第七藝術劇場でヤン・シュバンクマイエル監督最新作『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生- 』を観ました。
夢の中でしか逢えない美女を追い求め夢の世界へのめり込んでゆく孤独な男の物語。
チェコのシュールレアリスト、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の「実写と写真を巧みに組み合わせたカットアウトアニメ」によるサスペンス色あふれるワンダーランドです。
※画像は映画情報サイトよりの転載です。
私の衝撃的なヤンシュヴァ・デヴューは今から4年半ほど前、シネ・ヌーヴォでの『ルナシー』でした。
冒頭で「これは哲学ホラーだ」なる監督の言葉がありましたが、本作でも冒頭に監督の言葉が。真面目を装いつつお茶目な(或いはお茶目を装いつつ至極真面目な)監督の語りによれば、本作は「精神分析コメディー」であるらしく、そして「コメディーだがあまり笑えない」作品であるとのこと。この冒頭の語りは実に面白くて笑えましたけどね。
ビルから美女の顔がぬっと大きく現れるいきなりのオープニングにはびっくり。
あり得ない映像は夢の中なら本当のものに思えても、現実にスクリーン一杯に映し出されるといきなり脳内がクラクラしてきます。『ルナシー』ほどではありませんでしたが、それでもグチャ、グチョ、グニュ等の擬音を伴うグロテスクな映像はなかなか容赦のないものであり、嫌悪と妖美の入り混じるシュールな映像世界に脳が完全に痺れてしまいました。
しかし物語の展開は(突きつめれば)シンプルであり、ある程度の遊びはありながらも、着地点は我々が心に用意していたものを裏切るものではありませんでした。その男の夢には「意味が存在するのだ」と期する我々の想いを、ね。
知らず知らずのうちに“生きることがつらい”人生を歩んできた主人公エフジェン(ヴァーツラフ・ヘルシュス)。
夢はそんな彼の潜在的欲求が姿形を変えて具現化されたもの。
「夢と現実が結びつけば人生は完璧になる」とは冒頭で語られたことですが、エフジェンはしかし、夢と現実の融合を超えた「真の救い」を求め彷徨っていた気がしました。とにかく「出口」を求めていた彼の必死さが憐れでもありました。
だから最後で、彼は初めて「第二の人生(夢)」を「第一の人生(真実の人生)」に入れ替えることが出来たんだなぁって、観ていた私も解放された感がありました。
壁に掛けられた肖像画のフロイトとユングが、リビドー論を巡って殴り蹴り合いの争いをしてる一連のシーンが凄く面白かったです。
私も殆ど毎夜、夢を見ます。
同じ場面の夢も日を変えて何度か見ます。
以前、夢の分析本を読み耽っていた頃を思い出しました。
そういえばお酒に深酔いした夜は夢を見ることが少ないかもしれません。眠りの深さの問題なのでしょうけれど、まあ酔ってる状態自体が夢の世界ですものね。
Jazz Bar Wishy-Washy さんでの三景です。

今日は変な時間に目が覚めてしまい、夜中におじゃましています。
レム睡眠(浅い眠り)中に見るといわれている夢ですが、
記憶とか感情がデフォルメされた形で現れてるなぁというものが
多い反面、時々、なんで?と思う内容だったりして面白いですね。
また、その内容が思い出せそうで出来ない時なんかはすごいモヤモヤします。
監督、お茶目でしたね。
色々と印象的なショットの多い映画でしたが、
一番記憶に残っているのは母のお風呂で泳いでいる所です。
母と息子の関係って私には、はかりしれない世界という気もしました。
“Wishy-Washy”とは、面白い店名ですね。
ぺろんぱさんの記事を読んでいると興味を惹かれますが、
根が単純なワタシには読み解けない世界かも・・(^^ゞ
それより毎晩同じ夢をみるというところに惹かれました!
あまり夢をみることがない私ですが、
時折凄く怖い夢をみるんですよね〜。
後日、何かの夢判断をした番組で、どこかの心理学者が
それを「若さが失われることへの恐怖感」からだと言ってまして、
なんか妙に安心しました(笑)
そうそう、昔から酔うほど呑んでいたから夢をみなかったのかしら(ヘ_ヘ;)
私も夜中にPCに向かうことがあります。
私の場合は猫に起こされて意識が朦朧としつつ仕方なく、って感じですけど。^_^;
私も本当に「なんで?」「これっていったい何?」っていう夢を見ることがあります。
以前読んでいた夢の分析本ですが、著者がやはりフロイトやユングを学んだ学者氏で、読みながら自分の深層心理を突きつけられた感じがして軽いショックを受けたりしたこともありました。
でもそんなことは別として、スカッと爽やか!な夢を見た時は目覚めがいいです。
>母と息子の関係って
はかりしれないです、私にも。
多くの親子の間には程度の差はあれど何らかの呪縛があるのかもしれません。
本作のエフジェンに付いて言えば、トラウマとなった出来事があったということも大きいですね。
Wishy-Washyさんは過去にも何度か挙げさせて頂いてるお店です。
ママさんがチャーリー・ブラウンのその言葉に思い入れがおありで命名された店名です。Jazzに造詣の深いマスター氏とママさんがされているお店で、拙ブログにもリンクを貼らせてもらってます。月に一度のJAZZ新聞っていうが凄く面白いんですよ。(*^_^*)
>読み解けない世界かも
いえいえ私の書き方が悪いのでそう誤解されたのかも。
これは結構直球的な展開でしたよ(^_^)。
ただ、監督の手法が手法なんで^_^; 何やら妖しげで不可解な空気が蔓延してましたけれどね。
怖い夢、私も見ることがあります。怖さのシチュエーションは毎回微妙に違いますが。
その夢判断、私の場合なら「もう既に残り少なくなってしまった若さが更に失われることへの恐怖感」というところでしょうか。(笑)(いや・・・笑ってはいられない)
kiraさんもお酒をお召しなのですよね。
私の場合は一日の締めくくりの必須アイテムです。
「酔うほど呑んで」は正しいご姿勢です!!(*^_^*)
私はお酒は酔うために呑んでおりますよ。