2011年07月29日

シャッターアイランド (DVD鑑賞)


DVDで『シャッターアイランド』(マーティン・スコセッシ監督)を鑑賞しました。
公開時に劇場鑑賞を見送った作品です。

端正な顔立ちに今や「演技派」の貫禄が備わったディカプリオ様。
マーク・ラファロさんも出ておられて、相変わらずのソフトなお声を拝聴できました。それに『ブルーバレンタイン』で私的注目の女優さん・ミシェル・ウィリアムズさんもご出演で、サプライズの喜びもあったのでした。

 *****精神を病んだ犯罪者を隔離収容する孤島の刑務所で失踪した一人の女性を巡り、連邦保安官テディ(レオナルド・ディカプリオ)と新しく相棒となったチャック(マーク・ラファロ)が島にやってくるところから始まる物語です。*****

                        シャッターアイランド.bmp
              ※画像は映画情報サイトよりの転載です。

 
  公開時の「衝撃の結末!」的な宣伝がね、ちょっと過剰でした。
DVDでも“鑑賞前の3つの警告”として、「自分の脳を信じるな」とか「あらゆる表情を見逃すな」とかのレクチャーを否応なく受けることになってしまいましたし。
とにかく「何かとんでもない裏がある」ってことが頭に刷り込まれてしまって、始まって直ぐには「この島の患者とそうでない人間が全て逆だったりして・・・」なんて勝手に想像を暴走させていた私です、お恥ずかしい。
そういう気負いがなくて、ごく平常心で臨んでいたら鑑賞後の感想は少し変わっていたかもしれません。「謎」の正体は何となく分かってきますし、第一、この作品のゴールはソコじゃないでしょう。

本作には二つテーマがあったように思います。
一つは、テディの憐れみ。それは他ならぬ、彼の「自責の念」が彼自身を狂ったテディたらしめたという悲劇。
もう一つは、「人間の暴力性と尊厳」です。人間が内包する暴力性から人間として生きる尊厳をいかに守るかということ。
この二つは密接で、テディの過去と現在と未来が「暴力性」と「尊厳」の主従の変化によって形作られているからです。そして、テディの悲劇性が強ければ強いほど、「暴力性」と「人としての尊厳」の均衡の危うさがより一層鮮明になったのだと思うのです。

だから、観客を欺く為のトリックが先行していたような中盤までの描かれ方がテディの悲劇を掠れさせてしまったみたいでちょっと残念に感じました。
というより、謎解きとやらに囚われてしまった私がいけなかったのかもしれませんね、きっとそうですね。

テディの最後の台詞。
自身の悲劇にピリオドを打ちたいという思いが悲しいけれど、少し救われた思いもしました。


  さてさて、お酒を呑む前の私的警告は「自分の許容酒量を過信するな」、でしょうか。
激安のBOX赤ワインを買いました。今度は3リットル入り(ボトル4本分)です。 目標6日、 推定5日。

                        BOX赤.bmp

これはライトでアルコール度数が低い(12度)から氷を入れてかち割りワインにしてぐいぐい呑みましょうか。 じゃあ修正申告、推定4日。

posted by ぺろんぱ at 19:24| Comment(8) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
おぉ〜涼しそうなテンプレに変わりましたね。

本作、上映前の観客を煽る前宣伝にみごと振り回されてしまいました(苦笑)
本来、そこがオチじゃないだろう!みたいな。
テディの心の闇にもうひとつ突っ込んでもらいたかったですけど
なんせ上映時間が長過ぎて、さすがに疲れてしまいましたよ(笑)

>この島の患者とそうでない人間が全て逆だったりして・・・

おぉ!これはなかなか面白い読みですね!
いずれ、そういうオチを使う映画が出てきそうですよ(笑)
Posted by ituka at 2011年07月29日 21:46
itukaさん、こんばんは。

クラゲのようにふわふわと海中にたゆたいながら生きていくのもいいのかも。(*^_^*)

前宣伝に振り回されてしまったのは私も同じです。スコセッシ監督、やっぱり先ずは話題性のインパクトを!っていうことだったのでしょうか。
テーマも演者も素晴らしいのに、何だかちょっと勿体なかったなぁ、と。

でもitsukaさんのレヴューでも頷いたことですが、ホント、みなさんアカデミー賞ものの力演だったのではないかと。特にあの看護師さん(エミリー・モーティマー)とかね。

>これはなかなか面白い読み

お恥ずかしいです。
でもベン・キングスレーさんも見ようによっては一線超えた世界にいるかのような感じでしたから・・・^^;。
Posted by ぺろんぱ at 2011年07月31日 19:48
こんばんは。
テンプレートがとっても素敵なのでコメントさせてくださいね♪
クラゲさんと一緒に揺れながら、空に浮いてる太陽を鑑賞しているようで、
気持ちが涼しく穏やかになるテンプレートですね。
文字の水色も目に柔らかでなんて素敵な色でしょう!

スコセッシ監督&ディカプーコンビ(?)なので少し迷いましたが、ゾクーッと怖い感じの予告に誘われて観た作品でした。
さすがにこういうキャラが上手いディカプーに拍手でした。
共演の方々も熱演揃いで見応えありましたよね。
私も少し残念感を覚えましたが、感想を書かないままで今となっては後味の悪さが蘇るばかりで情けないです(^^ゞ
ちゃんとした感想を携えてなくてすみませんm(_ _)m
Posted by あぶく at 2011年08月02日 01:33
お早うございます。

も少しガッツがあれば、ワタシもテンプレートを
替えたいトコですが・・(・ω・)

左側のクラゲアイコンが可愛いですね(=^_^=)
ポインタを重ねたら、アニメーションで「ぷにょ」っと動くと面白いかも!

とも思いましたが・・良く考えたら不気味なので、脳内で
瞬時に却下しときました(=^_^=)

・・

本作は、それなりに期待して観に行ったので「やっぱりそっち系かい!」的なガッカリ感が多かった気がします。

(今となって)連想するのも『インセプション』とか『エンジェル・ウォーズ』とか・・

私的には・・近年の(?)ディカプリオと言えば『ブラッド・ダイヤモンド』ぐらいしか、エエなぁ〜と思えた作品がありません。。

酔っ払った状態で垂れ流し観ると、まだしも楽しいのかなぁ・・?(⌒〜⌒ι)

ワイン、楽しんでくださいね。
Posted by TiM3 at 2011年08月02日 07:00
あぶくさん、こんばんは。

またもやテンプレートをお褒めくださりありがとうございます。
文字の水色、読み難くないでしょうか?
クラゲは実際に海で泳いでいて遭遇すると厄介なものですが、こうして絵として眺めている分にはいいのもかもしれませんね。(^^)

ディカプーっていう呼び方、粋ですね〜。
彼は『ギルバート・グレイプ』で初めて名を知って以来、本当に力演作品が多いなぁって感じる俳優さんです。無冠というのが不憫なくらいです。

時を経て「何」が残るかっていうのは結構ポイントになってるものだと思いますので、後味の悪さというのも本作品のいわゆる「持ち味」だったのかもしれませんね。(^^)

>ちゃんとした感想を携えてなくて

とんでもないです!!
あぶくさんのたくさんの想いが込められたコメントでとっても嬉しいです。(*^_^*)

Posted by ぺろんぱ at 2011年08月02日 20:34
TiM3さん、こんばんは。

ガッツは十二分にお有りのTiM3さんだと存じますが、もう長いこと貴ブログテンプレに親しませて頂いているので、突然変わったら凄くびっくり!しそうです。(^^)

>アニメーションで「ぷにょ」っと動くと

その手の知識と技術を持ちあわせていないのが悲しいです。
不気味じゃないですよ〜、面白いですよ〜。(*^_^*)

『インセプション』も『エンジェル・ウォーズ』も「脳内で何やら起ってるぞ!!」という作品ですよね。既視感のある題材なら尚更に、もっともっと!と期待度も大きくなりますし、その反面、ガッカリ度も大きくなりますよね。
『ブラッド・ダイヤモンド』、観てないです。チェックせねば!

>酔っ払った状態で垂れ流し観ると、まだしも楽しいのかなぁ

上手く酔いの波に乗れると楽しいかもしれませんね。
私の場合は酔っ払うと先ず睡魔に勝てなくなるので“楽しむ”以前の問題になっちゃいます。(^_^;)

>ワイン、楽しんでくださいね。

ありがとうございます、楽しみました!(既に過去形!!?)

Posted by ぺろんぱ at 2011年08月02日 21:17
こんばんは。

この映画は公開当初も、その広告の仕方や本質を空かした売り文句に批判がありましたよね。

>テディの最後の台詞。
自身の悲劇にピリオドを打ちたいという思いが悲しいけれど、少し救われた思いもしました。

ホントにそうです。
彼の心にある風景や美しさには、結局誰も辿り着けなかったし、解釈を重ねればあの暴力性や狂気性は彼の中の不可侵な領域の形容詞なのかもしれない…なんて思ってしまいます。

俺なんてブルーレイ買っちゃって、娘が寝てから夜な夜な見てたりしますw

ミシェル・ウィリアムズ。いいですね〜。
ブルーバレンタインを夫婦で見に行って、思いっきり見方が違って面白かったですw
Posted by dk at 2011年08月09日 22:48
dkさん、おはようございます。

TBもありがとうございました。
いつもよりも更に力のこめられた貴レヴューでしたね。今夜じっくり読ませて頂いてコメント入れさせて頂こうと思っています。

私も、妙な気構えがなければもっと違った感動が残ったと思えてなりません。
彼が心に残した心象風景が全て悲しいものであったことがとても切ないです。
ディカプリオには拍手、マーク・ラファロも好きです。
ミシュエル・ウィリアムズもブルーバレンタインに続いて本作と、すっかりファンになりましたよ。

>ブルーレイ買っちゃって、娘が寝てから夜な夜な

映画大好きdkさんの“至福の時”なのですね〜。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2011年08月10日 06:00
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Tracked: 2011-08-09 22:49