2011年06月27日

半分の月がのぼる空(DVD鑑賞)


昨日(日曜日)は梅雨が明けたかのような夏雲が空に見えたのですが、お昼過ぎに激しい雨…やはりまだ梅雨は明けてなかったみたいですね。

この休日は劇場に行けず仕舞いで、友人が送ってくれたDVD『半分の月がのぼる空』(深川栄洋監督、橋本紡原作)観ました。
重い心臓病を患う女の子と恋に落ちた純粋な高校生の男の子と、妻を救えず失意に打ちひしがれる医師の、それぞれの想いを描いた作品です。

                        半分の月.jpg
                            ※画像は映画情報サイトよりの転載です。


 純愛っていいなぁ、とそんな気持ちで観ていた本作。
とにかく高校生の裕一(池松壮亮)の里花(忽那汐里)への想いが真っ直ぐで純なので、なんにしても哀しい最後はイヤだなぁって思っていました。

だから、不意を突かれるってこういうことをいうのでしょうか、終盤に差し掛かる頃のあるシーンから一気に「二つの想い」が交錯し始めるのですが、「あ・・・そうだったのか」という言葉が思わず口をついて出ていた私です。
一つと思っていたものが二つ、或いは、二つと思っていたのが一つだったと気付いた時、無防備だった私の涙腺がしゅるしゅると緩んでしまったのでした。

 半分の月を観て深い恋に落ち、半分の月に切なる想いを託し、半分の月に慟哭し、やがてその月に明日への自分を見出す。
空にのぼる半分のお月様がこの映画の重要なアイテムでした(アイテムというにはそれは余りに神々しい存在ですが)。
もうひとつの重要なアイテムは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。ジョバンニとカンパネルラは里花と裕一なのです。少なくとも里花はジョバンニに自らを投影しているようでした。だから、若い二人の恋は瑞々しい輝きを放つとともに、孤独な里花の声にならない叫びのようなものが影のように張り付いていてひどく切ない気持ちにさせるのでした。
病院のベッド、シーツの中での二人の会話が美しく印象深いです。ほの暗くてほの明るい、ちょうど夜空をほんのり灯す月が其処にあるようでした。

失意の医師を演じた大泉洋さん。
私的には飄々としたイメージしかなかったから、彼の口から痛々しい台詞しか聞けないのはつらかったですが、最後の最後に本来の大泉さんの個性を感じさせてくれるようなシーンが観れて良かったです。
「椎茸食べなさい」
「いやや!」
「・・・お母さんも嫌いやったもんな」
あの親子の会話がとても温かくて、、、温かくて切なくて、やっぱり切なくて。


                        月がのぼる前に.jpg

  ウチ呑みで、お月さまがのぼる前のベランダにての独り乾杯。
ビールにちょっとだけスコッチを足しました。いいえ、たっぷりと足しました。
posted by ぺろんぱ at 19:54| Comment(8) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
お早うございます。

「難病の少女」と言えば、これ以上ない程な
「“置き”のベタさ」を感じてもしまうんですが、
そこに、説得力ある演出が絡められていたのでしょうね。

ときに・・
ビール+スコッチと言うのは、何と言うカクテルなのでしょう?
興味津々です(・ω・)
Posted by TiM3 at 2011年06月28日 07:09
TiM3さん、こんばんは。

>「難病の少女」と言えば

仰る通り、展開がベタになりがちというのは否めませんね。
私もそういう先入観があったからでしょうか、本作、のほほんと観ていたところにちょっとした驚きがあったのでどーんと心に来た感じです。

本来は<バーボン>を使うのですが、ビールにウィスキーをいれるのは手っ取り早くボッと火がついたように酔えるからか<ボイラー・メイカー>という優雅さの欠片もない名前が付いています。
私はバーボン以外にもスコッチを使ったりします。
あ、バーボンだったらご存知だったのかな、ごめんなさい。

あんまり女性は飲まないでしょうねぇ、こういうの。
でもちょっとだけスコッチを入れると麦の薫りが高まって中々いいんですけどね。
バーボンだとちょっと違う香が楽しめて微かな甘みも感じられていいですよ。

Posted by ぺろんぱ at 2011年06月28日 21:21
こんばんは。
テンプレートがおnewですね♪
梅雨の鬱陶しさを洗い流してくれそうな、清々しい緑、いいですね!

この男の子のお顔見て、
確か桑田佳祐と一緒に何かのCMに出ていた子だった気がする…
と、調べてみたらビンゴでした。
なかなか味のある雰囲気の子だなぁと思っていたので。
大泉苦手意識改造…の切っ掛けになるかも知れないので、
この作品「My観たいリスト」に入れちゃいます(^_-)-☆
ぺろんぱさんの記事はその時まで我慢してスルーさせて頂きますね。

<ボイラー・メイカー> うわぁ♪ 名前だけで酔いそうですね(*´艸)
暮れなずむ空を背景のグラスが美味しそう!
私も「バーボン」とか「スコッチ」とかを、
格好良くクイッと飲み干せる女になりたかったぁ(´∀`)
Posted by あぶく at 2011年06月29日 00:14
あぶくさん、こんばんは。

テンプレート、実はサーバーにある幾つかの中からの選抜途中での仮アップ状態でした。でも折角あぶくさんが「いいですね!」と言って下さったので暫くこれでいきます。(*^_^*)

主演の男の子、よかったです。逸材と感じました。
そうですか、<桑田さんとのCM>はネットで繰って見たら<某ケータイ>のCMだったようですね。(*^_^*)
実は私も大泉苦手組だったかもしれません。でも本作はお勧めできますので、ご覧になられたらまたいらして下さいね。

>格好良くクイッと飲み干せる女になりたかったぁ

私は「格好良く」ではありませんが、クイッとは飲み干せます。(^_^;)
「なりたかったぁ」と過去形ですが、いえいえこれから「なって」くださいませ〜。
と言いつつ、お酒はちょっとずつ戴くのが一番良いと思いますよ。

リンクの件、ありがとうございます。
“時機到来”を心待ちにしています。(*^_^*)


Posted by ぺろんぱ at 2011年06月30日 01:38
この作品は僕は好きなんです。
このくらいの爽やかさが、必要です。
終わりごろ、アレっと気づいて、そうだったのかといろいろな伏線に想いを馳せます。そこが魅力でしょうか。

デザインいいですよ。
Posted by cochi at 2011年06月30日 09:36
cochiさん、こんばんは。

cochiさんもご覧になっていたのですね。
「爽やかさ」、ああ、本当にそうです(^^)!そういう言葉がピッタリくる映画でした。

上弦の月を見たら私もこれからは願い事をかけようかと思います。

デザイン、お褒め頂きありがとうございます。

Posted by ぺろんぱ at 2011年06月30日 22:09
主演の池松壮亮くんは「ラストサムライ」で、
私としては真田さんと共に印象的な俳優として記憶に刻まれ、お気に入りとなりました。

好きでい続けること。
ずっと・・・。
その切なさ、その苦しさ。
それでも変わらない、想い。
やっぱり好きです。こういう純愛もの(´艸`)
Posted by kira at 2011年07月01日 22:24
Kiraさん、こんばんは。
2作品へのTBもありがとうございました。(*^_^*)

そうなのですね、ラストサムライで幼き武士の子を演じていらした男の子だったのですね!
この池松くん、とってもいいですね、私もこれから応援したいです。

恋しさと悲しさ、それが入り混じった感情。
「切ない」想いに満ちた映画はイイですね。
Posted by ぺろんぱ at 2011年07月02日 21:12
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半分の月がのぼる空
Excerpt: 上映時間 112分 原作 橋本紡 脚本 西田征史 監督 深川栄洋 主題歌 『15の言葉』阿部真央 出演 池松壮亮/忽那汐里/大泉洋/濱田マリ/加藤康起/川村亮介/緑友利恵/森田直幸/螢雪次朗/中村..
Weblog: to Heart
Tracked: 2011-07-01 21:40