今日27日(土)、シネ・リーヴル神戸にて中島哲也監督の『嫌われ松子の一生』。
これは(原作は読んでいませんが)山田宗樹氏の同名小説を映画化したものです。


ヒロインの川尻松子(中谷美紀)の壮絶な人生の種は、「自分は父親に愛されていない」と思い込んでしまった、未だオカッパ頭の似合う幼い頃に蒔かれます。
いつもいつも・・・いつも愛されることを望みながらそれを得られず、でもその“愛されたい”という一途な思いが、彼女自身の「人を信じて愛そう」とする凄まじい程のパワーになっていったのですね。
やや場当たり的で短絡的な思考が災いしたとは思えるものの、彼女はいつも真剣に幸せを求めて精一杯生きてきたのですね。
松子は本当は愛されていたのに・・・父親に、弟に、妹に、友人に・・・。
壮絶な人生を生きてきて、気がついたら昔の自分の傍には幸せと希望があったんだという松子の思いも感じて、私はメーテルリンクの“青い鳥”を思い出してしまいました。
53歳でゴミの山に埋もれた生活の果てに誰かに殴り殺される人生って・・・。
自分とは全く無関係だなんて思えません。ちょっとしたボタンのかけ違いで人生なんて大きく変わるのじゃないでしょうか。
だから最後に、もう一度ボタンをかけ直そうとした彼女が、私にとってはせめてもの救いとなりました。
「松子が俺にとっては神様だった」というリュウ(伊勢谷友介)の言葉に、私は涙が止まりませんでした。
この監督は、サイケな色彩溢れる画面からセピア色の物憂い画面まで・・・そして、小ギャグ満載の笑わせるシーンから心の琴線にふれて泣かせるシーンまで、実に自然な流れをつくって見せてくれる変幻自在の力量を持った監督さんだなと思いました。
(前作は『下妻物語』です。DVDで観てみようかな。)
それから、松子を描く視点にすごく“優しさ”を感じました。
それは監督自身が、松子のような“不器用な駄目な奴”に優しさを持った人だからなのだと思いました。
愛される悦びに心満つることなく逝ってしまった松子のために、せめて泣いてあげてほしい・・・。
♪曲げて伸ばしてお星様に〜♪
劇中で松子の歌う歌を口ずさみながら、そごうデパ地下で白ワイン「ロベール・ジローのブラゾン・ティンバレイ」を購入。
帰宅後、白ワインに合うカプレーゼを作ってみました。
このカプレーゼは乳牛の乳から作った「モッツァレラ・ヴァッカ」を使っていますが、実は先日イタリアンのバールで面白いモッツァレラを食しました。
水牛の乳から作った「モッツァレラ・ディ・ブッファラ」です。乳牛のものより一段とコクがあって、フレッシュタイプだから勿論さっぱりとはしているものの、噛んでいるとホンワリとミルキーな風味が口中に漂います。
切り口から(ヨーグルトで言うところの)乳清のような白濁したミルクの水分がジンワリと流れ出てくるのも特徴のようです。
通常のモッツァレラより濃いために、生ハムで巻いて食べるとgood!だそうですよ。

白ワインを飲みつつ・・・・。
松子は一緒に飲み明かそうと言ってくれた友人と仕事と・・・それだけじゃ駄目だったんだろうか・・・・。
原作も迷って迷って、まだ読んでない・・・
ぺろんぱさんの記事を見ると、見たくなるのよねぇ(#^.^#)
>「自分は父親に愛されていない」と思い込んでしまった
切ないものがありましたね。
子供のときのこういう辛い気持ちはいつまでも自分の中に残ってしまうから、松子はああいう人生を歩んでしまう。。。複雑ですね。。。
>松子は一緒に飲み明かそうと言ってくれた友人と仕事と・・・それだけじゃ駄目だったんだろうか・・・・。
そうなんですよ。周りに誰もいないことはないのに、自分から殻にこもってしまう松子でしたよね。。。でも、松子の気持ちも分からないことはないです。
生きることは、複雑。
でも、最後の松子の希望に向かう姿勢は確かに救いだったです。
もう一回見るとまた違う気持ちになりそうな映画です。
ところで、もし良かったらリンクを張らせていただいてもいいでしょうか?
>もう一回見るとまた違う気持ちになりそうな映画です。
同感です。もう一回観てみたいです。
リンク、よろしければ相互リンクということで・・・。ありがとうございます。
こちらもリンクしました┌|∵|┘
松子、本はかなり悲惨度が増しているみたいですね。。。読んだら落ち込むかもしれませんね笑
この映画、凄い興味があります。
いつも、ペロンパさんの記事楽しみに読ませていただいています。有難うございます。
私のは全然的確じゃないけど^^;これからも私なりにボチボチ、ちまちま、と。
そうですか・・・本はより一層悲惨なのですね。あれより悲惨って・・・。
どうぞ観に行ってみて下さい。魅力的な役者さんが一杯です。
是非とも映画館で見たいです。