昨日は仕事のお休みをもらって梅田ガーデンシネマで『思秋期』(パディ・コンシダイン監督)を観に行きました。
眼を背けた瞬間が幾つかあり、心身ともに深く傷付き打ちのめされる映画でしたが、最後の最後に、微かながら“日に照らされるふたり”が見えた気がしました。
しかしそこに行き着くまでの「痛み」は私の想像をはるかに超えたものでした。
story
失業中のジョセフ(ピーター・ミュラン)は、酒浸りの上に感情の抑制が利かない中年男。酒に酔っては周囲の人々とトラブルを起こすという、怒りと暴力ばかりの毎日に精神を疲弊させていた。そんなある日、ひょんなことから彼はチャリティー・ショップの女性店員ハンナ(オリヴィア・コールマン)と知り合う。朗らかで機知に富んだ彼女と接することで、今まで感じることのなかった平穏な気持ちを持てるようになるジョセフ。次第に交流を重ねて固い絆を育むようになる二人だったが、ハンナが抱えるある秘密をめぐる事件が起きてしまう。

※story、画像とも、映画情報サイトより転載させていただきました。
冒頭の、愛犬・ブルーイへの行為があまりに辛い、悲しい。
ジョセフがハンナに向けて放った「世の中の辛酸を舐めたこともないくせに」の台詞が痛々しい。
酒浸りなのはジョセフだけではなかった、ハンナもまた、夫のDVによりアルコールを持ち歩かねばならないような日々だった。
全編ほとんど、眉根に皺を寄せて顔を歪めてしか観ることのできないシーンばかりでした。
そんな中で、人は人の肌の温もりをこんなにも欲するものなのかと感じたシーンが、ハンナがジョセフをそっと抱きしめ、ジョセフもそれに応えるところです。互いにシャツを着たままで、それは愛の行為というよりは人間同士の労わりあいのようであり、抱きしめ合う肌の温かみと厚みがスクリーンからじわじわと伝わってくるのでした。
おそらくはそれぞれが深い「孤独」と「絶望」、文字通りの「痛み」で人生を終わっていたかもしれない彼らが、出会い、互いに手を触れ合うことでまた歩き出すことも出来るのだと、もう若くはない二人に訪れた「救い」「天からの慰撫」のようなものを感じました。
ハンナとの出会いのあと、徐々に眼差しに優しさが戻ってくるように感じられたジョセフ。
「(きみの)笑顔に照らしてほしかったんだ。」という一言には胸に熱いものが込み上げます。
温かなるものに照らされること、包まれること、、、深い悲しみの淵を歩いてきた者にそれがもたらされたことを天にか神にか、とにかく感謝したい思いでした。
ジョセフ役のピーター・ミュランもイイですが、ハンナを演じたオリヴィア・コールマンが本当に素晴らしいです。孤独と、恐れと、優しみと慈しみ、そして最後に見せた悟りのような表情、どれも心にどーんと迫ってきました。素晴らしい女優さんだと思いました。
最後に一つだけ、終盤にどうしても理解できないところがあったので書かせてください。
隣家に出入りしていた男の愛犬に対するジョセフの行為、あれは「違う」と思います。あれは「落とし前」でも何でもない、第一に「落とし前」を付ける相手が違う、あの犬ではないと思います。
ジョセフという人間を想う時そのことが大きな違和感となって残り、その一点だけが残念でなりません。

ハンナが持ち歩いていたのはジンのポケット瓶だったような。あと、彷徨い歩いていたBARでもジンばかり飲んでいたように見受けられました。ジョセフが昼間に飲んでいたビールより格段にアルコール度数は高いですよね。あのジンの飲み方は痛々しかったなぁ。
さて、この秋に私が某ブロガーさんの影響で軽くハマっているのが<麦焼酎(濃い目)水割り梅干入り>です。
梅干しに一つか二つだけ切れ目を入れてほんのり香る梅の香とともに麦焼酎(濃い目です、あくまで濃い目)を味わいます。
その某ブロガーさん(女性)の書いておられる通り、何杯もするすると入ってゆきます。飲み過ぎがちですがハンナの飲むジンストよりは格段に度数も低いので安心してください。写真は某居酒屋二店でのソレです。


この日(24日)はもう一本ハシゴして鑑賞しましたよ。
2週間限定上映の、みゆき・PV&ライヴフィルムです。 後日に感想をアップ予定です。
イギリスの作品だという事で気になっているのですが。。。
オリヴィア・コールマンという女優さん、注目してみます。
いつかきっとこの作品を観賞する時があると思いますので。
ところで、焼酎を飲み干した後の梅干しはどうされてますか?
こちらにおじゃまするとなんだか、飲もうかなという気になってしまいます。
アルコールに弱いのですが、お酒は嫌いじゃないので。(笑)
いまからちょっとホットワインを飲んできます♪
久々の劇場鑑賞作がぺろんぱさんと被り、嬉しいです。
それにしても、ハンナの置かれた日常は痛々しく、怒りを通り越して
言葉もありませんでした。
ぺろんぱさんが残念がっておられる行為。私も「え?」でしたよ・・。
ただ、ハンナの家に行った時の彼の握りこぶしをみても、
彼にはヒトはコロセナイのだと思いました。ヤツの凶器と化したそのものを奪ったのですよね。
ヤツ自身はその凶器がなければ弱い人間だから・・。
おそらくは刑期のことも考えていたのだと、
それでなくては"待てません"からね。
思春期との違いなのかも。。。
ライムやすだちは好きでよく軽く絞っておとしいれるのですが、
梅はもっぱら料理用です。崩しすぎない方がいいのですね、OKです(^_−)b
ゆるりさん、こんにちは。
アイリッシュ系の人たちが登場します。
辛いシーンが多いですが、その中にあって温かいシーンが心に迫ります。
オリヴィア・コールマンさん、イイ女優さんだと感じました、私も注目していきたいです。(*^_^*)
ホットワイン、いいですね!
ある人から聞いたところによりますと「風邪をひかない良薬」でもあるらしいですよ。
梅干は、最後に食べちゃうことが多いです。お店で出される梅干は立派なふくふくしい大梅が多いので、美味しそうでついつい。(*^_^*)
そうですか、“心のニアミス”だったのですね!こちらこそ嬉しいです。
>彼にはヒトは・・・
>それでなくては・・・
ジョセフのあの行為についてのKiraさんのコメント、なるほどと読ませて頂きました。
そして、全ては「ハンナを待つ」ことにつながっていたコトだったと思えば、辛いなりに一歩近付けた気がします。
Kiraさんのレヴューを楽しみに後ほどお伺いしますね。
ライムはいいですよね!
私もジンにはもっぱらライムです。
焼酎に梅、お湯割りだけでなく水割りにもイケルのだと知りました。
はい、決して崩しすぎず〜。(*^_^*)