかなか絞りかねますね。
>ガマの油
ラジオで聴かれて大笑いされるとは・・・演者さんの「落語家冥利」に尽きる気がします。
私は贔屓噺をCDで聴いたことがありますが、やはりライブとは違った感があり、音声だけで笑えると言うのは凄いことかと。
これからも落語は折に触れて聴き続けることと思います。
人気作家なんで、本屋で立ち読みしています。時間がなかったら購入。なんでかれはあのような凄惨な事件をいとも簡単に題材にしたりするのかよくわからないのですが、その後の浄化作用をしっかり書いてくれているのでとりあえず助かります。
またもやブログタイトルを変更いたしました。気まぐれなんで申し訳ございませんが、よろしかったら今後も宜しくお願いいたします。
そうなのです、伊坂作品は凄惨な描写が多いですよね、まるで何かへ挑むかのように。
しかし「痛み」を伴う表現ながら、暴力とは相反する存在をどこかに感じるのです。不思議です。
ブログタイトルご変更とのこと、cochiさんの凛としたご姿勢はきっと変わらぬままと思っております。(*^_^*)
リニューアル後の貴ブログに楽しみにお伺いいたします。