いやぁ、ホント楽しかったです

これは『街のあかり』公開を記念して企画されたカウリスマキ特集です。

■KAVCキネマVol.222-2
「カウリスマキのあかり」
日時:9月22日(土)〜10月4日(木)
場所:KAVCシアター
料金:当日1200円均一 「街のあかり」前売or半券ご提示で1000円
私が鑑賞したのはプログラム<D>の<アキ・カウリスマキ・ミーツ・ロケンロール>です。
作品ラインナップは以下です。全て日本公開の際に劇場で鑑賞した作品ですが、改めてスクリーンで観ると感慨もひとしお・・・。
今は亡きマッティ・ペロンパーも出ており、笑いを誘うシーンながら、久々にスクリーンの大画面に映し出される彼の顔に思わず胸が熱く・・・そして目頭も熱くなりました。感涙。
■<アキ・カウリスマキ・ミーツ・ロケンロール>
『トータル・バラライカ・ショー』1993年/フィンランド/カラー/35mm/55分
『ロッキー6』1986年/フィンランド/モノクロ/35mm/8分
『ワイヤーを通して』1987年/フィンランド/モノクロ/6分
『悲しき天使』1991年/フィンランド/モノクロ/6分
『俺(おい)らのペンギン・ブーツ』1992年/フィンランド/カラー/5分

***『トータル・バラライカ・ショー』***
レニングラード・カウボーイズとアレクサンドル・レッド・アーミー・コーラス・アンド・アンサンブルとのジョイント・ライブの模様を描いた作品。後者は、ソ連崩壊によって大量にあぶれた退役軍人と民族舞踏団とで構成された、総勢167名のグループ。ロシア民謡を感傷&ボリュームいっぱいに演奏、“Happy Together”など欧米ポップスの生真面目なカバーも笑いを誘う。最後はノリノリのR&R大会で、楽団員も立ち上がってリズムをとる。(シネマトュデイより)
これはもう本当に(ファンにとっては)楽しいフィルムです。
大阪でのレニングラード・カウボーイズ(以下、L.C.と称します)のライヴを思い出して、私としては踊りだしたくてムズムズしておりました。こういう作品は、出来ることならワンドリンク制にでもしてもらってスクリーン前に歌い踊れるスペースなぞを作ってもらいたいですね。
まぁ実際は映画の上映会なのだからそんなこと出来ないですし、中には静かに微笑んで居住まいを正して鑑賞したい方々もいらっしゃるでしょうから、仕方なく膝を打ってリズムを取りつつ後方の方の御迷惑にならぬ程度に身体をスウィングさせて鑑賞いたしました。
L.C.のメンバーが見せるパフォーマンスが、やる気があるのかないのか、同じフリなのに動きがバラバラっていうのも何だかゆる〜い感じがして楽しめます。



***『ロッキー6』***
シベリアの大喰らいで大男のイゴールが、ジャンクフードでへなちょこになったアメリカのボクサー・ロッキーに闘いを挑まされ、試合前の減量で空腹のイゴールが、その憂さ晴らしにロッキーをこてんぱんに叩きのめし圧勝して国へ帰るお話。
これは「アメリカ万歳!」的なあの名作『ロッキー』に対して、アキがそれをバッサリ切り捨てた作品と言えます。
私個人としてはスタローンの『ロッキー』には涙しましたが、アキはスタローンを「あいつは大バカ野郎だ」って言ってますから。
「どうだっ!」と言わんばかりのアキのフンッ!という鼻息までが聴こえてきそうな先品です。
イゴール(サカリ・クオスマネン)の試合に付きそうマネジャー(マッティ・ぺロンパー)の金満マネジャー振りが面白い!そして派手派手スーツ姿がとっても「It's cool!」です。
***『ワイヤーを通して』***
脱獄した囚人(ニッキー・テスコ)が、追ってくる警察から逃れながら必死の思いで昔の恋人を探し、追っ手に囚われる寸前に現われた恋人に助けられるお話。
「Thru The Wire」を歌うニッキー・テスコの歌声が渋い!(・・・しかし追っ手から逃げてる最中にライヴに出て歌うか!?そういうところも今作の可笑しみの一つ、と言えるでしょうか。)
途中、アキの『パラダイスの夕暮れ』を思わせるシーン(ブラインドを指で引っ掛けて窓外を見やる)があるのにはジンワリと感動。
全編哀愁に満ち、途切れない「Thru The Wire」の曲がドラマ性を大きく盛り上げている、アキ自身は「クズビデオ」と言っているようですが私は本日鑑賞の短編の中では最も好きです。
***『悲しき天使』***
ロバを連れた一人の若きカウボーイ(シル・セッパラ)が故郷のバーを訪れるも其処に同胞は居らず、仲間に入れない彼は入り口で一人藁を炊いて空腹をしのごうとする。そこへバーの店主の妻(キルシ・テュッキュライネン)が現われ、カウボーイの無垢な瞳に惹かれた彼女は夫(マト・ヴァルトネン)に結婚指輪を返しカウボーイと共に別室へ消えてゆく・・・というお話。
プレスリー風(っていうか、プレスリーそのもの)の格好の店主を演じるマトが凄く可笑しいのですが、店内の隅に立ったまま煙草をくゆらせている無言のマッティ・ペロンパーがいます。cool ! です、カッコイイです、涙が出ます。
***『俺(おい)らのペンギン・ブーツ』***
L.C.のプロモーションビデオとして作成されたもの。
生まれた赤ん坊はとさか頭にペンギンブーツで、紛れもないレニングラード・カウボーイ一族。赤ん坊は成長(マト・ヴァルトネン演じる)し、ひと時もウォッカを放さず、問題児となるも幸せな結婚をする。一族の後継者となった彼たが年老いた母親の死をきっかけに生まれ育った土地を離れ一族を引きつれ旅に出る・・・・というお話。
パンキッシュでロックな、でもとてもチャーミングな作品です。
アキの『ラヴィ・ド・ボエーム』や『レニングラード・カウボーイス・ゴー・アメリカ』のパロディシーンが入っているのもとても
面白いです。
12:30上映開始で、終了したのは13:53でした。
あっという間の80分でしたが、スクリーンに蘇った昔のカウリスマキ作品を十分に堪能しました。
ありがとう、神戸アートビレッジセンターさん。

『酔いどれ詩人になる前に』は見送ってしまいましたが、この日は私自身が酔いどれの道??
いえいえ、友人等と共に明るい時間帯の“散歩しながら”の楽しいお酒ロードで、ほろ酔い程度で帰りました。
なかなかチャーミングなお店も見つけたのですが、それは今度またちゃんと画付きで紹介したいと思いますので、今日は先日仕事帰りに見つけた美味しいおつまみのお話をいたします。
仕事帰りに初めて訪れたワインのお店、<バル・マル>(大阪・北区梅田)。
ここは面白いシステムで、その日に飲んだワインを量で測って精算します(その為、ワインの種類は限られてしまうのですが・・・)。
近くで仕事する友人との宴でしたが、彼女も無類のワイン好きで、放っておかれたら最初に供されたマグナムボトルのワインを飲み尽くす勢いの我々でした。
最初は白ワイン、そして赤へと移行したのですが、白の時にオーダーしたディッシュ<白カビのサラミソーセージ>は、カマンベールをもっと濃厚にしたチーズを纏ったサラミのような味わいで、白ワインとベストマッチの一品でした。

猫事情でいつも宴席早帰りの私ですが、この日は早いピッチでぐいぐいグラスが進みまして・・・。予定時刻を過ぎてしまって慌てて帰途に付きまして、電車の中

中でも『ロッキー6』に興味津々ですね♪
私的には、スタロ〜ン自身がこの作品を(実際に鑑賞しないまでも)意識し、それ故にシリーズの新作を『ロッキー・ザ・ファイナル』とタイトル化したのかも・・
とか勝手な妄想をじわじわと広げてしまう次第です(=^_^=)
※スタロ〜ンに対しての「大バカ野郎だ!」は“最大級の褒め言葉”以外の何ものでもないと思われます(爆笑)。
早速のコメントに感謝感激です。
もっと短く、全編一括でさらりと感想を書くつもりがダラダラと長くなってしまいました。(>_<)
バラライカ・ショーの後に突如<ロッキー6>のタイトルが現われるところは鮮烈ですよ(笑)!
作品としても<ロッキー6>はノンストップの流れでノリノリです。
スタローンが意識したとなるとちょっぴり彼(スタローン)に同情もしちゃう私ですが、巨万の富を得たということでチャラにしてもらいましょう。
>「大バカ野郎だ!」は“最大級の褒め言葉”
なるほど、ですね。そのご見解で少しは気が楽になりました。って、私はカウリスマキの何やねん!って感じですね。(苦笑)
ちなみに自分はずっと大阪もんだすねん。(すまん)
このKAVC情報は私も最初は友人から聞いたものです。情報誌では通常の映画館とは違う扱いなので注視してないと見過ごしそうです。
>大阪の人間にヨ−ロッパ映画を好むやつは
私はそれは違うと思うのですが・・・。
大阪で例年のようにヨーロッパ映画際をやってますし、カウリスマキを知ったのも大阪のミニシアターで、教えてくれたのは大阪の友人夫婦でした。あっ、そうそう、ゴダール大好きの大阪の友人もいます。
ビイルネンさんもヨーロッパものにお強いですものね。
ヨーロッパ映画が良くてその他は良くないわけでは決してないですが、大阪人の感性は広くて且つ鋭いと思いますよ。
今回はちょっと知るのが遅かったですが、こんなフィンランド映画、大画面で上映するときはみたいですね。
頭に、チェック項目として残しておきます。
はしゃいで・・・・・・??、はしゃいでたんでしょうね、やっぱり^_^;。年甲斐もなく。
ステージが設けられてなくて良かったです。
調子に乗って歌い踊っていたら今頃はきっと筋肉痛で苦しんでいたことでしょう。(冗談抜きで)
>その強いチカラ頂き
私はちっとも強くないんですよ。自分が安堵できる小さな世界の中でくるくる回ってるだけなんです。
でもwest32さんに「強い力」と言って頂いて逆に強くなったような気分です!
KAVCは大阪方面のお方からするとちょっと遠いですが、時々興味深い企画を組んでおられるようです。私も今回は久々のKAVCでしたが、ヒジョーに無機質ながら相変わらず“ただならぬ気配”の漂う空間でした。
あっ、でもwest32さんも行かれている<ヌーヴォX>ほどディープじゃありませんよ(^^)。
わはは、酔いどれ、見送ってしまったんですね・・・。
でも、アキ・カウリスマキ・ミーツ・ロケンロールっていうのもいいですね。
特集上映の時はどうしても長編劇映画を優先してしまい、一度も見たことがないんですよね。
レニングラード大好きなので観てみたいなー
そうなんです、見送ってしまったんです、わははは・・・。って、ホントはそれをかえるさんのブログに報告しに行こうかと思いながら「なんだ!ぺろんぱは結構不甲斐ない奴だ!」と思われるんじゃないかと小心者の私は勇気が持てず・・・・かえるさんからこちらにコメントいただいてホッとしております。
ありがとうございます。
これらの短編は、ファンでない人が観たら「???」かも知れないですが、かえるさんのようにL.C大好きと仰る御方なら200%楽しめると思います(*^_^*)。
また機会がございましたら是非に。
ぺロンパさんのおっしゃるように、LCは「やる気があるのかないのか、」といった振りはなんか受けました。ペンギンダンス?も。
そうなのです、ふとお邪魔しに行きましたら『L.C.G.A』の記事があって即コメントを入れてしまいました。
LCファミリーが増えそうで(勝手にファミリーにしてスミマセン!)嬉しいです。