先日の再会酒宴でMッチーさんが本を一冊貸してくれました。
『贖罪』(湊かなえ著 双葉文庫)です。Mッチーさん、ありがとう。
湊さんは映画『告白』(中島哲也監督)を観た後で原作小説を読みましたので、本作が「私にとっての湊かなえ第二作目」となります。
『告白』同様、冒頭からぐいぐい引き込まれてあっという間に読了しました。

文庫化されて間もなく、これから本を手に取る方は多いと思いますので敢えて多くは語りませんが、どろどろとした怨念の行き着く先の深い闇ばかりを想像していたので、最後の最後で、怨念渦巻く足下、地底にちろちろと流れていた清流に気付かされたような気持ちになれたことは意外であり救いでもありました。
湊さんの、登場人物一人一人の心理描写が深いです。なので、活字なのにそれぞれのキャラクターがちゃんとそれが“見えて”くるのです。
そしてこの人の「信念不在の体制派に対する糾弾」は凄いですね。その表現は的を射ているも辛らつで、世間の多数の人間を敵に回しかねないほどの毒を孕んでいます。登場人物によくあれだけの台詞を吐かせたなと驚くとともに、しかし誰もが言えなかったことを代弁してくれているかの如き潔さには喝采を送りたくなるほどです。これは『告白』でも同様の感想を抱いたことを覚えています。
物語は終章を迎えて初めて某人物が大きな存在になってゆくのですが、「過去」「現在」「未来」と、良くも悪くもこの繋がりの深奥さを感じずにはいられませんでした。
巻末にこの原作がドラマ化(WOWOWで放送)された際の監督・黒沢清氏のインタヴューが収められています。これがまた非常に興味深く読めました。
原作があっての映像化の難しさ、独自の創造力で原作とは違った作品に作り上げてゆく面白さ、その両方を改めて教えられた思いでした。
小泉今日子さんがあの人の役なのですね・・・是非、ドラマ化された本作も観てみたいです。

さてさて、こちらはビールの“味くらべ”。
連日満員御礼の某立ち呑み屋さんでのサッポロビールの赤星ラベルと黒(金星)ラベル。
私的には「黒(金星)ラベル」がよりコクを感じて好きかなぁ。でもどっちも美味しいですけどね。

連続ドラマ化、それもWOWOWって事で、縁のないままに終わってしまいそうですが、気にはなりますね・・
劇場版としては実現不可能なんでしょうかねぇ(尺的(=上映時間的)に)
TiM3さん、再び、こんばんは。
こちらにもお越し下さり嬉しいです。
予告編をご覧になったのですね!それだけでも羨ましいです!
いつか、何かの縁でこの映像作品に出会えることを待っておきます。
しかし仰る通り、映画化とドラマ化と、その分水嶺は何処なのでしょうね。私は決して尺の問題ではないような気もしますが・・・如何でしょうか?
『八日目の蝉』も、ドラマ化のあとで映画化されましたしね。本作は結構“映画向き”な味わいがある気がします。(^^)