雪国を訪れてぬる燗を呑んだという話じゃありません。
直ぐ下に写真を掲載しているから誤解されようもないのですけれど。
川端康成の『雪国』(新潮文庫)を読みつつ、ぬる燗を呑んだということです。
この土日はいろいろあって劇場へ向かえず、しかしながらちょっと懸案事項だったことが一つ解決してほっと一息ついた日曜夜に、ぬる燗を用意して読みかけの本を開いてみたということです。
そういえば燗酒の恋しい季節になりましたね。
この何年かは、冷酒としていただくような類の(吟醸系や無濾過生原酒系の)お酒もゆる〜い燗にしていただくことが増えました。ほんのり温めるとびっくりするくらい味のふくらみが増して、冷酒としていただく時とはひと味もふた味も違った味わいが楽しめます。
自宅で燗酒をいただく時の楽しみの一つに御猪口のチョイスもあります。
その時の気分で好きなのを選びます。私の場合小さい御猪口だと盃が進み過ぎて忙しいのですけれど、気に入って買い求めたものは小さめの盃が多いです。


さて『雪国』。
川端康成をきちんと読むのは何年ぶりでしょうか、いいえ、おそらく何十年ぶりと言った方が近いでしょう。
冒頭の一文はあまりに有名ですが、それはその一文の魅力と言うよりも、その後に展開するこの小説の魅力をこそ、この冒頭の一文が孕んでいるからなのでしょうね。
しかし何が魅力なのか、氏の作品を読み込んでない私には端的に言うことはできません。
男女のあいだに交わされる会話は(著者が男性であるにもかかわらず)あだっぽく、直接的に表現されていない交わりの描写にも妙に生々しさが匂い立ったりしています。情念的でありながら、しかしどこまでも冷やかで透き通るように美しい、そんな感じとしか今は言えません。
島村という男性は好きになれないけれど、駒子と別れ東京へ戻る汽車の中で、連れ合いと思っていた男女が実は偶然乗り合わせただけの二人だったと分かって涙が出そうになるというシーンがあり、その描写には不意に私も胸をつかまれた感がありました。
まだ中盤を少し過ぎたあたり。
お酒のボトルが無くなるのは早いのに。
カワバタ、雪國、盛り下がり・・って感じで・・
この作品も、(読み進むに従って)次第に面白く
なくなってくような・・ちょっとワタシの
感性とは合わない感じの作品でしたかね。
確か、後半で火災が起こるんだったか・・?
ワタシは、機があれば『みづうみ』って作品を読んでみたいですねぇ。
ナイトドライヴ、お疲れ様でございました。
そうですね、本作は序盤からも特に盛り上がりはないままで進んでいきますね。
ただ、我が国の言葉ってやっぱり美しいものなのだなぁと感じたものです。現代作家さんの小説とは明らかに違う匂いがしました。
終盤の「火災」で、二人の物語がグッと動きましたね。
明日にでもTiM3さんやitukaさんがご覧になられた“あの一本”を観に行けたらなぁと思っています。私も気になってた作品ですので(^_^)。