「処前観(処分する前にもう一回観ておこう)シリーズ」の第7弾は『ベルリン 天使の詩』(ヴィム・ヴェンダース監督)です。
これはかなり前の古い録画でした。多分民放のミッドナイトシアターか何かでの放映だったか・・・。
1987年西ドイツ・フランス合作の作品。人間を見つめる天使と、人間の女性に恋をし、人間に憧れ、人間としての生を選択する天使の物語です。

※画像は映画情報サイトよりの転載です。
心地よいのです。
流れる詞たち、ヴェールの向こう側で息づいているモノクロームの世界、ひんやりと固い空気感、深く響くチェロの重低音。
語られる言葉を全て咀嚼しようとするなら、形而上的感性とドイツ史への深い理解が必要になるのかもしれません。
しかし、ささやくように、流れるように、紡がれる言葉たちは心と耳に優しく響き、ただ心を空っぽにしてじっとフィルムを追い続けていくだけでこの映画は心地よい時間をもたらしてくれるのです。
初めてこの映画を観た時、なんかすごく幸せな気持ちに包まれたことを覚えています。
観返す度に年齢を重ね違った感慨も味わいつつ、この幸せな想いに包まれるのは同じ。もっと年齢を重ねたら、もしかしたら俗世を離れて天使の世界へ誘われたいという思いの方が強くなってくるのかもしれませんが。
絵になるオットー・ザンダー(天使カシエル)に比して、ブルーノ・ガンツやピーター・フォークという、どちらかといえば濃いイメージの立つ俳優さんが天使・元天使であるというのも面白いです。
地上に下りた天使ダニエル(ブルーノ・ガンツ)と俳優のピーター・フォーク(本人)が「やあ!」といって手を取り合うシーンは、私までワクワクして嬉しくなってしまいます。「色」のついた現実世界に興奮するダニエルは、まるで子どものよう。そういえば、この物語では子どもにだけは天使の姿が見えるのでした。
マリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)との再会シーンで延々と続く独り語り(心の囁き)は、冗長に感じられるかも知れませんが実はこの物語の最大のヤマなのだと感じます。やっと巡り合ってやっと重なる唇。
マリオンは苦悩も喜びも併せ持つ生身の人間として虚飾なく描かれながら、存在はまるで女神のようです。美しく、その名と共に心に刻んだ女性です。
生きることへの静かにたぎる熱情を感じるラスト、深い余韻を残します。

神戸、冬のジン。冷たくてあたたかい。
随分と前に、1度観た限りですが・・
今こそ、ピーター・フォークさんを拝見したいです。
子供たちに「コロンボだ!」とか言われてましたっけ。。
甲冑みたいなのを着て「降りて来る」んだったかな?
だいぶ記憶が薄れてます〜(×_×)
ジーゲスゾイレ(戦勝記念塔)が凄く印象的で
仕事でベルリンに立ち寄った時に塔に上りました。
展望台からはブランデンブルク門や
ポツダム広場も見れて、雨天でしたが
ちょっとだけ天使の気分になりました(笑
TiM3さん、こんばんは。
貴ブログの「バカヤロー!6」に「災難でしたね」とコメント入れさせて頂こうと思っていたところでした。
お車の傷、そして御心の傷は癒えましたでしょうか・・・まだまだ癒えませんよね・・・本当に災難でございましたね。
さて、ピーター・フォークさんのお姿を私も懐かしく見ていました。
そうです、子どもたちに「あ、コロンボだ!」って言われてましたよ。(^^)
甲冑は、空から降ってくるんです。
人間界に降りた天使への餞別?として。
>だいぶ記憶が薄れてます〜
私もです。でも再見すると「そうだそうだ、こんなシーンがあった!」って甦ります。
寒い街角のコーヒーショップで温かいコーヒーを飲むのですが、そのコーヒー代を見ず知らずの青年が与えてくれたのには、何度観ても心がまあるくなります。
お越し下さりありがとうございます。
そうですか・・・uechicchiさんのお背中に羽が見えたのはベルリンで天使の気分になられたからなのですね。(^^)
ジーゲスゾイレというのですね、あの塔。
雨にけむるベルリンというのも風情がありそうです。
私はドイツには未だ行ったことがないので、読ませて頂きながら想像を膨らませて、私もちょっと天使の気分になってみました。
uechicchiさんやお仲間でいらっしゃるローラーさん?のブログはいつも楽しく拝見させて頂いていて、コメントさせて頂きたいと思いつつ挫けてしまっておりました。
今度はコメントさせて下さい。
今宵はどちらでお背中の羽を休めていらっしゃるのでしょうね。(^^)