このお休み中の劇場鑑賞はこの一本のみになりそうです、『ヒマラヤ 運命の山』(ヨゼフ・フィルスマイヤー監督)です。
昨年に観た山の映画『アイガー北壁』と同じ、こちらもドイツ映画です。
史実に基づく手堅い描き方はドイツというお国柄の良さが反映されているともいえるのでしょうか。
ヒマラヤ山脈のナンガ・パルバート(標高:8125M)への初登頂を果たした若き登山家メスナー兄弟。しかし下山途中に遭難し兄のラインホルトだけが生還したことで国を挙げてのスキャンダルに発展していくというお話です。

※画像は映画情報サイトよりの転載です。
ヒマラヤを上空から眺める感動。それに尽きます。
物語としての強い牽引力は、正直に言ってあまり感じられずに終わりました。
スキャンダルとしての事件性も、対抗するラインホルトの心理にも、強く迫るものはなかったように思います。
登攀チーム関係者の「思惑」が背後で暗躍していたであろうことは想像できるのですが、無謀とも言える状態でメスナー兄弟の弟・ギュンターが登攀に臨んだのも事実。視点をどこに据えるかで大きく印象の変わる映画だと感じましたが、私は「スキャンダル」や「何が是で何が非か」ということよりも、兄弟二人の、とにかく極めて苛酷な、死と直面し続けた下山(事実弟は命を絶たれた)の状況を描いた映像の方に力が入った鑑賞でした。
とにかく、あれは「山」ではなく「断崖」です。
六甲山頂登頂しか経験のない私にとって、標高8125Mの断崖は想像の域を遥かに遥かに遥かに(三度も繰り返しました)超えたものです。落命を覚悟していなければ臨めぬものです。いいえ、死そのものです。
命を賭して山に向かうということが私のような者にとっては驚きであり、そういう登山家と呼ばれる人々に改めて畏れをも感じた作品でした。
ストーリーとして強く心を動かされるものは無かったのは残念でしたが(私の鑑賞眼が曇っていたのかもしれません)、ヒマラヤ山脈の空撮は素晴らしいです。
私にとってはこの一言に尽きる作品だったかもしれません。
当事者であるラインホルト・メスナーのアドバイスを得て作られた作品と聞きます。大自然の象徴・ヒマラヤ山脈の雄々しい美しさと底無しの怖さを感じさせる映像は流石のモノでした。
それからもう一つ、心に残ったことがありました。
映画の本筋には絡まないことなのですけれど、「ひとは、やはり人によって救われるものなのだ」と静かに感じたことを挙げておきたいと思います。
辛うじて一命を繋ぎ怪我と飢餓でボロボロになって麓に辿り着いたラインホルトを見つけ、暖を取らせ、食べ物を与え、チームのキャンプへ向かわせる道筋をつけたのは、他ならぬナンガ・パルバートの麓のパキスタンに住まう現地民でした。
彼らがいなければ、ラインホルトは麓に戻ってきはしても死を迎えていたことでしょう。
言葉も通じないどこの誰とも分からない人間が「命を繋げてくれた」という事実に、私は静かに感動しました。


お盆休みに入る前に、再びふらりと立ち寄りました。駅ビルに出来たワインの立ち呑み<立ちぶどう千本>です。
この日はビールの後に白と赤を一杯ずつ。
どうしても外せない仕事があって休み中に一度出社しましたが一応明日17日までがお盆休暇です。いろいろあってあっという間ですね、お休みなんて。
山の映画って、、、『ヒマラヤ運命の山』だったのですね。
これ観たいのですが、愛知で上映してるのは
年会費5000円も取るミニシアターのみなんですよ(笑)
なので先月で会員が切れてしまったワタシは会員割引が利かず1800円(映画でこんな金額払ったことない)^^;
ということでいろんな金券ショップでチケット探しまくり状態なんです(笑)
本作、結果が分っているだけにどうなんでしょうね。
『アイガー北壁』とかドイツ映画って本格的な作品が多い気がします。
日本の「山の兄ちゃん」的映画はまだ可愛い方ですよね^^
ところで、六甲山登頂おめでとうございます。
登山はしたことないのですが、ザイルとか持って行くんでしょうか。
>ですよね!(←ってなにがだよ)
ですよね〜ですよね〜!(←ってなにがっ!?)(^^)
あくまで私的見解ですが、期待大だとちょっとばかり消化不良になっちゃうかもしれないので「もしラッキーにもチケットが入手できれば」という感じでもよろしいかと存じます。^^;
山の残酷さや残酷さ故に生還を祈る思いなんかは『アイガー・・・』の方が実は印象深かったです。比べるものではないのかもしれませんが。
あくまで私の感想です。
でもヒマラヤ空撮は価値アリです。(これもあくまで私の感覚です、読み捨てて下さいね)
>ザイルとか持って
いいえ、どっちかと言えば六甲山頂なら「ランチを持って」っていう感覚で大丈夫かと。たった一度しか登頂してないので偉そうなことは何もいえませんが。^^;
アタックの仕方が幾通りかあるみたいですが、岩登りが超苦手な私なので“ひたすら持久力、とにかくただ頑張るのみ”のコースを選びました。^^;
下界がスースー見える高所も超苦手な私なので本作では心臓がひやっとする画もありました。下界しか見えないし、半端じゃない高所でしたから・・・。^^;
シネ・リーブル梅田までの道のりに挫け、駅近の映画館へと流れてしまいました。
六甲山ですかー。中学・高校では毎年登ってましたが、
意外と山頂まで登った事はないかもしれません。
いろんな登山ルートやハイキングコースもある六甲山は、
阪神間の者にとっては身近でまた特別な存在の山ですね。
(この映画に出て来る山とは対照的?!)
映画の内容はともかく、ひと時の涼は感じられましたか?
スカイビルまでの地下道は軽く“蒸し風呂”状態ともいえますよね。^^;
辿り着いたリブ梅での本作ですが、雪を湛えて雄々しく屹立するヒマラヤの姿にはひと時暑気を忘れましたよ。
六甲が青春の1ページだったのですね〜、ゆるりさん。(*^_^*)
私はロックガーデンが何度か登ってやっぱり苦手なので、山頂までは別ルートで登りました。私は山・素人なので山の達人が一緒だったから登頂できたのだと思いますが、山頂は流石に空気が違っていました。
しかし本作の山は・・・あれは山じゃないです。^^;
そう言えば、かなり昔に『メスナーと登ろう』とか言うタイトルの登山レクチャー番組があって、何となく断片的に観てた気がします。
今だったら「絶対ムリ!」と秒殺的にツッこむトコでしょうか(=^_^=)
こちらにもお越し下さりありがとうございます。(*^_^*)
そうなのですか!本作の高松上陸が叶うとよいですね。
>『メスナーと登ろう』
そんなのがあったのですね。
私も「絶対ムリ!」を「秒殺的にツッこむ」派です!
「のぼろう」の「ぼろ」を「も」に代えて『メスナーと呑もう』ならイケます!!(^_^;)