『こちらあみ子』(今村夏子 著、筑摩書房)読了。
7月19日のブログで書いていた小説です。
メルヘンチックな装丁からは想像に難かった、“衝撃度の高い”小説でした。

表題作の「こちらあみ子」と、単行化のために書き下ろされた「ピクニック」の二作品が収められています。
「・・・あみ子」も「ピクニック」も、おそらくは先天的なある病を背負ったのであろう女性のお話です。
女性らしい柔らかさの、しかし潔さの感じられる文章の中に、瑞々しい芽吹きの感覚と共にハッとさせられるような人間の残酷さも潜んでいたように思いました。
特に「ピクニック」。
交わされたある会話にぞっとする怖さを感じ、ラストの風景描写の中には爽やかな美しさの中に悲しい残酷さが見えました。
そして「こちらあみ子」。
あみ子の人生やあみ子を取り巻く全ての物事や人々の、一切合財の不条理さを超えて尚、感じる“光”がそこにはありました。

今村夏子という人、すごい。
次の作品もきっと読みます。
この本のことを教えてくださったKさま、ありがとうございました。

さてさて、先日遠方より到来の友人たちと飲んだこのお酒、とても美味しかったなぁ。
朝日川酒造の<山吹極・純米吟醸無濾過本生>、山形県のお酒です。
早々と読了されたんですね。衝撃度が高いんですか。なるほど〜。
ますます、読みたい度レベルが上昇しました。
今村夏子という方は、今のところ著作としてはこの作品だけなんですね?
そうすると、次の作品が待ち遠しいですね。
ところで、表紙の写真は想像上の生き物でしょうか。
興味をそそられる装丁です。
はい、この小説の二作品とも何かちょっと“今までにない”感じでした。
もしも機会がございましたら手に取ってみてくださいね。
今村夏子さん、多分いまのところはこの作品だけが読み物として世に出ているのだと思います。
次なる作品がどんなのか、とても気になります。
表紙の写真はネットで探ってみました。
私も想像上の動物を画像にしたものかな、、、と思っていたのですが土屋仁応(よしまさ)さんというアート彫刻家の「麒麟」という作品だそうです。
でも動物園で見かける麒麟とは明らかに違うから、きっと土屋氏の独創的な世界で生きる麒麟なのでしょうね。
柔らかな、母性を感じるような、そんな作品だなぁって思いました。
ゆるりさんのコメントがきっかけで土屋氏の名を知ることが出来ました。ありがとうです!(*^_^*)