今さらですが、梅田TOHOシネマズで『阪急電車 片道15分の奇跡』(三宅喜重監督、有川浩原作)を観てきました。
阪急宝塚駅から西宮北口駅までの阪急今津線各駅を舞台に、様々な乗客たちの人生がほんの少しずつ重なり合うお話です。
※画像は映画情報サイトよりの転載です。
これは静かな駅舎の佇まいにローカルな雰囲気を併せ持つ、この阪急今津線ならではの作品だったなぁって思いました。
JR線でも阪神線でも、阪急でもメジャーな雰囲気を持つ神戸線とかならこういう味わいは醸し出せなかっただろうと思います。
でもその一方で、繰り広げられる物語は全て、市井に生きる名もなき普通の人たちのお話なので、どれもどこかしら自分との小さな重なりを感じてしまうのでした。だから、もしもJRならJR線なりの、阪神なら阪神線なりの、近鉄なら近鉄線の、京阪なら京阪線なりの「それぞれの15分の奇跡」が出来上がったことでしょう、きっと。
そういえば私、うんと昔に阪急の宝塚線の某駅に少しの間だけ住んでたことがありましたっけ。あのあづき色の電車で仕事にも行ってたんだっけ・・・。
例えば通勤電車なんかで決まった時間の決まった車両に乗り合わせる人たちとは、言葉を交わすことはなくても何となく近しい存在に思うこと、ありますよね。
車中でその人の読んでる書物とかケータイの待受け画面とかが自然にふと目に入った時、或いはちょっと肩がぶつかって小さく「すみません」と声を掛け合ったりする時なんかも、その人の「人となり」が垣間見えた気がして何となく心がふわっと数センチほど高くなったりしませんか。それだけで既に、互いの人生の一端が交錯しているのかもしれませんね。
本作、「奇跡」というほどのことは何も起こりませんが、終盤の台詞にもあったように(人生とか日々の暮らしとかが)「ああ、悪くはないな」と思わせてくれる映画でしたよ。観る前と観た後ではほんの少し違って、擦れ違う人たちに笑顔を向けたくなる、そんな感じ。
何といってもハイライト!なのは、掲出の画、ウェディングドレスで電車を待つ翔子(中谷美紀)のシーンでしょうか。
日常では最も“無い”であろうシーンですが、そういうことが「でももしあったとしたら・・・」との思いが完璧に心を浚わせた瞬間でした。
中谷美紀さん、素敵でした。
老女(宮本信子)から翔子へ、そしてもう一人の翔子ちゃんへと語られていった言葉。
「涙を自分の意思で止められる女になりなさい」
私もそうでありたいと思いました、幾つになっても人生に涙は付き物だから。
一つ一つがほんのり温かいエピソード。
大卒社会人で「絹」の字も読めない彼氏って一体どんなん??と思っていたら、何とそれは玉鉄さんでした。結構好きな俳優さんなのであまりのイメージの差異に映画館の椅子から落ちそうになるほどビックリしました。
でもこの彼氏の存在がとてもよかったです。(ちょっと泣けた。)
さり気ない触れ合いだけで擦れ違っていくのが何となく心地よかったので、最後に翔子とミサ(戸田恵梨香)が気が合いそうねとお茶を飲みに行く段は、気恥ずかしいような着地点を間違えちゃったかのような妙な気分でした。
「人生の機微」とやらを、それぞれが心に抱えてサヨナラって言って欲しかった気がしましたが、それは私だけ、だったのでしょうか。
さて、片道15分なら往復でも30分。
電車で酔って寝てしまっても30分程度の被害?で済むということでしょうか。何往復もすれば別ですが。
その点JRは怖いです。線路は続くよ何処までも、です。

こういうのを呑むと余計にね。 気を付けて目的の駅でちゃんと降りましょう。
ちょっとありえない話ですので、CMにぴったりかと。
いじめられっ子の女の子との会話はこの映画の中で一番いいかと思いました。
しかし、ちょっと上映の期間・場所・時間帯が、ワタシの
現在の生活スタイルとすれ違ってました(×_×)
地方はカナしい・・(×_×)
やっぱり、地元なんでこんなにロングランなんでしょうかね〜。
作品全体を通しては面白かったんですが、
ラスト、ミサエのシーンでの翔子の一言
「人生って云々…」というセリフは要らんかったかなぁと
個人的には思います。ベタすぎる。
そういう事は見る側がつぶやく事やのに、もったいないなと。
見慣れた場所が舞台になっている映像というのは、それだけでプラスαされますね。
仰るとおり阪急沿線のCMにはこれ以上のものはないかと。(^^)
いじめられっ子の女の子には私も「ガンバレ」とエールをおくっていました。あの会話のあと、前を向いて歩いて行く女の子の姿がとても嬉しかったです。
翔子さん(中谷さん)にとっては怒涛の一日だったのですね、この一日は凄い!
これはやはり、どうしても地元色が濃く前面に出てしまうからなのでしょうか、他地域ではそれなりの軽い扱いのようですね。
ご帰阪時にもしもお時間の余裕がございましたら。またはDVD化された時にゆっくりとお楽しみくださいませ。(^^) それで十分お楽しみ頂けるかとも思いますよ。
私も総体的には楽しめました。(^^)
こういうゆったりした感覚に浸れる映画って、今のこういう時だからこそ「ありがたさ」も感じました。
ラストのシーンにはちょっと違和感を感じた私でしたが、そういえば台詞も少し饒舌に過ぎると言いますか、小利口的なイメージを残してしまった感はありましたね。
ゆるりさんが貴レヴューで書いておられた時枝おばあちゃんの「会社を辞めて 云々」の段も、私も同様に「そこまで翔子の人生に踏み込んでしまうのってどうかなぁ・・・」という思いがありました。
でも仰る通り、これが一度も行ったことのない土地の乗ったことのない線での話なら、さらりと過ぎていった作品だったかもしれませんよね。(^^)
ワタシの実生活での基本は、「静かに平穏にノンストレスな暮らし」。
「サザエさん」のような世界観がもっともストレスなく生きていけると思っているからです(笑)
それの反動かな〜。映画で刺激を求めてしまうのは(爆)
ウエディングドレスで電車を待つなんてとても素敵ですよね。
いずれ、もっと年齢を重ねたときにでもやってみようと思っています。(って変態親父じゃん)^^
そちらでもやはり上映期間は短かったのですね。
こちらは「え!?まだやってるの?」というかんじです。それでも毎回完売状態みたいです。
>「静かに平穏にノンストレスな暮らし」
それが心身の健康と長寿には一番の秘訣ですね。
長寿は別にしても、できるなら日々穏やかな暮らしをしたいですものね。
ノンストレスライフ推進委員会、私も会員にさせてください、会長殿。(^^)
>ウエディングドレスで電車を待つなんてとても素敵
全注目を集めることは間違いなさそうです。
映画のソレはちょっと、いいえ、かなり悲しいものだったのですけれどね。
>もっと年齢を重ねたときにでも
「観てみたいものです」と続くのかと思ってたので「やってみようと」にはPCの前で椅子から落ちそうになりました。(^_^;)
なんなら今からでもトライ・・・?
なぜか親しくさせて戴いているブロガーさんに、
関西在住の方がとても多く、
この作品は、まだお会いしたことも無い皆さんを想い浮かべながらの鑑賞でした。
傷つき、怒れるあんな時やこんな時、
やさしい連鎖が起こってくれるといいなぁ・・と。(^-^*)
TBもありがとうございます。(*^_^*)
御鑑賞時、もしも私もこともチラッとでもKiraさんのお心をかすめていたのなら嬉しいです。(*^_^*)
>やさしい連鎖が
傷付いた自分を見ててくれた人が居たっていうだけで救われますよね。
私も電車で見る“ちょっとしたこと”にも敏感でありたいと思いました。
ご無沙汰しております。
この映画、大阪で見ました。
今の世の中、人との繋がりが難しいですが
じーーーーんとしました。
御無沙汰ですがお元気でいらっしゃいますか。(*^_^*)
人との繋がり、実際に「会う」「話す」っていう状況が激減している今の世を考えると、こういう「袖振り合うも・・・」的な関係は原点かもしれないですね。