友人が「興味ある?」とWOWOWの録画DVDを貸してくれました。
知らなかった、こんな作品。 聞けばあのマルコヴィッチ様の主演作品とか。日本未公開作品らしいです。
早速にそのDVD『アイ・アム・キューブリック』(ブライアン・クック監督)を鑑賞しました。ブライアン・クック監督は過去にキューブリック監督作品の助監督も何作品か務めたことのある、キューブリックと縁の浅からぬ御方とか。ふむふむ。
story
1990年代ロンドン。バーで、レストランで、スタンリー・キューブリックと名乗る男が現れては、「次の映画に起用しよう」と人々に声をかける。あの有名なキューブリック監督!? 喜んだ人たちは彼に酒をおごり、ディナーの勘定を持ち、当座の金を都合する。だがその正体は、アラン・コンウェイなるアル中で同性愛者の、キューブリックには似ても似つかぬおじさん(ジョン・マルコヴィッチ)だった。

※story、画像とも映画情報サイトよりの転載です。
(かなりの脚色はあるでしょうあが)実話ベースの映画というから驚きです。
こういうのを「有名税」っていうのでしょうか。名を騙られる(しかも詐欺行為に利用される)キューブリック監督ご本人がおそらく一番の被害者じゃないのかと、相手は巨匠ながら「不憫だなぁ」と思ってしまいました。
でも人間って、あんなに簡単に騙されてしまうものなのですね。
コンウェイは容貌も話す内容も、とにかく胡散臭いのですよ。でも何故か大抵の人はすとんと騙されちゃう。考えてみれば、人はそれが真実っぽいから信じるのじゃなくて、それが真実だったらいいのにと思うことを信じてしまうものなのかもしれません。メジャーな人に認められて自分もメジャーな人間になりたい。そう感じた瞬間、そこに幻影を見てしまうのかも。
本作、大がかりな頭脳戦が展開するわけでもなく(コンウェイは結構オマヌケです)、悪党だけど魅力的な犯人(例えば『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のディカプリオのように)が痛快感と爽快感をもたらせてくれるわけでもない。
実にみみっちい舌先三寸の詐欺行為が繰り返され、素敵というのとは程遠い、どちらかというとかなり痛々しさの残る小悪党なのです、コンウェイは。
しかし「似非キューブリック」が「似非キューブリック」として確固たる人物像を印象付けてしまうのは、やはり演じるジョン・マルコヴィッチの「怪演」の為せる業なのでしょう。
同情の余地は全くなさそうに見える小悪党のコンウェイですが、中盤あたりで海をバックに佇む姿が彼の孤独を浮き彫りにしていた気がします。それは愛し愛される相手もいない、アルコールで刹那的に消しさるだけの自身の人生を抱えての孤独なのかな。そう考えるとちょっぴり心がきしみました。
あの名曲と共にキューブリック作品の有名シーンのパロディとかが出て来て笑えます。「スタンリーって呼んで」っていう台詞も私的に地味にウケてしまいました。
アル中コンウェイはウォッカを好んで呑んでいました。
やっぱり、ウォッカのようなハードリカー嗜好がアル中への道に最も近いのでしょう。
かく言う私も先日は自宅で自家製モスコー(モスコー・ミュール)。御存知でしょうけれどウォッカ・ベースのカクテルです。

しかしこれはライム・ジュースとジンジャーエールで割っているので度数は低い低い。しかもジンジャーエールが甘くて私的に失敗でした。
アル中になると困りますがどうにも甘くてパンチがないので、二杯目からはジンジャーエールちょびっとだけの“ほぼウォッカ・ロック”でいただきました。
ジョン・マルコヴィッチって、ほんと色んな映画に出演してますが、
こういう胡散臭い役はお手のものといった感じでしょうか。
個人的には、目がいっちゃってるような役よりも
真面目で穏やかな役柄の時の彼が好みですが(笑)
スタンリー・キューブリックフリークなら(私は違うのですが)、
二倍楽しめそうな映画ですね。
そうメジャーじゃなさそうな、こういう映画のレビューをまた期待してます。
親切なお友達がいらして羨ましい♪
ゆるりさん、こんばんは。
はい、私も初めて知り…日本未公開作品っていうのも興味をかきたてられて。
「真面目で穏やかな役柄」で今パッと思い出したのはドヌーブとの『永遠の語らい』です。
じっくり考えたら他にもありますね、近い鑑賞作では『チェンジリング』とかも。
そういえば「目がいっちゃってる」役(←この表現グ〜!笑っちゃいました!)の彼はあまりにハマり過ぎてて逆に安心して???観れちゃうとか、ありますね。
またもしマイナー作品が手に入ったら真っ先に観ることにします。
友人に「求む!マイナーもの、レアもの!」とメールしておきます。(^^)