2013年05月07日

フラガール (BS録り鑑賞)


   今年2月にBS録りしていて未見のままだった『フラガール』(2006年制作 李相日監督)を、GW某日、一人静かな夜に鑑賞しました。
松雪泰子さんと蒼井優さんはどちらも好きな女優さんですし、公開時の評判も良くて当時から気になっていた一作でしたが、それにしても今回の鑑賞まで随分長く時間がかかってしまいました。

当然ながら傍らにアルコールを置いて呑みながらの鑑賞でした。
酔いも廻って感情の揺れ幅もマックスだったからでしょうか、、、観ていて号泣に近いほどに泣いてしまいました。

story
  昭和40年代、炭坑の閉山で活気を失った町の再生を期して計画されたレジャー施設“常磐ハワイアンセンター”(現・スパリゾートハワイアンズ)誕生にまつわる秘話を映画化した物語。施設の目玉となるフラダンスを教えるため東京から呼び寄せられたダンス教師・平山まどか(松雪泰子)と地元の炭坑娘たち(演じるは蒼井優、徳永えり、山崎静代ら)との葛藤と心の成長を描く。

                      フラ2.jpg                     

                   ※story、画像とも、映画情報サイトより転載させていただきました。


  衰退しゆく炭鉱の町が抱える不安、事故による悲劇。
人の命の脅かしと引き換えに成り立つ産業、いいえ、成り立ちすら危うい状況で、この産業に関わり続ける限り命の脅かしだけは永遠に続くという厳しさ。

その地で、そんな男たちを支える女たちは強く逞しいです。
支えるだけでなく自らの人生を切り開こうとする何人かの女性たちは、更に強くしなやかで輝いています。前を見、決して振り返らない潔さがあります。ただしそれは炭鉱の町で生きている自分自身と辛うじて“ぎりぎり”のところで均衡を保っている上でのことで、彼女たちの逃げ場のない刹那な想いに突き動かされてのことだったのは否めません。

重苦しい現実から心だけでも抜け出そうともがく女の子たち。それぞれ、新しい未来を生きる自分を胸に抱いて一心に踊りに取り組む姿には健気な輝きを見ます。挿入される紀美子(蒼井優)のフラの舞い姿は、だから、優美というより逞しくしなやかな力強い美を感じさせて感動的でした。

でも変わったのは彼女たちだけではありません。むしろ、大きく変わったのはフラの講師として招かれたまどか(松雪泰子)だったと思います。人生を半ば捨てたかのようだった彼女が、どん底でフラガールを目指す女性たちと関わりながら自らもどん底にあった過去を乗り越えてゆく過程には素直に心が踊りました。


                       フラ1.jpg                     


さらにもうひとり、心惹かれた女性がいます。
紀美子と親友でありながら(最初にフラを志したのは紀美子ではなく実はこの子でありながら)炭鉱職をクビになった父親に連れられ町を去ってゆくことになった早苗(徳永えり)です。
健気で本当はとても賢い女の子であるがゆえに、彼女のことは不憫で仕方なかったですね・・・きっと彼女なりの意思でもって強く生きてゆくであろうと思うけれど、彼女の行く末がどうしようもなく気になって気になって。これはこの映画が幕を閉じた今も、ずっと心にあります。

だから、紀美子の素晴らしいフラのシーンも喝采モノですが、私が好きなシーンを上げるとしたら次の二つでしょうか。
旅立つ早苗を見送るまどかが彼女をぎゅうっと抱きしめるところ。そしてそのシーンの前に繰り広げられた、早苗の身勝手な父親(高橋克実)をブッ飛ばずべく、まどかが銭湯の男湯に殴り込みに行くシーン。
人間、誰かに見守られていると感じることの、どれほどに幸福感を得られることか。まどかにとって、おそらくあれが、この炭鉱の町に来てから初めての“誰かを守ろうとした瞬間”だったのだと思います。



                      Vにて.jpg
                                      
  しなやかに生きる女性は美しいですね。
こちらの Bar.Vのママさんもそんなお一人です。初めてお伺いしてから四ヶ月ぶりに、先月の終わりごろ再びふらりとお邪魔致しました。覚えて下さっていて嬉しかったです。
この日はターキーのハーフロックとミックスナッツを。
前回みたく「また来ます!」と言っていながら嘘つき女になってしまうのはやっぱりイヤで、この日は「ご馳走さまでした」とだけ言ってお店を出ました。・・・でも、またお伺いしますね、いつかきっと。



 




posted by ぺろんぱ at 21:27| Comment(4) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
懐かしいですこの映画。
観ました、私も号泣しました。
心に残ったシーンもぺろんぱさんと同じです。
フラガールたちにこの時代の人々の底力を見ます。
私は昨年の秋からフラを始めました。
なかなかむずかしかった動きも慣れてきたように思います。
音楽と一緒にからだを動かすのは楽しいです。

前の貴記事のハッシュパピー、私も先日見ました。
ガンガン迫ってくるかのような力強さを感じる映画で圧倒されました。
Posted by Jupi at 2013年05月09日 22:29

Jupiさん、こんばんは。

おお!フラをされているのですね!
映画を観て改めて思いましたが、フラというのは一つ一つの動きが優美で、手話を基本にしているからか様々な想いが込められているようで、大きな母性に包まれているかのような心地よさを感じます。
是非、極めて下さいね(*^_^*)。

ハッシュパピー、ご覧になられたのですね。
私も圧倒されました。
自然との闘いだけでなく、それらとの「共鳴」みたいなものも感じられて今(文明に慣れ切った今)を生きる自分って?と考えてしまいました。


Posted by ぺろんぱ at 2013年05月10日 20:09
ばんはです。

たまにしずちゃんと檀蜜さんのご尊顔の印象がごっちゃになってしまったりするワタシです(=^_^=)

関西圏に戻り、週末毎に大型スーパーに出掛けたりするんですが、
大型のカートで移動する時に、カートを引っ張る姿勢でフロアを移動しながら
「ストーブくんちぇ〜」とか喚いたりしたくなるモノです(=^_^=) ←子供かよ!
Posted by TiM3 at 2013年07月01日 00:23

TiM3さん、おはようございます。
お忙しい中お越し下さりありがとうございます。(*^_^*)

>しずちゃんと檀蜜さんの

ああ、、、なるほど、、、これからそういう目で観てしまいそうです。

週末ごとに行かれる大型スーパーって、コストコですか?? 「ストーブ(貸して)くんちぇ〜」って、今度言ってみてください。案外、『フラガ』ファンのお客さんと意気投合して盛り上がれるかもしれませんよ〜。
そのうちストーブくんちぇ〜仲間が増えて新聞に「コストコに謎の集団現る!」とか載るの、楽しみにしております。(*^_^*)

Posted by ぺろんぱ at 2013年07月02日 06:32
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Excerpt: 昭和40年代、福島県の炭鉱町に誕生した常磐ハワイアンセンターにまつわる実話を基に、フラダンスショーを成功させるために奮闘する人々の姿を描いた感動ドラマ。 時代の波で閉鎖に追い込まれた、とある炭坑の村..
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Tracked: 2013-05-08 18:04