連休が続くとなんだか嬉しいです、小市民的に。
今週の一本は、昨日22日(土)、これまた前売り買って楽しみにしていた『めがね』(荻上直子監督)を梅田ガーデンシネマで。
story
海辺の町を訪れた主人公の女性を中心に、そこで旅館を営む宿の主人、旅館に集う人々などの穏やかな人間模様をつづる。
監督の荻上直子を始め、大ヒット作『かもめ食堂』のスタッフが結集。
海辺の小さな町にやって来たタエコ(小林聡美)は、素朴で小さな宿・ハマダに到着。宿の主人・ユージ(光石研)とその愛犬・コージ、さらには不敵なほほ笑みをたたえた女性・サクラ(もたいまさこ)らに出会う。何日かを過ごしたタエコは、マイペースに明け暮れるハマダでの毎日に違和感を覚え、別の宿へ移る決心をするが……。 (シネマトゥデイより)

癒しを求めて行きました。で、・・・癒されました。
深く細かく考えないで、な〜んにも考えないで(考えると疑問難問は尽きません)波音と風のそよぎに身を任せてください。
「海辺って何処なんだろう、此処は」と思っていましたら、エンドロールで流れた情報によれば此処は与論島でした。
緑色の海、サンドベージュの砂浜、少し霞んだような薄青色の空、風にそよぐ植物、そして何より心地よかったのは微かに聴こえる波の音でした。
そこで“たそがれる”人達は“いわく有り気”でいて、でも結局は殆どその人生背景については何も語られません。
何処からか其処に集まってきて、其処で人生、というか「時間」を過ごしている、その世界観だけが表現されています。
タエコが「先生」と呼ばれる(自由業的)職業で、(恐らくは)何かに煮詰まって携帯電話が通じない処へ行きたいという理由で其処を訪れたということは分かるけれど、それが具体的にどういう背景なのかは分かりません。彼女を「先生」と呼ぶヨモギ君(加瀬亮)との関係も。
仙人を思わせるサクラさんって何者なの? とか、ユージさんには過去に何があったの?彼が待ち続けるものって何なの? とかね。
でも「何だかそんなのどーでももいいかぁ」って思ってくるくらい、のんびりゆっくりそよそよした時間が流れていました。
何かをする時に理由付けしないっていうのかな・・・理由付けが要らないっていうのかな・・・そんな感じになります。

ハマダと対極的に描かれるもう一つの宿・マリンパレス(!、薬師丸ひろ子がちょい役ながらいい味出してます)には、そう言う意味で言うなら、恐らくは「何かをする上で理由を明確にせねばならない」と考える真面目な人達が集っていたのだと思います。
マリンパレスのシーンは笑いを誘うシーンだったと思うけれど、何だか私は素直に笑えなかったです。
結局タエコはハマダに戻ってくるわけですが、徐々にではあるけれど其処の空気に馴染んでいくタエコの様子が丁寧に描かれていていいですね。
最初は「ここに住む才能、ありますよ」って言われたタエコなんですが、時間はかかったわけですね。
***実は私はこの台詞にちょっと引っかかってしまったんですが・・・。
初めて訪れた場所で、風変わりな宿で風変わりな宿主から「此処に住む才能がある」なんて言われたら気の弱い私は一気に緊張してガチガチになってしまいそうです。この言葉って凄く排他的、じゃぁここに住む才能もないくらい不器用な人はどうしたらいいのでしょう?「此処に住む」事が選ばれた人にのみ許される、みたいなおごりが感じられて、私にはあの言葉、逆に厳しく感じてしまいました。***
まぁそんな私の捻くれた感想は置いておいて、ユージさんが作ってくれる食事は本当に丁寧で(お料理にはこの丁寧さがとても大切だと思います)、美味しそうで、身体によさそうで、のんびりマイペースではあるけれど、崩していない姿勢はちゃんとある人だと感じます。
浜辺で飲むビールは本当に爽やかにホロ苦味を味わえそうで、サクラさんの作る氷小豆に至っては思わずスクリーンに手を伸ばして食べたくなります。

生きる事と食べる事って密接なのですね、それは原理的な意味に於いてだけじゃなくね・・・。
美味しい物を食べている時には素直に「美味しい」という気持ちに浸れますものね、美味しい食事をした後には、行き詰っていてももしかしたら何か違う道が開けるのかもしれません。
たそがれるって私にも具体的にどういうことか分からないけれど、分からないなりに私もあんなところでたそがれてみたい気がします。
ちょっと立ち止まって、空気と風を感じてみる、食べ物の味をちゃんと味わってみる、歩きたくなったらまた歩き出してみる、そんな映画でした。良かったと思います。
あっ、犬のコージ

時折、画面の左右を横切るんですが、フェードインからフェードアウトまで、その時中央で演じてる役者さんそっちのけで眼がコージを追っちゃうのです。
砂浜を掘ってる姿も何処か哲学的で。観に行かれる方は、最後で明らかになるコージの愉快な秘密?もお楽しみに。
さてさて、この日は私も全ての予定を済ませた夕方からちょっとだけ“たそがれ”に出まして・・・。
海辺でビールというわけにいかなかったので、電車で一駅隣りの某カジュアル系ワインのお店へ。
「たそがれる」ことができるお店の条件としては・・・
@美味しいお酒があって
A女性一人でも入れる雰囲気で
B静かで
Cお店の人が適当に放っておいてくれる
ことでしょうか。



昨日は読みかけの文庫本を片手に、先ずは白のマンシーニをチーズと共に。次は赤のグランジを。
時折は文庫本から眼を上げて眼前に広がるエメラルド・グリーンの海を・・・・・一応、想像だけしてみました。
そうです、この映画は出来ればビール片手に鑑賞するのがいいんではないでしょうか。
私ももう少し涼しくなったら「海辺でビール」とたそがれてみます。一度、友人等と海辺で<テキーラ・ソーダ割り>を楽しんだことがありましたが、たそがれるのを通り越して酔っ払いになりました(^_^;)。
『かもめ食堂』の時もそうでしたが、「音」に癒されたところも多かったです。
機会がございましたら是非ご覧になってください。
そうですよね、「な〜んも考えないで」いい映画でしたよね。
どこから来たとか、何の仕事だ、とかそんなのどうでもよくなるんですよ。
理由とか、そんなのいらないなーーー、と。
私のたそがれ場所は京都の鴨川と、
奈良の二月堂です。
気になるも・・まずは前作からかな・・ってワタシです。
ディカプリオ主演の『ザ・ビーチ』にそう言う“癒し的展開”を望み・・実際にはそうじゃなくて(観てて)疲れたことを思い出しました(⌒〜⌒ι)
(ティルダ・スウィントンは素敵でしたが・・)
しばらく観てませんが・・ワタシの癒し的な1作は小林薫主演の『ウンタマギルー』でしょうかね。
沖縄情緒の漂う、不思議な世界観でした(・ω・)
追記:今夜BS2で『真珠の耳飾りの少女』が放送されます。スカーレットちゃんの彼氏役の青年に注目!(=^_^=)
でも、いかにも癒しを目的としたような作品には抵抗感があって、、、
「かもめ食堂」も観ていないんですよ〜。
私のたそがれ場所・・独身時代に過ごした街も、少し遠くなってきました。
探さなくちゃ。。残念ながら今、安全にたそがれていられる場所がないです(^^;
ホントにこのたった4つの条件を充たしてくれる所がないんですね...残念です〜(><。
京都の鴨川、いいですね。
川で言うと私のたそがれ場は夙川です。
プロフィール写真も夙川沿いのベンチでの一時でした。
舞台挨拶もご覧になってのですね。
大阪は私が観た日の翌日にあったようでした。
ブログにアップされるのを楽しみにしていますね(*^_^*)!
あの海を見て波音が聴けただけでもよかったです。また機会がございましたらご覧ください。
『ビーチ』・・・そういえば怖い映画でしたね。
『ウンタマギルー』は観ておりません、不思議な世界観という記述に惹かれます。<お題>に加えます。
『真珠の・・・』、恋人役はキリアン君ですね(*^_^*)。
観に行った当時は実はキリアン君にはさほど感心が無かったのですが、今観返したら多分
観るところ(喰い付きどころ)が違うでしょうね。情報をありがとうございます!
いかにも、という感じが漂うのは何となく分かります。
その延長線上で、私も「此処に住む才能・・云々」の台詞が引っかかったんじゃないかなぁと考えたりしています。
でもまあこの先にもしもご覧になる気会がありましたら、心地よい<音>を是非楽しんで頂きたいなぁと思います。
自分に合うお店ってなかなか見つかりませんよね。安全にたそがれられる処が早く見つかる事を祈っています(*^_^*)。
ところで、このロケ地は与論島ですか!この映画を観て、その余韻の中、与論島で気持ちよくくつろぎたいですね。
楽しみにしつつ時を計るっていうのもいいものですね。是非のんびりゆっくりと劇場へ足をお運びください。
本作ロケ地は与論の海だと思います(らしいです)。
あの海の色を前に、あの波の音を聴いてビールでも飲んで時に身を任せられたら・・・いいでしょうねぇ。
初日に観て参りました〜。「かもめ食堂」ファンとしては外せない!
「かもめ食堂」の方が評判が良いとのウワサも聞きましたが、私は「めがね」の方が好きかも・・・。
皆さんのおっしゃるように、ある意味突っ込みどころ満載のハズなのに、観ていて「で、誰?」「どうして?」「あり得ない〜!」とか意地悪な(^^; 感情が全く湧いて来なかった。
私自身もすっかり黄昏れてしまったカンジです。
あっついでに、我が家の翌日の朝食は「超和食」でした(笑)
そうですねぇ・・・「かもめ・・・」のスタッフ&キャスト再結集ということでやはり観る眼は厳しくなるのでしょうか。
しかし猫事情で旅に出られない身としてはあの与論の海と波音には癒されました。
おぉ!karcyさん宅の翌日は民宿ハマダ顔負けの和食だったのですね・・・「正しいニッポンの朝食」ですね!素敵です!
今回わたくし、もたいまさこ嬢に癒されましたワン。
ワンと言えば、コージいい味でてましたね! 南の島はやっぱり和犬ですよね。
毛の長い子は暑くて蒸れちゃいますから。
実は「ここにいる才能ありますよ」の発言、
私もちょっと???でした。
宿主が客を選んでいる風に感じられたんですが、
それを表に出したらあかん様な気がしたりして。
他にもいろいろ疑問はありましたが、結局
まっ、いいかと思わされてしまった作品やった気がします。
そうですね、もたいさん演じるサクラさんが一番包容力を感じましたよね。
意志を示したのは唯一、タエコが自転車に乗ろうとする時に無言で(「その大きなスーツケースに縛られていては駄目よ」)と伝えようとしたところくらいだったでしょうか。
だから皆サクラさんを慕って集まってくるのかな・・・。
>南の島はやっぱり和犬
言えてますね(^_^)。
意を決して「バンズ」を観ようと思っていたんですが、
半月以上も仕事漬けの友人のリクエストで、こちらを観てきました。
が、、終って二人とも目を見合わせちゃって、
時間があえば即他の映画を観たと思います(笑)
キャラクターに全く魅力を感じないばかりか
セリフがことごとくダメでした(~~;
この作品の流れで悪者扱いだった(?)薬師丸さんが一番いい味でしたね♪
あと、コージ♪♪
全くセリフが無い方が、むしろ良かった(苦笑)
そうなんですね・・・(^^ゞ まぁkiraさんは初めから抵抗感が拭えないって記しておられましたものねぇ・・・。そういう「相容れない感性」ってあると思います。
でもマリンパレスの薬師丸ちゃんとコージのキャラ?にだけでも好感を持ってご覧になれたのなら「良し」ということで・・・済ませられませんよねぇ、やっぱり^^;。
私はやっぱりあの音ですねぇ・・・あの波の音に癒されちゃいましたが・・・。
では今度はよろしければ『パンズ・・・』の世界へ!(*^_^*)
良かったですよ、気持ちよく寝てしまいました。
私は実は....マリンパレス的な人間だから、ゆったり感の場所にいると堪えられなくなるかもしれません。
私もマリンパレスのシーンは笑えなかった、思わず自分はあちらだから....
>思わず自分はあちらだから
分かります、何となくそのお気持ち、分かります。だから私も笑って済ませられなかったのだと思います。
気持ち良い睡眠タイムになったのならその時は良い脳波が出てたってことで・・・それもアリ!としましょう(^_^)。