2006年05月14日

アンジェラ   モノクロームのパリで

angela2.jpgアンジェラとアンドレ 幸せに生きてね

angela.jpg
 映画館で観るのは“座席”が一つの賭けですね。この日はちょっと困った席で、途中で後方の開いてる席に変わりました。



 週末は雨で始まりました。
その雨の土曜、神戸国際会館にリュック・ベッソン監督の『アンジェラ』
観に行く。
リュック・ベッソン監督とえば最近は製作や脚本としてかかわっている作品は多いけれど(先述のメルキアデス・・・・は製作総指揮として)、監督としての作品は1999年の『ジャンヌ・ダルク』以来です。モノクロームのパリの映像に心惹かれ、他に観たいものもあった中、迷いに迷って決めた今週の一本だったので、期待はすごく大きかったです。

 フランス映画は台詞の響きを楽しんでるだけで何となくトキメクものです。魅力的な登場人物の唇から紡がれているなら尚更・・・事実、主演女優のリー・ラムッセン(アンジェラ役)ジャメル・ドゥブース(アンドレ役・映画『アメリ』で野菜売りの男性を演じたシャイな感じの人)も素敵な役者さんでした。

けれど、ちょっとしたお洒落感覚で楽しむラブストーリーとしては良いと思思いますが、期待が大きかった分、心酔しきれぬまま劇場を後にした感はぬぐえませんでした。いい映画と出会ったあとは2,3日くらい反芻して余韻に浸っていることもありますが、これはコーヒー休憩を挟んですぐ別の映画を観にいける感じでした。
映画のチラシに監督談として「絶対にラストの秘密を明かさないでほしい」とありましたが、あれは十分予測できうるラストだったと思うのですが・・・。

ただ、それでも胸の熱くなるシーンはありました。
アンジェラがアンドレに「(さえない人生を)ずっと頑張って生きてきた自分をもっと愛してあげて」と言う・・・
人間は人に愛されたことがないと自分を愛せないものだというアンジェラは、
心を込めてアンドレに「ジュ・テーム(愛してる)」と言う・・・
初めて愛していると言われたアンドレはやがて鏡に映った冴えない自分に小さく語りかける・・・「ジュ・テーム(愛してる)」と・・・。
このシーンが私にとってのこの映画のクライマックスでした。
アンジェラという存在が、私にも欲しい・・・・・。
モノクロームの映像は、パリでありつつパリとは違う別の世界にいるような錯覚に陥り、それがこの不思議な物語の“不思議感”を高めていて、その点は良かったと思いました。

じゃあその不完全燃焼さは何だったのでしょう
『レオン』よりも激しく『ニキータ』よりも切ない・・・という映画のコピーに別物を期待してしまったからでしょうか。
人に愛されずどうしようもなく駄目な奴・アンドレの描かれ方に余りシンパシーを感じなかったからかもしれません。
それは取りも直さずリュック・ベッソン監督が、ちっとも“愛されずどうしようもなく駄目な奴”なんかじゃないから・・・・かなぁ。だから何だか嘘っぽくて言葉にあんまり重みを感じなかったのかもしれません。(ごめんなさい、単に私の感受性の欠如なのかもしれないけれど)

でもでも、お若いカップルがデート映画として選択されるなら結構イイ!と思いますよ。(誰に気を使っているんでしょう、私。)


 アンジェラとアンドレが食事をしながらシャトー・ムートンだかシャトー・マルゴーだったか高級ワインをがぶ飲みするシーンがあります。
「1500ユーロだったかしら?」とアンジェラが言ったと思います。
今のレートで21万か22万円ですよね。
そんなワイン、どんな味と香りがするのでしょう。味わってみたいです、ほんの一口だけでも。
「一口だけ」って思ったらきっと全身全霊を傾けてグラスに口をつけるでしょうね。
たまには、全身全霊とまではいかなくても、いいお酒をちょっと姿勢を正して戴くのはいいかもしれませんね。

アンドレが別のシーンで飲んでいたウォッカ・トニック・・・あれなら気軽にがぶ飲みできますけど、私。

夙川.jpg 日曜は夙川沿いを散策
         缶ビールと文庫本は必携品!

 
posted by ぺろんぱ at 17:12| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
映画は(特にフランスものには)詳しくないですが、「アメリ」は好きだったなあ・・・
ストーリーもそうだけど、アメリの住む部屋がなんか良くってね(#^.^#)
モノクロームで見るパリはどんな感じなのかしらね・・・?
Posted by NAMINAMI at 2006年05月14日 21:56
そうそう、アメリよかったよね〜。
あの部屋にはミヒャエル・ゾーヴァという画家の絵やそれをアレンジした小物がふんだんに使われていました。きっとそれが素敵な雰囲気を醸し出していたのだと思います。動物たちをモチーフにして描かれたとっても素敵な絵です。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2006年05月15日 09:30
こんばんわ☆

モノクロームでなかなか深い作品のようですね〜。
今週末、行く予定です。

>不完全燃焼さは何だったのでしょう。
う〜む。そうですかぁ。
でも、ベッソンの作品だし「ジャンヌ〜」以来の作品だし行きます 笑

>缶ビールと文庫本は必携品!
俺はあまり酒飲まないので、もっぱら文庫とドトールコーヒーです 笑
たまに、ワインをグラス半分で可笑しくなります┌|∵|┘
Posted by dk at 2006年05月18日 00:01
dkさん、コメントありがとうございます!
はい、行って下さい!不完全燃焼だったのは私という人間自身がそうだからなのかも…^^;

ドトールのコーヒーは結構美味しいのですよね、私は最近専ら(薄いと言われる)スタバ通いですが。
Posted by ぺろんぱ at 2006年05月18日 09:14
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