劇場鑑賞は『スタンリーのお弁当箱』以来だから約2ヶ月振りです。
久々にゆっくり足を運ぶことが叶って、テアトル梅田で『アップサイドダウン 重力の恋人』(フアン・ソラナス監督)を観てきました。
「二重引力」の世界という設定に興味津々だったのと、ヒロインのキルスティン・ダンストをもう一回スクリーンで観たいなぁという思いからこの作品をチョイス。この女優さんは以前は殆ど興味がなかったのですが、昨年観た『メランコリア』で一気に興味深い御方となりました。
story
太陽を周回し、真反対に引力が作用する双子惑星で、貧困層の住む「下の世界」の少年アダムは、富裕層が暮らす「上の世界」の少女エデンに恋をする。互いの世界を行き来することは固く禁じられていたが、2人は人里離れた丘で交流を深めていた。しかしある日警備隊に見つかり、アダムはエデンを逃がそうと誤って彼女を上の世界の山頂に落としてしまう。10年後、成長したアダム(ジム・スタージェス)はエデン(キルスティン・ダンスト)が生きていることを知り、2つの世界をつなぐ「トランスワールド社」に入社しエデンとの再会を試みるが・・・。

※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。
何といってもやはり映像に魅せられました。
オープニングからして、二つの異なる世界(光きらめく高層ビル群が広がる世界と、廃墟のような暗い街並みが続く世界)が上下真逆の位置にスクリーンいっぱいに広がり、観る者の平衡感覚を一瞬失わせます。不可思議で幻想的なムードに期待は高まりました。
真逆の重力。
先ず物理的に相容れぬ二つの世界。加えて、富裕と貧困、支配する者とされる者、搾取する側とされる側、という隔たり。互いの世界に身を置く男女が交わることなど永遠に不可能に思えるのですが・・・出会って恋に落ちてしまうのですねー。
エデンを追い求めるアダムには文字通り“命がけ”の苦闘が続きます。上下の世界を唯一つなぐトランスワールド社に入り込むも、完璧な上下社会の隔離システムと逆引力の存在がアダムの行く手を幾重にも阻みます。
不屈のアダムがとにかく一途で可愛い。
演じるジム・スタージェスは、私的には『アクロス・ザ・ユニバース』のジュード役が印象に深く、本作でも同様に、共存する若さ(情熱)と繊細さを見せてくれていて好感が持てます。

下の世界に生まれ家族たちを上の世界によって奪われたアダム。人生を捨てても不思議はない身の上ながら、「希望は捨てない」というシンプルだけど尊い彼の意志に素直にエールを送らずにはいられません。
「上の世界ではみんなが幸せなんだよね?」と問う下の世界の子どもたちに、上の世界を垣間見たアダムが「・・・そうでもないよ」と答えるシーンはさりげなく胸を突きます。物質的豊かさだけでは満たされぬものは確かにあるのですよね。
映像に先ず魅せられる本作ですが、ユーモラスでおとぎ話的ワールドの中にしっかりしたメッセージも織り込まれていたと感じました。
ちょっと残念だったのは、終盤の展開がたたみかけるようだったこと。安易にコトが運び過ぎた感が否めず、ちょっと物足りないかなぁという消化不良感が残りました。
でも映像のファンタジーを楽しんで、そのあたりは自分なりに咀嚼すると致しましょう。(←こういう納得の仕方もかなり“たたみかける”ような感じですけど)
秘境の地に立つ丘。
二つの世界の重力が交わる無重力のような空間で、大きな月をバックにアダムとエデンがくるくる回りながら口づけを交わす画は素敵でした。
私のような「お独りさま鑑賞」でも勿論ワクワクドキドキで楽しめましたが、カップルでデート映画としてもピッタリなのではないでしょうか。


さてさて、独りサク呑みシリーズ(いつからシリーズになったん??)の第?弾。
新梅田食道街の某店(名物料理<エッグ>のあるお店)でのフォアローゼズのハーフロックとソーセージとキャベツの煮込み。このあと更にワングラス呑んで滞在時間は30分。
先客だった常連氏が近くで購入されたプリンを差し入れて下さったのですが、このプリンが絶品で!一口戴いて思わず「美味しい〜!」と叫んでしまったほど。ご購入されたお店は阪急百貨店内のどこかでしょうか。聞けばよかったけれど聞かず仕舞いでした。ちょっと探索してみます。
めでたく発見出来たらブログに挙げさせて頂きますね。お酒以外に、たまにはスウィーツの画像もいいかも、ですね。
フアン・ソラナス監督という名前は初めて目にしました。
幻想的な映像、ちょっと気になります。こういう映画はやっぱり劇場で見るべきかも。
調べてみたら『アクロス・ザ・ユニバース』はもう6年も前の作品になるんですね。
ジム・スタージェスのアップ映像が印象に残っています。また、見たくなりました。
ぺろんぱさん、甘いものもお好きなんですね!
ゆるりさん、こちらにもようこそ!いらっしゃいませ!!
私もフアン・ソラナス監督の御名は初めてでした。ネットでは監督のお父上が「アルゼンチンの巨匠、フェルナンド・F・ソラナス」となっていましたが、私はお父上の作品も知らないので…。(T_T)
この作品はやっぱり映像の魅力が大きいかと思います。もしもお時間がございましたら・・・とはいえ、結構B級的な匂いもする作品です。でも私は好きですが(*^_^*)。
私、お酒も好きですが甘い物も好きなのです。
でも、「無人島にお酒と甘いモノどっちかだけ持って行けるとしたらどっち?」と聞かれたら「勿論、お酒!」です。
ゆるりさんは?(*^_^*)
でも、思ったよりも軽いノリというか、
必死だけどメゲない男子のアダムのアタックは意外に楽しかったです(笑)
仰るように、終盤のマトメは本当に残念。
もっと例のみつばちが活躍するラストかと期待したんですが・・(^^;
とはいえ、私も好きなロマンチックな作品でした♪
Kiraさん、コメントとTB、ありがとうございます。
これって手法を変えればSF超大作?にもなり得る世界ですよね。こういう仕上がりもキュートで好きですが。(*^_^*)
終盤の、あの“共存が叶う”ようになる過程をもっと説得力ある見せ方をしてほしかったのが残念で。
上の世界の、退職に追い込まれたあのオジサマの一世一代の発明とやらをもうちょっと丁寧に追ってほしかったですぅ。
それと、Kiraさんご指摘のあの「告白」には私も「えっ!? いつのこと!?」とびっくり。^_^;
そこんところ、ツッコミを入れつつもう一回スクリーンで観てみたい気もします。♪