2012年07月28日

幸せのちから (BS録画鑑賞)


  随分前にBSプレミアムで録っていた『幸せのちから』(ガブリエレ・ムッチーノ監督)を昨夜やっと鑑賞しました。
いつでも観られると思うせいか、録画したものってなかなか観ないんですよね。

story
ホームレスから億万長者となり、アメリカンドリームを実現させた実在の人物、クリス・ガードナーの半生を基に描く。
骨密度を測る新型医療機器のセールスマンとして生計を立てるクリス(ウィル・スミス)は、大儲けを見込んで買い取った機器を思うように売ることができず、家賃や税金を払えない状態に陥ってしまう。妻のリンダ(タンディ・ニュートン)にも去られた彼は、証券会社の正社員を目指して養成コースを受講しようとするが……。

                      幸せの.bmp
                                 ※story、画像とも映画情報サイトよりの転載です。


これはもう、「ウィル・スミス、ひたすら闘う」の物語でした。
茶化しているわけではありません。実在の主人公クリス・ガードナーに、演じたウィル・スミスに、心から拍手を送りたいです。

幸せのちから。
幸せを掴むちから。
クリスにとって、それは最愛の息子クリストファー(演じるはウィルの実子、ジェイデン・スミス)でした。
クリストファーの存在がなければ、闘うクリスの姿はなかったはず。
クリストファーがいなければリスクを背負うこともなかった反面、高みを目指して闘うことなど決してなかったでしょうね。
格差社会と、そして自分自身と、文字通り「闘う」クリスの姿がここにありました。

ウィル・スミスは、『アイ・アム・レジェンド』での愛犬サムと別れのシーンを観て大泣きして以来、私的に一気に好感度がアップした俳優さんですが、本作でもその真っ直ぐな人間性を伺わせて観るもの全てを味方につけてしまうような魅力を放っています。

貧しさは家庭の不和を生み、クリストファーの教育環境や夫婦それぞれの人生をも蝕んでゆく構図は、負のスパイラルそのもので観ていて怖くもありました。そこから這い出すのは容易ではないことを痛感させます。
これでもかというほどの試練が襲い、優秀で度胸もあるクリスながら、競争原理の社会は彼が容易に上昇気流に乗ることを許しません。

心が折れて当然の状況で、しかし折れないのは、やはり息子クリストファーの存在がもたらす力なのでした。
本作での父性はもの凄いです。
ここ何作か母性を描いた作品を鑑賞しましたが、本作での父性には素直に感動しました。

父子が中心に描かれてはいますが、夫婦の機微も、幾つかのシーンで丁寧に描かれていたように思います。
妻リンダはクリスとの不和で家を出ますが、クリスの人間性そのものへの信頼は決して失ってはいないように感じました。
別れてから一度、クリスがリンダに助けを求め彼女が応じる場面があり、ここでも心を打たれましたね。そのリンダの意にクリスは後にきちんと応えていることも見逃せないです。
メイクダウンで女優としての色香を消して、孤独の中に芯の強さを感じさせた女優タンディ・ニュートンがイイです。


彼は夢を勝ち取ることができたのか・・・。
落涙をこらえ、目を赤く滲ませるクリスの姿に熱いものがこみ上げます。
ロバータ・フラックのカヴァー・バージョン「明日に架ける橋」も、深く深く心に沁み入りました。ぴかぴか(新しい)


                       大七と鱧ちり.bmp

これもある意味、幸せのちから。


posted by ぺろんぱ at 00:37| Comment(6) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
にちはです。

コレ、ワタシもどっかに録画したまま観れてない現状です。。

父子が配給(の列)に並んでるシーン・・とか何処かで観た気はするんですが・・

ウィルスミのヘアスタイルが、ちょっと奇妙でしたよね(⌒〜⌒ι)
普段はああなのかも知れないけど(おいおい)
Posted by TiM3 at 2012年07月29日 10:45
BS録画したまま観なかった作品でいつのまにかハードを捨ててしまったのが『21グラム』(笑)

この映画を見て子連れギャンブラーはドラマチックで映画の題材にはなりますが
実際、身内に居たら嫌ですよね〜(苦笑)

ワタシだったらこんな度胸はないので、堅実に生きて、どこもドラマ性は生まれないでしょう(爆)
Posted by ituka at 2012年07月29日 18:34
TiM3さん、こんばんは。

TIM3さんちのあらゆる処に潜んでいるソフトが「早く観て!ここに居るよ!」と声を発してそうですね!なんだかそれで一遍の映画が作れそうですね〜。

ウィルの髪型、ヘンでしたか??
違和感なく観ていましたが・・・。
確かに、ヒーロー然とした彼ではなく一市民の彼でしたから、パワフルではなかったかも。^_^;

Posted by ぺろんぱ at 2012年07月30日 21:18

itukaさん、こんばんは。

21グラム!
観て頂きたいですね〜、是非!
私は印象深かった作品です。

確かに…実際身内にいたら気が気ではないでしょうね。でもこういうアウトロー的な人って、意外と“お守り的な”存在になるかも。(^^)

>どこもドラマ性は生まれないでしょう

いえいえ、itukaさんのように堅実なお方にこそ、いざという時に劇的なドラマが生まれるものと存じます。期待!します!!(*^_^*)

Posted by ぺろんぱ at 2012年07月30日 21:28
ぺろんぱさん、こんばんは♪
暑気あたりでもないのでしょうが暑さに弱いので少し寝込んでましたが
良くなってまたネットを楽しんでおります(*^_^*)

この作品はTV放映で観て、私も泣かされたひとりです(´艸`)
タンディ・ニュートンと言えば、色々観た気がしますが
やっぱり一番に『シャンドライの恋』を思い出します。
美しい映画で大好きです。

お父さん譲りで、ジェイデンくんも芸達者ですよね♪
将来が楽しみですね。
Posted by あぶく at 2012年08月07日 00:21
あぶくさん、こんばんは。
お身体大丈夫ですか。
今年は殊のほか暑いですね。今日は立秋ですがまだまだ酷暑は続きそうです。
どうぞご自愛なさってくださいね。

さてさて、『シャンドライの恋』!
そうでした、あの映画にご出演だったのでしたね!
公開時に観に行きました。ベルトルッチ監督の従来の重厚な大作のイメージを良い意味で覆してくれた、とても繊細で美しい物語でしたね。
あ〜、また観たくなってきました。思い起こさせて頂きありがとうございます!
タンディ・ニュートンはちょっと知ってる女性に似ているのですよ(日本人ですが)。笑顔が人を惹き付ける、やはり意思が強い女性です。

ジェイデン君、今はきっと心身共にぐんぐん成長している時期でしょうね。
ホント、将来のご活躍が楽しみですね。(*^_^*)

Posted by ぺろんぱ at 2012年08月07日 20:55
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Excerpt: この手は、離さない── 全財産21ドルから立ち上がった父子の、実話に基づいた感動作。 原題 THE PURSUIT OF HAPPYNESS 製作年度 2006年 上映時間 117分 脚本 スティ..
Weblog: to Heart
Tracked: 2012-07-30 22:39