マイライフ・アズ・ア・ドッグ。
前回の『スタンド・バイ・ミー』に続く、「処分する前にもう一回観ておこう」のシリーズ第2弾。・・・って、シリーズ化なんてしてませんね。
しかし本作もVIDEO録画して以来、いったい何年ぶりの再鑑賞なのでしょう。そして、実は『スタンド・バイ・ミー』を観た時にこの映画をふと思い出したりしていたのでした。
1950年代のスウェーデンの田舎町を舞台に、少年イングマルの切ない思い出を軸に、村人や少女との触れ合いとイングマルの成長を美しい映像で綴った物語です。 監督はラッセ・ハルストレム、1985年のスウェーデン映画です。

※画像は映画情報サイトよりの転載です。
「食べ物がなくなるまで地球を五カ月回って飢え死にしたライカ犬よりマシだ」と自らの今を慰めるイングマル少年(アントン・グランセリウス)。
先ず冒頭のこの台詞が胸を締め付けます。
イングマル少年への想いというより、スプートニク2号に乗せられ宇宙へ飛ばされたライカ犬への想いで。
地球初の宇宙飛行生物となったこのライカ犬の“本当の末路”が詳らかにされた今は特に。安楽死なんて嘘だったんだね。
長い時間をかけて飢え死にするのも壮絶だけど、ほんの数時間で過度なストレスと熱射によって迎える死というのもあまりにも強烈です。
しかも宇宙という「絶対的孤独」の中で、です。改めて人間の傲慢さを思い知らされ、身悶えするほどつらくなります。先ずは、かのライカ犬へ「哀悼」。
全編瑞々しさがほどばしる若い果実のような輝きを持った本作。
イングマルには、大切なものとの別れが二つやって来ます。母親と可愛がっていた飼い犬のシッカンです。
終盤にイングマルが「シッカンに言いたかった、殺したのは僕じゃないって。」と泣くシーンは、私の中で最も涙を誘い、且つ最もイングマルが愛おしくて抱きしめたくなった瞬間です。
地球への帰還不可能を前提に打ち上げられたライカ犬を「殺したのと同じだ」と言っていたイングマルだったから。
苦難の連続のイングマルですが、彼には出会いもたくさん訪れます。
それがこの映画の肝所です。
様々な出会いと様々な体験がイングマルを成長させてゆきます。大好きなママとシッカンはいないけれど、取り巻く新しい世界が彼の未来を無限に広げてくれる時がやって来ます。
ガキ大将のようで実は繊細な少女サガ(メリンダ・キンナマン)との出会いは特に光ります。
フリルのついたドレスから細い脚をのぞかせたサガのなんと愛らしいことか。そんなラストは甘酸っぱいような感慨に包まれます。
住人すべてが一つの家族のような小さな田舎町は、何処までも大らかで温かい。幾つもの小さな息遣いが確かに聞こえた、瑞々しさに満ち溢れた佳品です。
・・・最後にちょっぴりでもイングマルのお兄ちゃんの心の成長がみたかったけれどね。観返してみた今もやっぱりそれが心残り。

寒くなってきましたが、この日は地酒アイテムが豊富なお店でしたので冷酒を。
画は醸し人九平次・純米吟醸です。
映画館で直近に見たハルストレム監督作品は
ヒース・レジャー主演の「カサノバ」なんですが、
それも今となっては懐かしい気がします。(ヒース!)
ところで、「処分する前に…」ってどういう事なんでしょうか?
本当に処分してしまうんですか?!
それともDVDにコピーし直すという事でしょうか?
『スタンド・バイ・ミー』の記事に何かヒントがあるかも。
今から伺ってきます。ではでは。
ゆるりさん、再びこんばんは。
こちらにもお越し下さりありがとうございます。
この監督さんの作品は劇場鑑賞では『シッピングニュース』が私の直近鑑賞作です。『カサノバ』は未見です。ヒース!(と、同じように叫ばせて頂きました。)
そうなのですね、ヒース主演作品だったのですね。
同監督との私の出会いは劇場で観た『ギルバート・グレイプ』でした。
『マイライフ・・・』はその後の出会いですが、サガのこととやイングマルのライカ犬への呟きが凄く心に残った作品でした。
処分というのは、いずれもずっと以前に録画したビデオソフトなので(40本くらい)、また観たくなれば画像のしっかりしたDVDをレンタルすればいいかと思って本当に処分する積りでいました。何本かは人にあげたりしましたが処分してしまうのもスッキリしていいかしら、と。でも何本かは遺しておくかもしれませんね、思い切りの悪いぺろんぱです。
本作はBSでだったかな? 観た覚えがあります。
サガが可愛くて、好きになりました。サッカーとかしてるシーンが
ありましたっけ?
ハルストレム監督は・・かつては“名作保証人”の名を欲しいままにして
はったんだけど、近年では『ハチ』とかを手がけてて「ご乱心か?」と
思ったりしてしまいますね。
復活をお祈りしたいモノです(・ω・)
サガがイングマルや他の少年達とサッカーをしているシーン、確かにあります!
男の子にしか見えなかったサガを女の子と知ったイングマルがビックリしていました。(^^)
『HACHI』は私はTVで観ました。
私はラストでかなり泣いてしまいましたが。
そうもああいうのはつらいです。
>復活をお祈りしたい
でも一作でも「参りました!」的な作品があればもう“永遠のひと”として心に刻まれてしまいそうですが。(*^_^*)