2011年09月21日

あしたのパスタはアルデンテ


 「最大級の警戒を」という耳慣れない言葉が再三繰り返された昨日今日。各地の被害が、どうか最小のもので終わりますように。 

 先の連休の一日はシネリーブル神戸で『あしたのパスタはアルデンテ』(フェルザン・オズペテク監督)を観ました。

南イタリアという保守的な地でそれぞれが心にいろんな秘密を抱えた家族の、大騒動の果てに迎える姿をコメディタッチで描いた物語です。ゲイであることを家族に告白しようとしているトンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)の姿から幕を開けます。

                       アルデンテ.bmp
                    ※画像は映画情報サイトよりの転載です。


  なんでしょう。
「好きだな〜」っていう思いと、「あー、ちょっと残念だったなぁ、勿体ないなぁ」って思う気持ちがないまぜになった鑑賞後でした。

時折ハッとさせられるカメラワークやビートの効いた音楽、コメディータッチだけど実は立て方がしっかりと真摯なところとか、何より作品全体が醸し出す雰囲気が“なかなかイイ感じ”でした。

冒頭のシークエンスにはびっくり。一瞬シアタールームを間違えたのかと思ったほどです。
やがてそのシークエンスの持つ深い意味が分かるのですが、あまりにドラマチックなその始まりが、結局は上手く活きてなかったような気がしたのです。
「始まり」と夢と幻想の「大団円」。
この物語がお祖母ちゃん(イラーリャ・オッキーニ)から家族たちへあてた「幸せに生きなさい」というメッセージ以外の何ものでもないことを感じたから、もっともっとお祖母ちゃんの「想い」に迫ってほしかったという思いが残りました。ゲイであることを巡っての騒動が前面に出過ぎてる気がして、視点がぶれちゃったかなって思ったのが残念なところです。

とはいえ、登場人物はそれぞれが爆弾を抱えつつ(原題は「MINE VAGANTI - 浮遊機雷」)も、どこか愛おしい人間たちばかり。
家族の繋がりも、常に問題を抱えていてもどこか愛おしいものなのだなぁって感じました。
残念に思うところもあったけれど“好もしい作品”です。  あ、、、邦題はちょっと捻り過ぎかな。


 さて、連休にはKちゃん宅でのワイン(を ひたすら とことん呑むぞの)会もありました。
集った三人でワインのボトルがどんどん空いて行きました。
Kちゃんからは沖縄土産の塩おかき<ゴーヤチーズ味>を、Nちゃんからはバリ土産のお箸と彼女手作りの箸置きをいただきました。

                        NちゃんKちゃん.bmp

このゴーヤチーズの塩おかきは濃厚なチーズの香とゴーヤの苦味もちゃんと生きててGood!なお味でした。Nちゃんお手製の箸置き、エスニックな感じが素敵です。二人ともありがとうね。ぴかぴか(新しい)

自分の先々のことや家族のこと、正面向いて考える年齢になったねと話した時間でした。
後半の記憶は見事に“飛んでイスタンブール”でしたが。(それじゃダメじゃん)

しかし飛んでイスタンブールっていうのも相当古い。


posted by ぺろんぱ at 19:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
リーブル神戸でも上映してたんですね〜。

プロローグで登場する花嫁が美しく、
後の祖母役の女優さんにも面影がありましたよね。
ニコラ(祖母が思いを寄せる義弟)役の人もなかなか男前で、
おっしゃるとおりドラマチックな幕開けでした。

あと、アルバ役の方も女優の浜美恵さん(元ボンドガール)に
ちょっと似てる感じで良い女っぷりやなぁと。
それにしても彼女、誰の車にあんな悪戯(の範疇越えてるけど)してたんでしょうか?

似てると言えば、トンマーゾ役の俳優さんはハビエル・バルデムを
ソフトにしたような感じやなぁ等と思いながら見てました。

私がちょっと残念やったのは、ゲイに対してあそこまで
悪態つかんでもエエヤンと思った事ですかね。
少々大げさに表現されてるんだと思うのですが、そこまで身も蓋もない
言い方せんでも。。。。とか思ってしまいました。

でも、全体的には好きなタイプの作品です。
テーマがぶれてるようなごちゃ混ぜ感も、結構好みかも。
現在と過去がいり混ぜになって繰り広げられるラストシーンも、好きです。
エンドロールのバックに流れてた映像が何だったのかは
よくわかりませんでしたが。
Posted by ゆるり at 2011年09月22日 23:23
ゆるりさん、いらっしゃいませ〜。
神戸はシネカノンもなくなり、元町映画館は出来たものの、やはりアート系作品はリーブル神戸頼みになってしまっています。
頑張って!リブ神さん!

冒頭の花嫁さんは仰る通り美しい人でしたね。
恋仲だった男性もソフトな感じで素敵でした。
なんで結ばれなかったのでしょうね・・・。

アルバのあの行為は私もよく分かりませんでした。停められてたお店の2階をちょっと見上げてたシーンがあったので、そこに来ていた男性に恋情を巡ってか何かの嫌がらせをしたのか??とか思いましたが。
でも彼女も何らかの“心に鬱屈したもの”を抱えてたっていうことなのでしょうかねぇ。
後半のアルバは切なさがとても素敵でした。(*^_^*)
浜美恵さん、なるほど!
「トンマーゾ役の俳優さんはハビエル・バルデムをソフトにしたような」っていうのも納得です!!(^^)
ならば私も最近の一作(ゆるりさんもご覧の一作)から「似てる」シリーズを一つ。
『ペーパーバード 幸せは翼にのって』のメルセデス役の女の子。ジャイアンツの高橋選手に激似!だと思いませんか!(^^)・・・野球に(ジャイアンツにも)ご興味がなかったらすみません。^_^;

ゲイに対する一連の騒動は確かにちょっと演出が過剰でしたね。
でも私も全体の雰囲気で「好もしい作品」であると感じています。
ラストもいいし、考えてみればあの冒頭のセピア色のシーンから既に「好きだなぁ」って思えていたのかも。(*^_^*)

>エンドロールのバックに流れてた映像

どんな映像でしたっけ?^_^; すみません、頑張って思い出そうとしたのですが。
Posted by ぺろんぱ at 2011年09月24日 10:42
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