2012年01月16日

月光ノ仮面


梅田ブルク7で『月光ノ仮面』(板尾創路監督)観てきました。

ネット上(新聞某紙も!)での酷評にもめげず本作を選んだのは、ひとえにストーリーの行方に興味があったからです。
氏のデヴュー作『脱獄王』未見の私は、板尾監督作品は今作が初体験となります。

story
  敗戦の傷が癒えぬ昭和22年。戦死したと伝えられた森乃家うさぎが、顔に包帯を巻き、一切の記憶をなくして帰郷した。彼は戦前、人気、実力共に認められ、将来を約束された落語家だった。その後、記憶は一向に戻る気配はなかったのだが、空ろな口調で呟く話があった。それは、落語“粗忽長屋”であった――。 主演は板尾創路、浅野忠信、石原さとみ。   ※story、画像とも映画情報サイトよりの転載です。

                    月光ノ.jpg   
                  


  好き嫌いに二分される作品なのは分かりましたが、もう少し好意的評価があってもよかったのにと思いました。私は引き込まれて観てしまいました。

「独りよがりで難解な作風」と見ればそうですし、「観る者が自由に空想を遊ばせることができる作品」と思えばこんなに楽しめる作品はないのかもしれません。

古池に浮かぶ一隻の小舟。
その上に白々と照る月。
その月はずっと何日も欠けることなく満月のままでそこに存在している。

一枚のヴェールを被せたような薄ぼんやりとした映像は、現実を非現実の世界へとトリップさせます。このあたりの映像の妖美さは、私は好きです。

衝撃のラスト(「もしや!」と気付いた時にはソレが始まっていました)は、終わってみれば幾通りもの解釈を許します。
解釈というより、私は板尾さんご自身の、何やら自分以外の全てのモノへの「復讐」めいた感情の匂いを嗅いでしまった気がしました。あくまで私の感覚的なものです。
その割にはラストは皆さん満面の笑みでしたけれど、それって「月光仮面は正義の味方ってこと自体が仮面だった」なんていうジョークにも繋がってたりしたんかなぁ(自問)。

古典落語『粗忽長屋』をモチーフにした作品とのことですが、出来上がった作品世界は全く違うものです。勿論、笑える噺でもありません。
私は落語も好きで、何かの本で「『粗忽長屋』の世界を究極まで突き詰めたらそれは精神の病域になってしまう」という意味のことを読んだことがありますが、どちらかといえば本作の世界はそっちの色合いが大きいと感じました。

しかし分かりません。
分かりませんが、なんか逸興なるものを見せてもらったなぁって思いましたよ、私は。
ドクター中松のご登場とあの一言にはぶっ飛びましたけれどね。あれだけはどうにもこうにも解しようがありませんでした。


                        うれし野 山吹.bmp

何にせよ満月は人の心を千々に乱すものなのでしょう。
そういう夜は月を遠くに愛でて、月に酔う前に美酒に酔ってしまいましょう。

淀屋橋<うれし野>さんでの山吹(特別純米酒)です。



posted by ぺろんぱ at 20:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
この作品、観たかったですが・・こちらではまだ
上映してないのです。。

「落語がテーマらしい」とは何処かで読んだのですが・・

記事の拝読は、少し先の事とさせて頂きます(=^_^=)>
Posted by TiM3 at 2012年01月17日 23:22
TiM3さん、こんばんは。

ご覧になるのでしたら、是非またお越し下さいませ。本作に付いては、肯定否定も併せていろんな方々の御意見を拝見したい思いです。(*^_^*)

>落語

テーマではないにしろ、モチーフにはされています。監督の(「粗忽長屋」への)思い入れは感じます。

Posted by ぺろんぱ at 2012年01月19日 00:09
お久しぶりです。気になってた映画です。
なるほどですね。
Posted by 冨鶴高 at 2012年02月13日 00:19
冨鶴高さん、ご無沙汰いたしておりました。 
拙ブログを覚えて頂いてて嬉しいです、ありがとうございます!

これって、結構気になるでしょ? タイトルからして、ね。
ネット上では酷評が目立ちましたが、自分的には観に行って(いろんな意味で)正解でした。(^^)
Posted by ぺろんぱ at 2012年02月14日 06:47
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