TOHOシネマズ梅田で『ミッション:8ミニッツ』を観ました。
あの渋い魅力を放った長編デヴュー作『月に囚われた男』に続く、ダンカン・ジョーンズ監督の長編第2作です。
列車爆破事故の犯人を見つけるべく、犠牲者が死亡する8分前の意識に入り込み、爆破直前の列車内を追体験していく男の運命を描いた物語です。(シネマトュデイより抜粋)

※画像は映画情報サイトよりの転載です。
未来世界で、ある使命を巡って一人の男性が苦悩と葛藤を繰り返すのは前作と同じ。
根底に家族への深い思慕の念があることも。
違うのは、前作がローテク的手法の映像が味わい深かったのに対し、本作はCG映像による時空移動の描写がインパクト大であったこと、でしょうか。
そうそう、観終わったあとに爽快感めいた感覚を遺すのも同じ。これはSFでありながら、そこを超えて先ず「人間ドラマ」であった気がします。
携帯電話を通じて吐露される主人公コルター・スティーヴンス(ジェイク・ギレンホール )の想いには落涙を禁じ得ません。
そしてあの銀色のオブジェを実際に目の前にした時の彼の驚きには私も「あっ」と小さな声をあげてしまったくらいで。あのオブジェ、何度もコルターが見ていたものだったのですから!
そうか、そうだったのか!
そういえば、研究所の所長が言ってたじゃない、「これは時間旅行じゃない、時間の変遷なのだ」って!
これはそのシーンを観ていた時の私の心の中での独白。
過去ではなく「同時存在」の世界で、コルターは幸せを手に入れることが出来たのだ、と思えたラストでした。
(これには、もう一つの“本来の命”というか“本来の自意識”の持ち主への哀悼が伴うのですけれどね)
ラストのラストに“もう一つの展開”が挿入されるのも、これまた前作と同じ手法ですね。
本作のソレは幾通りにも解釈を拡げることのできるものでした。私は今もってクリアになっていませんので、思い出す度に解釈を楽しんでいます。
コルターに絡んでくる二人の女性が本作に輝きを添えています。
クリスティーナ(ミシェル・モナハン)とグッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)です。

冷徹そうに見えながら、次第にコルターの心に寄り添うようになっていくグッドウィン大尉。アップになった時のヴェラ・ファーミガの目が憂いを帯びて哀しいまでに美しいのです。瞳を囲む虹彩は、あれはなんて表現すればいい色なのでしょう。ブルーグレイ?吸い込まれるようでした。
クリスティーナの微笑みは蠱惑的すぎて「このひとが危険人物なのかも」と思っていたくらい。(そうじゃなくてよかった。)
ダンカン・ジョーンズ監督は、本人の弁によれば「父親(デヴィッド・ボウイ)譲りで日本が大好き。」なのだそう。
それも素直に嬉しいことですし、2作品とも楽しめましたから「3作目」に期待大です。
さてさて、今年の<(第18回)大阪ヨーロッパ映画祭>は堂島のエルセラーンホテル内のエルセラーンホールをメインに開催されるようです。
取り敢えずは興味深い2、3作品をチェックしています。
1Fエントランス横の喫茶コーナーではビール数種とグラスワインが楽しめますよ。

いただいたのはギネスビールです。小さなおつまみが付いてきます。

今日もズタボロです(⌒〜⌒ι)
本作、ご覧になられたんですね。
ダンカン・ジョーンズ監督の親父さんの事は、ぺろんぱさんの記事を読んで
初めて知りました(⌒〜⌒ι)
「ショーン氏の記憶にアクセスする」って点が、明確に描かれず、正直
良く分かんなかったですが・・作品全体の持つ「吸引力」こそは、なかなかのモノでした。
「もう1ツ何かがあれば・・」とも思いますが、そんな「余地」を敢えて監督は残したのかも知れませんね(=^_^=)
いやはや、仕事の後の映画は集中力に欠けますね(笑)
明日が休みだからまだいいけど。。。
あそこのオブジェのところで終わらないのがダンカン監督なんですかね〜
オールラストの答えを監督が話してますが、余りにも大雑把で
「それだけかい!」って感じでした^^;
結局、ラストは自分の解釈で納得してます(笑)
ハートありきのSFとセンスですよね〜。
「記憶」に拘っているのも、「生」をあきらめずに希望のあるラストにするのも好き。
ヴェラ・ファーミガはあんまり作品を観ていないのですが、
本当にただただ瞳の演技が素晴しい。。
魅入ってしまいました〜。
ダンカン作品、次も楽しみにしたいです♪
こちらに伺って、この映画は『月に囚われた男』の監督が
撮られたのだと知りました。
テレビCMを見た時は「時間を遡って…というのが不思議な設定!」
とは思ったものの、
アクション映画なんかなぁ?とさほど興味もなく。
思い込みはイケマセンねぇ。
時間がうまく合えば!と思っていましたが
今日は残念ながら観る事ができませんでした。
ダンカン・ジョーンズ監督の事ともう一つ、
ぺろんぱさんに教えていただいたのは、ヨーロッパ映画際がもうすぐという事。
すぐに忘れてしまうので、また慌てるところでした。
今日、別のチケットと合わせて3回券も無事購入しました。ありがとうございます。
上映スケジュールと照らし合わせながら、どれを見ようかと考えるのも楽しみです。
最近TiM3さんの“呑みネタ”も興味深く拝読いたしております。(^^) しかしお身体を大切に。毎日ガッツリ呑んでる私が言えたことではありませんけれどね。^_^;
>もう1ツ何かがあれば
そうですね、例えばショーンさんの「何か」がもうちょっと描かれていても面白かったかもしれません。
でも仰る通り吸引力大の作品でした。
itukaさん、こんばんは。
週末レイト!
それはお疲れさまでございました。さっきちょっとだけお伺いしてみたら、ご覧になったのはサスペンスホラー!?私なら恐怖で金曜のワクワク感も飛んじゃいそうです〜。ってか、金曜の仕事帰りはすっかりお酒モードになっちゃってます、私は。^_^;
あのラストのラストは“幾つもの気付き”が存在してそうで、監督自身とお酒でも呑みながら(←何でやねん!)膝を交えてじっくり聞かないとクリアになりそうもありません。
私も自分で大雑把に!?納得してます。(^^)
kiraさん、こんばんは。
そうなんですね!「センス」がいいんですね、この監督!
前作も、ローテク映像でも何かしら独自の感覚を感じさせてくれてましたね。
>ハートありき
これもそう!
ジェイク・ギレンホールが前作を観てこの監督に惚れ込んで自身を売り込みに行ったと聞きます。ハートを感じるところが観る人の心を打った、てことでしょうか。
ヴェラさんは私も他作品が直ぐに思いつきません。
でも本作ですっかり御名をインプットいたしましたぁ!(*^_^*)
ダンカン・ジョーンズ監督、次作品は何でしょうね。(^^)
そうなのですか、テレビでCMしてたんですね、知りませんでした。なので、私は観てみて初めて結構アクションっぽい部分もあるなと感じた次第です。
けれど、派手な動きや音響もあるものの、やはりベースは人間の心が描かれていたと思います。
もしもお時間があえばどうぞ。(^^)
ヨーロッパ映画祭、私は今のところ三作品に赤丸付けてますが鑑賞が叶うのは一つか二つかも・・・(T_T)。
少ない可能性ながらゆるりさんとニアミスもあり!ですね。(*^_^*)
この映画は、とても評判良いですね!
私の友達も、ペロンパさんが「これはSFでありながら、そこを超えて先ず「人間ドラマ」であった気がします」と、おっしゃってる様に、ヒューマニズムを謳った映画だったよ、忘れていたモノを取り戻せるから、是非観に行っておいで!と絶賛するものですから、ちょっと興味が出てきてます (^-^)
先日、京都へ「保津川下り」に行って来ました
生憎の雨天だったのですが、ナイロンシートで屋根があり、よっぽどの土砂降りでない限り、濡れないようになってました。年間40万人が訪れるそうで、大変なにぎわいでした。
ペロンパさんは、体験されたことがおありですか?
1時間50分もかかったのですが、船頭さんの巧みな話術で楽しく、そして景色が美しく、素晴らしい船遊びでした
遠方の親戚が遊びに来たら、薦めてみようと思います
ではまた ヤツハシも美味でした♪ vivian
8分のミッションを《8分のゲーム》と捉えてみました。
とにかく犯人をみつけること、そのためにとにかく何度もチャレンジ。
前の経験が情報となって、目標に向かって突き進む。
RPGと同じ感覚です。
アメリカのゲームではこういう感覚のものはよくあります。
最近は、アメリカ発のゲームがエネルギーがあって優秀です。
ただ、ラストは、ダンカンさんはうまくまとめました。
あっちの世界で終わっていたら、新しい世界が作れませんから。
ダンカンさんは最後は自分の世界を作りたかった。
その才能に惹かれます。
ご友人の「絶賛」までは私はいきませんでしたが( ごめんなさい^_^; )、この監督さんの作り出す世界は好きだなぁって思いましたよ。(*^_^*)
もしもお時間があればいかがですか。
保津川下り!
私は確か高校生?くらいの時に両親との家族旅行で体験しました。
vivianさんの「舟遊び」ってお言葉、いいですね。粋な感じがします。是非ご親戚の方々にもご案内して差し上げて下さいね。
ヤツハシは、子どものころはニッキの風味が苦手でしたが、今は私も好きです〜。
私は生ヤツハシの餡無しバージョンが好みです。(*^_^*)
cochiさん、こんばんは。
8分のゲーム、RPG、ですか。なるほど!と思いました。
チャレンジする度にコルターがもの凄い心身の消耗を伴っているのが何とも痛々しかったですが、それも“こんな消耗で彼は消滅してしまったりはしない”という妙な確信もあって、原点はまさにゲームに在ったと言えるのかもしれませんね。
しかし“結果”として単なるゲームで終わらなかったところがこの監督の想像力&創造力なのでしょうか。(*^_^*)
そして、夢を抱かせるようなラストの迎え方(デヴュー作でも最後の最後にそれがありましたよね)に、人間としての魅力も感じた御仁です。
>SFでありながら、そこを超えて先ず「人間ドラマ」であった
まさにその通りだと感じましたね。
>そうか、そうだったのか!
映画のパズルという競技があるのなら、この作品は金メダル級ですねw
でもそれはただガチガチと組み合わさるんじゃなくて、メカニカルなのに人肌の感慨があるからの金メダルのような気がします。
ヴェラ・ファーミガに注目されるとは、さすがです。
彼女は、デッパーテッド、マイレージ・マイライフで異彩を放っていたので、すごく気になってたんですが、今回の役どころに完全にフィットしていましたね。素晴らしかったです。
しかし、ダンカン・ジョーンズ監督については完全にノーマークでしたので、お恥ずかしい限りで。。。
早急に前作をみなければw
俺は、残された数秒のときにコルターが車両を振り返りますよね。
あのシーンがすべてだと感じました。あの幸せそのものの空間を創るがためのすべてのからくりなんだと。
じゃないと、コメディアンが同乗してないとおもいますw
>あの幸せそのものの空間を創るがためのすべてのからくりなんだと。
>じゃないと、コメディアンが同乗してないとおもいます
本作に関しては、リンクさせて頂いている他のブロガーさんの記事中で「なるほど!」と唸らされるご意見を幾つか拝読いたしましたが、このdkさんのご意見もとても興味深く「なるほど」とPCの前で今、唸っております。(^_^)
「メカニカルなのに人肌の感慨」っていうのも素敵なご表現です。
この監督の人間的魅力を感じる所以ですね。
前作『月に囚われた男』を是非ご覧になって下さいませ。ローテクな作りも面白い作品ですし、SFですが本作同様「人間ドラマ」です。
そして、私にとっては主演男優へのイメージが覆った作品でした!(総合的に、個人的には前作の方がより好きかも、です。)
ヴェラさん、他作品も観てみたいです。
『マイレージ・・・』はJ・クルーニーさんご出演の映画ですよね。
観てみたかった作品でもあり、今度レンタルで探してみます。(*^_^*)
観てから…と思いながら我慢しきれずに斜め読みしてましたら、
ヴェラ・ファーミガの名前を発見して嬉しくなりコメントさせて頂きますね♪
アメリカTVドラマ好きなので、そこで彼女も知りました。
あの瞳といい、彼女の持つ雰囲気は好きな女優さんです。
私の場合は『ディパーテッド 』よりも、
『こわれゆく世界の中で』での起用され方が「凄い!」と感心したものでした。
僅かなシーンでしたが印象的でした(*^^*)
本作、ご鑑賞予定なのですね〜。
さて、ヴェラ・ファーミガさんってアメリカTVドラマでもご活躍の女優さんだったのですか。知りませんでした。
『こわれゆく世界の中で』も未見です。
あぶくさんが「凄い!」と感心された起用のされ方ってどんなんでしょう・・・ワクワク。
作品名をインプットしておきますね。(*^_^*)