2012年03月28日

靴をなくした天使 (久々の再鑑賞)



  「処前観(処分する前にもう一回観ておこう)シリーズ」の第9弾は『ヒーロー 靴をなくした天使』(スティーヴン・フリアーズ監督 1992年作品)です。
ここのところ劇場に行けていません。もう少ししたら・・・と思いつつ、昔の作品を先夜に再鑑賞です。

story
  炎上する飛行機事故の渦中に、偶然そこに居合わせた名も知れぬ人物が危機に瀕する乗客たちを救出して消えた。乗客の一人だったTVレポーターは、この謎の人物を希代の英雄として追跡しようとする。が、その人物はただのしがないコソ泥だった…。

                         靴をなくした天使.bmp
                   ※story、画像とも、映画情報サイトよりの転載です。


  ダスティン・ホフマンのシルエットって哀愁ありますね。
コミカルで一つ一つの動作がゼンマイ仕掛けの人形みたいに見える時があるのですけれど、本作でも、飛行機事故に居合わせてしまって不本意ながらも??乗客を助けることになってしまったバーニー(ダスティン)が事故現場で右往左往しているシルエットが、コミカルであると同時にすごく切ない感じがして。
かたや乗客を救ったのは自分だと名乗り出るホームレス男ジョン・ババーを演じたアンディ・ガルシアも、貧困の極みで薄汚れた格好なのに何処からともなくモテ男オーラが立ち上がっていたのは、それはそれで本作のプラス要素になっていたと思います。


「誰でもヒーローになれる。
 でも、誰でも、ヒーローである部分とそうでない部分を持っている。」


このジョンの台詞は的を射ていて、ヒーローである部分にスポットライトが当てられてしまったジョンは国民的英雄になり、そうでない部分しか他人に晒されなかったバーニーはただの情けないダメ人間という烙印を押されてしまいます。
しかしバーニーはスポットライトの当たらないところでジョンを救うことになるし、そうでなくとも、最愛の息子にとっては“たったひとりのヒーロー”であることに変わりはないのです。ジョンはジョンで、永遠に誰もが望む国民的ヒーローであり続ければいいのです。そうすることで多くの人間が実際に救われるのだから。
「どれもが真実」であり、また、言い換えればそれら全てが「一つの真実」なのではないでしょうか。

視聴率のためなら真実などどうでもいいとするマスコミの姿勢が本作では痛烈に皮肉られていますが、人々が望み憧れ描くヒーロー像をマスコミが望み通りに提供しているのだとしたら、本当に皮肉られているのは我々人間の他者によって救われたいと願う本質の方なのかもしれません。


ジョン・キューザックのお姉さんであるジョーン・キューザックもご出演で嬉しいところですが、TVレポーター・ゲイルを演じたジーナ・デイヴィスもなかなか素敵です。
終盤の、彼女とバーニーの密室での会話がイイですね〜、シンプルな会話なのですけれどね。
ゲイルが仕事へのプロ意識を持つ女性であったこと、真実を見落とさない好もしい女性であったことに安堵するとともに、バーニーがやっと言えた一言がとにかく嬉しかったです。ラストの動物園のシーンは敢えて描かず、あそこで The End にしてほしかったかな、というのが正直な感想でもあります。

いずれにせよ、ダスティン・ホフマンの魅力全開の一作であることは違いありません。


                        ロイヤルビター.bmp

  ビターな味わいのヒューマンコメディっていうところでしょうか、本作。
こちらはいつだったか写真に撮っておいた期間限定発売だった Beer <ロイヤルビター> です。 仕事帰りのコンビニで見つけて買ったものでしたが、もうとっくに販売期間終わってるやん! 今更ながらの掲載で申し訳ありません。 そしてお味は・・・ビールの苦味は大好きですが、ただ単に苦味足したらええっちゅうもんでもないんとちゃいますか??的な感想だったと記憶しています。 


posted by ぺろんぱ at 00:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
お〜!この作品こそ、ハートフル・コメディのなかで一押し作品です(笑)
泣いて笑って最後はハッピーエンド!
いいですよね〜(笑)

ゼンマイ仕掛けのダスティン・ホフマン!
『レインマン』もその兆候が見られますよね(爆)
うちの会社にも夕方定時近くになると、ゼンマイが切れそうな動きになる社員がいます。
Posted by ituka at 2012年03月30日 00:09
itukaさん、こんばんは。

そうなのですか〜、itsukaさんの御推奨作品でしたのですね〜、よかったです。
最近ちょっと公開作に行けてなくて旧作の再鑑賞でお茶を濁して??おリましたので、お越し頂けてとても嬉しいです。

>『レインマン』もその兆候が

おお〜、レインマンも見応えアリの作品でしたね〜。そういえば、『トッツィー』でも高いヒールを履いた彼の動きがゼンマイ仕掛けっぽかったような・・・。ダスティンの映画って彼の存在感で語られるものが多いのかも知れませんね。(*^_^*)

>ゼンマイが切れそうな動きになる社員

はい、私も切れそうになりながら、「定時を過ぎたら呑みに行ける!!」とゼンマイを巻きなおす日々でございます!

Posted by ぺろんぱ at 2012年03月30日 21:05
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