夏休み映画鑑賞第二弾は、迷った末に前売りチケットを買って意気高揚として?でかけたこの作品、『プロヴァンスの贈り物』(リドリー・スコット監督)です。 於:梅田ガーデンシネマ。
ここ暫く「スーツケースを持つ旅」をしていないなぁと、南仏の風景に癒されてみたいなぁと、映画館の中でゆっくり心を解きほぐした時間を過ごしてみたいなぁと、、、そういう思いで出かけました。
こういうのって「無欲の勝利」で“当たリ”になることが多いのですが、意気高揚となった段階で無欲ではなくなってしまっていたのでしょうか、結果的には当たることなく終わりました、私には。
story
巨匠リドリー・スコットが、30年来の友人でもあるピーター・メイルのベストセラー小説を映画化、ロンドンの敏腕ビジネスマンが、南フランスの地で人生を見つめ直す様を描く。
『グラディエーター』でもスコットと組んだラッセル・クロウが主人公のビジネスマンを演じ、主人公の少年時代を『チャーリーとチョコレート工場』のフレディ・ハイモアが好演。
ロンドンの金融界でトレーダーとして多忙な日々を送るマックス(ラッセル・クロウ)のもとに、10年も疎遠にしていたヘンリーおじさん(アルバート・フィニー)が亡くなったとの知らせが届く。遺産を相続することになったマックスは、ヘンリーが住んでいたプロヴァンスのぶどう園を訪れるが……。 (シネマトゥデイより抜粋)

映画『サイドウェイ』でも似たような事を感じたのですが、ハリウッド映画でフランスとワインと恋を撮ったらこんなふうになるのだろうかと いささか興醒めの感有り、でした。
かといって私は別にフランス通でもヨーロッパ映画通でもないので何がどう違うの?と言われても明確に表現できませんが、端的に言うと「(折角の食事を)落ち着いて味わう間もなく終わってしまった」という感じでしょうか。
ゆったりとした南仏の風景に癒されることなく終わってしまったことは残念です。それら風景と登場する人々との“触れ合い”のようなものが余り感じられなかったです。
それから登場人物の誰もに深く共感する事がなかったことも。
主人公のマックスは子どもの頃から小生意気で(まぁそれはいいとしても)、気に入らないことがあるとモノに当たったり相手をののしったり実に“ガサツ”で、大人になってもお金は稼いでいるが振る舞いに終始ゆとりがなく、彼が何か立ち居振る舞いをするたびにバン!とかバキン!とか(車が高速で走る)ゴーッビュビュー!とかいう効果音が常に付きまとうのには段々辟易としてきまして。(それはもともと「癒されたい」と勝手に思いこんで観にいってる私が悪いのですが・・・。)

彼が恋をするファニーという女性も、最後に彼女の「決して平易ではなかった人生」をちらと思わせるシーンもあったけれど、恋に臆病になるほどに彼女がヘヴィーな感情を抱いていたかといえばそういうものは何も感じ取れなかったですし、突然出てきたヘンリーの実娘も何処から来て何処へ行こうとしていたのか今ひとつ掘り下げられておらず(でもとってもキュートでした)、先ず一番に、マックスの生き方をも変えるほどの「想い出」を紡いできたらしきヘンリーおじさんに、その人間的魅力(一人の人間の今後を変えるほどの)が強く伝わってこなかったのが残念です。
何によって彼が大切な事に気付き、何が彼にそれを選ばせるにを至らしめたのか・・・トレーダーとしての生き方も、頂点に立った者
として捨てがたいものがあったはず。
最後に彼がピカソの原画を巡って経営者と交わした言葉のやり取りが非情に秀逸だっただけに、そこに至る展開が安易すぎたのも釈然としませんでした。
ワインもね、もう少しワインを愛おしく飲むようなシーンがあれば良かったのにと思います。
ワイン農場を半生捧げて守ってきたような人達なのに、単なる小道具の一つとしてしか扱われていなかったのではないでしょうか。
(田崎さんが監修していらしたようですが)

思い入れが強すぎたのでしょうか。
リドリー・スコット監督が「肩の力を抜いて演出した」というのなら観る側ももっともっと肩の力を抜いて観ればよかったのでしょうね。
う〜ん・・・・とはいってもどんな映画も何処か素晴らしいことはあると思う私なので、最後に一つ書き添えます。
大好きな作家である村上春樹氏が「どんな文章もある一定のインターバルを置いて書いた方がいい。その間に沈むものは沈んでいき、浮かぶものは浮かぶ。」と某著に書いていましたが、そうであるなら、今こうして映画の感想を書いていて心に浮かんできたのは、ストーリーでも登場人物のアップでもなく、プロヴァンスの「黄金色に染まった空気」だと言えます。

癒されてないなんて書きましたが、あの空気の色、そわそわと木々を揺らしていた風の質感?みたいなものが効果的に描かれて、実は少なからず癒されていたのかも知れませんね。
さて、実は癒されていたらしいと思えること。
映画鑑賞後日の赤ワインで、奇しくもフランス南西部のワインなのです!(人生は繋がっている・・・。)

ワイン好きの友人からいただいたものなのですが、フランス南西地方の地場品種<タナ>という一般的には珍しいブドウを使ったもので、タナ種100%ではクセもある為メルロー種と半々にブレンドして作られたとい赤ワイン<ブリュモン VDP ガスコーニュ>がとても美味しく、この映画の後だったからこそより一層の感慨で味わえたのだと・・・。
ラベルもなかなか渋いでしょ?
飲んでしまった後でワインの色の画がないのが残念ですが、かなりの濃い色調とメルローと力強いタンニンが魅力(メルローとのブレンドでクセは丸くなっているらしい)の美酒でした。

蛇足ですが・・・

あらら、この映画かなり期待しているんですけど。。。微妙みたいなんですね。。。
グラディエーターと同じコンビだから息は合ってるんだろうけど、あまりにもテイストが違ったんでしょうかね┌|∵|┘w
>東野幸治に激似の敏腕(しかし性格は悪そー)トレーダー
お〜、それは必見 笑
この映画はダイアン・レインの「トスカーナの休日」みたいなのかしら、と思っていましたが…うーん。やっぱりリドリー・スコットだから?なんでしょうか。
しかし東野幸治に激似のトレーダーっていう
のがとても見たいですねー(笑)
ブリュモンのガスコーニュなんて、さすがぺろんぱ様です。たぶん、映画よりワインの方が美味しかったと思われます!
。
かえって英語でない部分(本来の会話部分)が不自然に感じるくらいに。
それもあり、と納得できるものもありますが・・・。
どうなんでしょう・・・(自問自答中)。
ビミョ〜でした・・・が、しかし、いいと思う人は絶対いるはずです。私の崇める映画評論家のS氏も某誌で誉めていらっしゃいました。
是非ご覧になってみてください。(^^)
東野さん・・・眉間に皺を寄せて「口角泡を飛ばす」みたいに喋るところもそっくりでした。が、「似て非なるもの」の典型かも知れませんね(^_^;)。
ご覧になるならそこんところもご確認をヨロシクです。
『トスカーナの休日』の方が(ダイアン・レインファンということもあったかもしれませんが)心には残る作品になったと思います。
しかし先述もしましたが、佳作品として評しておられる人も多く、私が“(精神的)枯れ人”だったからそう感じてしまったのかもしれません(+_+)。
ワインに関してはoblioさんの見解をお伺いしたいくらいです!
マックスは子どもの頃からワインを知っていただけに味わう舌は持っていたようですが、それなりのワインへの心酔振りを観たかったような気がするんです。
ブリュモン・ガスコーニュはなかなか美味しかったですが(^^)。
>という感じでしょうか。
↑言い得て妙ですね。
幅広い作品を撮っているリドリー・スコットが監督でハリウッド映画、
という先入観でそんなに期待してなかったせいか、
娯楽的にはまぁまぁいけてるかなぁという印象でした。
もともとラッセル・クロウが好きになれないので
(それでも魅に行く私もなんだかなぁ)
ラブシーンには正直辟易としましたが、
ワイン農場で働く家族達が楽しくて、結構笑えました。
それからやっぱり、表現できない程微妙な色彩に染まる風景達が
目に焼き付いて素敵な映像やったなぁ。
いい素材を活かしきれなかった、という感じでしょうか?
ところで、ぺろんぱさん私も是非リンクさせて下さい!
酷暑続きでしたが、お身体の方は大丈夫でしょうか?
この作品は鑑賞前の為、レビューの拝読は我慢がまん!
でも、太字の「結果的には当たることなく...」を見てしまいました〜
予告編では、風景や雰囲気がいい感じでしたね。
んんん〜、やっぱり気になるので 観に行こうと思います!!(笑)
リンクの件、光栄です!ありがとうございます。(;_;)ウルウル
実は私も、かなり前からお願いしようと思っていたんですが、
何せ小心者なので言い出せず...。
なので、と〜っても嬉しいです!今後ともよろしくお願いします。
私はこれ、思いのほか気に入りましたー。
小ネタの充実ぶりとテンポのよさとにじみ出るテーマ性に心つかまれました。
本作はワインそのものよりもブドウ畑がいとおしかったですぅ。
あ、それで、リンク、ありがとうございました。
で、すみません。ブログタイトル長くてゴメンナサイなのですが
2行になるのは免れないようなので、「CINEMATIC ODYSSEY」と、"TIC"を足していただけると幸いですー。
本当にそうなんです、ゆったりした気持ちで観れば良かったのだと思います。
それからゆるりさんの仰る「微妙な色彩の風景」・・・これを出せるのはやはり力量なのでしょうね。
リセットしてもう一度見れば印象も変わるかもしれません。
ところでリンクの件、どうもありがとうございます!ヨロシクお願い致します。
酷暑続きの夏は・・・・Beerで乗り切りました!?
さてさて、この作品はちょっと前のコメントにも記しましたが私の崇める映画評論家のS氏も(って誰やねん、それっ!)誉めておられたので、多分anyさんがご覧になっても何かをキャッチされることと思います!貴ブログ記事を楽しみにしています(^^)。
リンクの件、ありがとうございます!
今後とも本当にどうぞ宜しくお願い致します。
はい!「TIC」を加筆致しました!
それと、この作品、実は「良かったよ」という御方も多く、私としてはこんな風に違う意見でも交換し合える場を持てたことがしみじみ嬉しい今なのです。
今後とも(もしも見解は違えども)どうぞ宜しくお願い致します!
ようやく観に行けました。
現在のマックスより、少年時代の回想シーン
そして、ワインより葡萄畑が印象に残る作品でした。
鑑賞後は、意外にも清々しいキモチに...
映画館で観れて良かったです!
ところで、ぺろんぱさんは、神戸の劇場でも鑑賞されているようですが、
駅周辺で美味しいランチのお店をご存知ありませんか?
来月、神戸へ遊びに行く事になりまして...
映画の話から逸れてしまい ごめんなさい。<(_ _)>
清々しい気持ちで観終えることがお出来になったなら何よりです。
結局、観終えた後の感覚・・・それに尽きますよね。
ところで、「ランチ」というのは私の不得意分野ですが(飲み屋さん?なら得意ですが・・・^^;)じっくり考えてみると、一軒だけですが何とかご紹介できるところがありました。
でもいつも混んでいるので入るのに容易ではないと思います。
JR三宮から徒歩5分。神戸国際会館11Fの映画館・神戸国際劇場すぐ横の<ガーデン・レストレン TOOTH TOOTH >と云うところです。お天気がよければ文字通り“ガーデン”を見つつ食事の出来るカフェ風のレストランです。でも混んでてちょっと狭いかもしれません。・・・ごめんなさい、こんなことしか言えなくて。多分もっともっと良いランチのお店はあるはずです、私の言ったことは御気になさらずにね。
しかしながら、どうぞ良い神戸の旅を!!
お店情報、ありがとうございました!!
早速、HPでチェックしてみると 何て素敵なお店なのでしょう!
こちらでは、こういったタイプのお店が殆んどないので(悲)、
是非行ってみたいと思います。
教えて下さって 本当に感謝です☆
今日は『ボルベール』を観てきました。
...で、また泣いちゃいましたよ。(^^ゞ
感想がたまっているので、アップしたら又伺いますね!
『ボルベール』のレヴュー、楽しみにしております!