2011年11月11日

スタンド・バイ・ミー(久々の再鑑賞)


 録画ソフトで『スタンド・バオ・ミー』(ロブ・ライナー監督)を観ました。何年ぶり(十何年ぶり?)かでの再鑑賞です。

古い録画ソフト(VIDEO)を処分しようと整理していて手に取った一本です。
入手した録画DVD『孤高のメス』や以前から観よう観ようと思いつつラックに置いたままの『ジェシー・ジェームズの暗殺』やら、宿題はたくさんあるのについつい懐かしくなって観てしまいました、スタンド・バイ・ミー。

改めて記すまでもない、ホラー小説で名高いスティーヴン・キングの短編を基に作られた名作。
オレゴン州の田舎町で、遠く離れた森の奥まで少年の死体を見つけようと二日間の冒険の旅に出る少年4人を描いた物語です。

スタンド・バイ・ミー.bmp
         ※画像は映画情報サイトよりの転載です。


 冒険を終えてちょっぴり大人に近づいた少年たち。
危うくも一途で、周囲の無理解にもがき苦しみながらも、今から思えばきらきら輝いていたあの頃。
もう二度と戻れない、取り戻せない「時」と「感覚」と「観念」に、観終わった時の想いはやっぱり「切ないなあ」のひとことです。

1200人ほどが住む小さな町、キャッスル・ロック。
「それが僕にとっての全てだった」という冒頭から、旅から戻った僕(ゴーディー)にとって「町は妙に小さく見えた」というエンディングまで、尖っているのに壊れやすくて、思いっきり背伸びしながら何処までも一途な少年たちの姿が瑞々しく描かれていきます。

クリス(リバー・フエニックス)とゴーディー(ウィル・ウィートン)の友情は、今この何度目かの鑑賞を以てしても尚、胸を掻き立てるものがありました。12歳の少年が時に父性や母性をもにじませ、互いが互いを「屈するな」「高みを目せ」と言下に励ます姿にはじんわりと熱いものがこみ上げます。
4人はいつしかそれぞれの道を歩き始めるのですが、知らず知らずに迎える別れというのもまた、やるせないものですね。


本作は少年たちの物語ですが、「死」の影がずっと張り付いていたように思います。
ゴーディーの兄(ジョン・キューザック)の死。
探される死体となったブラワー少年の死。(彼はいったいどうしてあんなところで事故にあったのでしょう。彼の死を巡っても浅からぬ物語があったはず。)
そして成長したクリスの死。(嗚呼、そういえば演じたリバー・フェニックスも23歳の若さで逝きましたね。)
原作短編は「ホラー小説」ではありませんが、うっすらと張り付いて離れなかった死の影がやはりスティーヴン・キングの特質を思わせました。

そうそう、早朝に目覚めたゴーディーが偶然出会った鹿と目と目を見交わすシーンで「これは僕だけの秘密だ」と他の3人には打ち明けない件(くだり)がありましたが、あそこは12歳の少年の溢れんばかりの生気を感じさせて秀逸でした。


              スペインバルにて スパークリング.bmp     スペインバルにて 白ワイン.bmp

 今回の整理、処分する前にもう一回だけ観ようと思ったVIDEOが結構残りました。思い切りの悪いぺろんぱでございまする。

お酒の呑み方は思い切りが良過ぎて困ります。次から次へと盃が・・・。
スペインバルでN嬢と乾杯の画。

posted by ぺろんぱ at 02:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
私も最近昔の映画を観ることが多いです。

観た時の自分の年代やそのときの感情が思い出されるものが多いです。また自分が変わったため映画を観たことによる感覚も変わることも分ります。

でも、特にこの映画は映画の中で過去を振り返っているので
>危うくも一途で、周囲の無理解にもがき苦しみながらも、今から思えばきらきら輝いていたあの頃。
>もう二度と戻れない、取り戻せない「時」と「感覚」と「観念」に
うーん、この感覚って今も自分の子どもの頃を思い出して色々こんな想いが出てきますよね。同じ感覚になります、特に年を重ねていくと....

私も「スタンドバイミー」、また観たくなりました。ぺろんぱさんのように家の中を探してみようか...
Posted by west32 at 2011年11月11日 23:33
どもです。

本作に関連して想起するのは『IT(イット)』と『スリーパーズ』でしょうか。
往年のファミコンゲーム『MOTHER(マザー)』も本作が下敷きとなっている、と何処かで聞いた覚えがあります。

鹿と逢うシーンは覚えてませんでした。
何だか後年の『クイーン』に影響を与えてそうな演出ですね。

『コラテラル』でも、唐突にコヨーテ(?)が主人公らの前に姿を現してましたっけ。。
Posted by TiM3 at 2011年11月12日 19:54
west32さん、こんにちは。

一度観た映画って落ち着いて作品に向き合えるのですよね。それに以前とは違った角度(或いは違った想い)で観ることもできていいです。
そして同じところで泣いたり笑ったり、心に残る作品というのはいつ観返してもやっぱり何かを残してくれると思いませんか。(^^)

小説でも、勿論映画でも、以前に触れた時の自分からは確実に時を経過して体験したコトや感じたコトも増えていて、その分作品に「感じる」部分は増えているのだと思います。

さて、お部屋の中にスタンド・バイ・ミーは見つかったでしょうか?(*^_^*)

Posted by ぺろんぱ at 2011年11月13日 15:08

TiM3さん、こんにちは。

『スリーパーズ』は想起しますね、確かに。
あとの挙げておられる作品は残念ながら未見なので何ともコメント出来ないのですが。

鹿のシーンは私も観返すまでは記憶に留まっていませんでした。ほんの短いシーンでしたが何だか凄くいいなぁって思いました。

あと、何といってもテーマ曲がイイですよね。
映画を観終わってからも、長らく聴いてなかったCD(オールディーズのHITS20)を出してきてこの曲を何度も聴き返しました。(*^_^*)

Posted by ぺろんぱ at 2011年11月13日 15:22
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