テアトル梅田で『蛍火の杜へ』(大森貴弘監督)を観ました。
相互リンクさせて頂いているwest32さんのブログにお邪魔したときに本作の存在を初めて知り、観てみたい想いに駆られていたのでした。
妖怪が住むと言われる森で、人間に触れられると消えて無くなってしまうという不思議な少年・ギンに助けられた迷い子の少女・蛍。
互いに惹かれ合うギンと蛍の、淡い恋情と別れを綴った短編アニメーションです。

※画像は映画情報サイトよりの転載です。
夏。田舎。深い森。風のそよぎ。ひぐらしの鳴き声。そしてある日の不思議な出会い。
この世のものではないギンとの一年に一度の出会いが、透明感をもって描かれていきます。
何の屈託も見せない明るい蛍でしたが、彼女の中でギンへの想いは年々変化を見せ、静かな煩悶を抱えていたことがちょっとした彼女の表情に見え隠れしていて、それがとても切なかったです。
(少女期の蛍があまりに威勢がいい元気印の女の子だったことに自分との違いを感じて実はちょっと感情移入し難かったのですが、思春期の頃の蛍には違和感を感じませんでした。ギンとの出会いが少なからず蛍を変えた、ともいえるのでしょうか。)
二人の関係は永遠とは思えないものだったけれど、あんなふうに突然に別れがやってくるなんて。
その突然の別れは最高の幸せな一瞬ともなったわけですが、あまりに刹那的に過ぎるのがやはり悲し過ぎました。
永遠の想いを胸に抱いて生きるには蛍は余りにも若すぎ、思い出として封印してしまうには、それはあまりにも美し過ぎて強烈すぎる心の刻印なのでした。
だからラストの蛍の言葉があまりに健気で、それが嬉しいやら悲しいやら。
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お化けは怖いけど、あんな優しいお化けたちなら私も一度くらいは遭遇してもいいかな。
そして、この作品を観て切ないなぁって未だ思える自分がいたことにちょっぴり安堵?もしている今です。

ウィスキーを飲みつつ・・・
テアトル梅田では来週末、「名画シリーズvol.2」で『ひまわり』が上映されるようです。
拙ブログでも記事にアップさせて頂いている『ひまわり』ですが、ニュープリント&デジタルリマスター上映ということで、スクリーンで鑑賞してみたい思いもふつふつと。
妖怪といってもこんな懐かしい響きなんですよね。おっしゃるような「透明感」がなんともいえない良さでした。
少女時代の蛍は、変なほど人見知り?妖怪見知り?のしない「元気な」女の子で、確かにちょっと?ですが、彼女が少女へと成長するにつれての思いの変化、この微妙な描き方よかったです。
また別れも....
> お化けは怖いけど、あんな優しいお化けたちなら私も一度くらいは遭遇してもいいかな。
そう!そう!ちょっと怖いけど楽しいだろうなぁ。
> この作品を観て切ないなぁって未だ思える自分がいたことにちょっぴり安堵?も
私たちの何か心の奥にあるものに触れてくれた映画なんですね。
PS 私もテアトルさんの名画シリーズ、観たい映画が一杯なんです。やっぱりDVDで観るより映画館で観たいです。
こちらこそ本作との出会いのキッカケを作って下さりありがとうございます。
森のお化けたちはみんなギンを心配していて、あー彼は愛されてるんだなぁって思いました。
もうちょっと違うシチュエーションの消え方を想像していたので、あまりの突然のソレでこ心の準備が間に合いませんでした。(T_T)
>やっぱり・・・映画館で観たい
そうなのですよね。
このシリーズ、どんなラインナップなんでしょうかね〜。(*^_^*)