「処前観(処分する前にもう一回観ておこう)シリーズ」の第10弾は『恋する惑星』(ウォン・カーウァイ監督 1994年作品)です。
これは改めて「もう一回観ておこう」という気合を入れるまでもなく既に何度か観返している作品です。大好きだという人も多いでしょうね。
恋愛物語なのに衝撃的ともいえる作品。ウォン・カーウァイ監督の御名を広く知らしめた映画かと。
story
麻薬取引にかかわる金髪の女ディーラーと、恋人にふられ落ち込み気味の刑事モウとの不思議な出会い。そして、モウが立ち寄る飲食店の新入り店員フェイと、スチュワーデスの恋人にふられる警官との出会いとすれ違いという、平行線をたどる二組の男女を描いた物語。
※story、下記の掲出画像とも、映画情報サイトよりの転載です。


オープニングの異国的空気感が満載の音と映像は何度繰り返し観ても脳内の神経細胞を刺激します。物語導入への期待感を高めてくれます。
その時点で既にカーウァイ監督の術中に嵌まってしまってる感じがします。
犯罪の匂いが染みついた薄汚れた夜の香港の片隅で意外にも純な恋心が小さく芽吹いた第一部(金城武×ブリジット・リン)。二人が再び出会い芽吹いた恋を花咲かせることはおそらく「無い」と思われるのに、見えないほどに薄く細い糸の存在を感じる雨のラストシーンは淡く美しいです。
日中の喧騒と雑踏の香港で男女の恋心のウェーブが微妙にすれ違う第二部(トニー・レオン×フェイ・ウォン)では、再び出会った二人の恋がやがては一つになりそうな、微かな(しかし確たる)予感に包まれて終わります。
好きなのは第二部。
トニー・レオンが好きだから、というのもありますけれど、とにかくフェイ・ウォンがとってもキュートで魅力的なのです。
音楽もイイです。この映画を観て即、ママス&パパスの『夢のカリフォルニア』のCDを買いました。エンディングで流れるフェイが歌う『夢中人』も最高にチャーミングな曲です。
警官663(トニー・レオン)から念願のデートに誘われたフェイ(フェイ・ウォン)だったけれど、あそこでカリフォルニア行きを決めたのは彼に恋する想いが強かったからこそのことと何となく同性として解った気がしたものでした。それは年月を経て観返してみても同じ。今のこの年齢になっても「何となく解る」という想いに浸らせてくれるこの映画、すごいです。
第一部と第二部は別の物語ですが、同じ頃に同じ飲食店を軸に展開し、主演の男性二人はともに警官です。
第二部の警官663(トニー・レオン)と彼を振るスチュワーデス(チャウ・カーリン)が第一部にそれぞれ一瞬ちらっと登場しています。
躍動感に満ちてスタイリッシュに展開してゆく映像のなかにちょっと遊び心も感じられて心憎い。
あー、トニー・レオン様の白いランニングシャツと白いブリーフ姿は、初め戸惑いを覚えつつもそれはそれでなかなか素敵に見えます、はい。
同じ構想で撮られたといえる同監督の『天使の涙』は確か観に行ったはずなのに、何故か殆ど思い出せない。録画撮りもしていない。
それだけこっちの方が(自分には)断然面白かったということなのでしょうか、、、それにしても気になってきたのでいつかレンタルして観返してみたいです。

久々に黒糖焼酎のロック。 ごはんや一芯にて。
黒糖焼酎の濃いのはラム酒の香りを感じますね。
この作品でトニー・レオンにもやられましたが、
私もフェイ・ウォンのステキな歌声に惹かれて、以降MDにたくさん録り溜めました〜☆
のびやかで、艶やかな高音・・大好き♪
好きなものでも、いつか捨てていかなければ新しいモノを置くスペースが無くなっていくのですよね。
いつかは、色んな物にそれはあるわけで、思い切れるってことも大事ですね・・・*
嬉しかったです。
この映画、好きです。漂う孤独感と夜の光が幻想的ですよね。どことなくお洒落で寂しげで惹かれます。私もトニーレオンのストーリーが好きです。
マイブルーベリーナイツも似てると思っていたけど
やっぱり同じ監督だったんですね。(今頃気づくな。。って話ですが)
彼女の透き通る歌声はほんとに心地良いです。
そのフェイが主演するということでこの映画観ました!
恋する女の子の気持ちが可愛らしかったですね。
曲は夢中人でしたか、今も聴いてて飽きないです。
そうでした、金城武クンのフェイスにまだ初々しいあどけなさが感じられた作品でしたねー。しかし全力疾走でホシを追いかけるシーンなんかはエネルギッシュで画的によかったですよね。(*^_^*)
フェイ・ウォン、この映画の後も広く御活躍の歌姫だったのですね・・・ネットで調べてみたら中島みゆきの『ルージュ』のカヴァー曲があるそうで、聴いてみたい!と思っている今です。
>思い切れるってことも大事
はい。手に取ってそれにまつわる過去の思い出を凝縮させる一瞬を楽しんで後に・・・思い切りたいと思います。ありがとうございます。(*^_^*)
れいれいさん、こんばんは。
こちらこそ、先日の“ばったり”は感激でした。(*^_^*)
>漂う孤独感と
そうですね、なるほど、「孤独感」が漂ってましたね。香港という都会の中で、それは“いや増す”感じでしたね。
そうなのですよ〜、マイ・ブルーベリー・ナイツも同監督作品です。「似てる」ってお感じになられたのは凄いです!れいれいさん!
あの作品もスタイリッシュな一作でしたね〜。
トニー・レオン、いいですよね。(*^_^*)
Jupiさん、こんばんは。
そうですか、Jupiさんはシンガーとしてのフェイ・ウォンが先だったのですね。(*^_^*)
私は恥ずかしながらつい先ほどネットで調べるまではフェイ・ウォンの歌手としての御活躍ぶりを知りませんでした。遅まきながら、ちょっと後追いしてみたく思っています。
「夢中人」は、ホント、おっしゃる通り今聴いてても新鮮な感覚に浸れますね。
「処前観(処分する前にもう一回観ておこう)シリーズ」が、
一瞬「処刑観シリーズ」に見えました(×_×)
本作、やたらと長いエスカレータのシーンが妙に印象的でした。
ウォン河合(←違!)+クリドイ(←撮影)のコンビの才能がスパークしとる
感じでしたね。
1994年の作品なのか・・『レオン』『ガンプ』以外にも、色々と豊作だったんですね、この年(・ω・)
>一瞬「処刑観シリーズ」
あ、それ面白いですね。(^^)
見た後処分するっていうのは意味合いからするとある意味「処刑」なのかも。
そうです、やたらと長いスカレータが面白いアイテムとなってる第二部です。
そうなのですよね、ウォン河合(←これも傑作ですね!)+クリドイコンビは次の作品の『天使の涙』でも炸裂してます。
そういえば、このクリドイさんは結構イイ作品を撮影担当されているのですよね〜。数で言えば、カーウァイ監督作品よりクリストファー・ドイルさんのカメラワークの作品の方が鑑賞数は絶対的に多いわけですしね。
>1994年の作品なのか・・
そうなのです。日本公開は1995年でしたが。
『ガンプ』って『フォレスト・ガンプ』ですよね?あー、あの映画も懐かしいですね。
束の間ですが、久々にブログ界を徘徊できる喜びに浸っております。
なんとも嬉しい作品を挙げて下さってるのを発見して、早速お邪魔させて頂きますね。
この作品は香港映画に嵌る切っ掛けになった作品です。
ぺろんぱさんはやっぱりトニーさん派なのですね(*^^*)
ふふ レスリー派ではないだろうなと秘かに思ってました(笑)
勝手にごめんなさい。
私にとってはウォン監督はどの作品を観ても、音楽の使い方がとても上手いところが印象的です。
そして、人物たちの各々すれ違う視線でありながら求め合っている姿も共通している気がします。
ぺろんぱさんの文章を拝読していて、『夢のカリフォルニア』、あの胸がキュンとなるメロディが恋しくなりました。
まだ少しバタバタしてますが、またお邪魔させてください。
慌ただしい中、お越し下さりありがとうございます。(*^_^*)
私も一週間ぶりにPCでブログ界を徘徊の今夜です。
はい。私は「トニー様」です。(*^_^*)
といっても作品を全て観ているわけではありませんよ。観ていない数の方が多いかも。その点、あぶくさんの“レスリー心酔度”とは雲泥の差があると存じます〜。(^^)
初めて知ったのは『非情城市』でした。ああ、あの作品もまた観返してみたくなってきました(*^_^*)。
そうそう!仰る通り、音楽が効いていますよねー!
『夢のカリフォルニア』はなんといってもメロディですが、歌詞もちょっと意味深で不思議な余韻を残しますよね。
あぶくさんの「良きこと」が早く大きく花咲いて(?、すみません、勘違いなこと言ってるとしたらごめんなさい)、またゆっくりとお越し頂ける日を待っております。