2014年、今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
昨年末に公開になっていた本作、年明け早々に鑑賞が叶いました。
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(ジム・ジャームッシュ監督)です。
2009年秋・日本公開の『リミッツ・オブ・コントロール』以来、約4年振りのジム・ジャームッシュ監督の新作です。それに大好きな女優ティルダ・スウィントンがメインキャストとあって楽しみにしていました。
シアターが暗転して本編が始まる迄にこんなにドキドキしたのはちょっと久し振りかも、です。大阪ステーションシネマで鑑賞。
story
吸血鬼でありながら、マルチミュージシャンとして活躍するアダム(トム・ヒドルストン)は、自己破滅的な人間たち(アダムたちは人間達をゾンビと呼んでいる)の振る舞いを憂えていた。そんなある日、何世紀にもわたり愛し合ってきた恋人で吸血鬼のイヴ(ティルダ・スウィントン)が久し振りにアダムの元にやってくる。久々の再会を楽しむ二人だったがイヴの妹エヴァ(ミア・ワシコウスカ)が2人のもとを訪れたことをきっかけに、3人の運命がゆっくりと変わっていく。

※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。
オープニング、退廃ムードの重低音奏と映像にシビレます。
あのオープニングだけでももう一回観たい。『リミッツ・オブ・コントロール』のレヴューでも書いていましたが、本作でもジム・ジャームッシュワールドを堪能しました。
「スタイリッシュな映像」とは、ジャームッシュ監督作品を評するうえで一つの決まり文句のようになっていますが、本作もそのワード以上にこの世界を端的に表現する言葉はないのかもしれません(いや、私が単に語彙が乏しいだけなのでしょうけど)。
好きなアーティストたち、音楽、詩文、年代と存在意義を感じさせる美しきモノたち、寂れ滅び行く運命なのに惹かれずにいられない佇まいの街、徹底して愛せるものだけを物語に巧みに取り込んでいて、監督自身の美意識がビンビン感じられるよう。
それでいて、そう、やっぱりユーモア、可笑しみもちゃんと在る。
トム・ヒドルストンのようなビジュアルの人を使ってなんであんなふうに可笑しい画が撮れるのか、、、非合法に血液を調達しに来るシーンなんて笑わせるような台詞なんて何一つ言っていないのに何故だかクスッと笑ってしまうのです。

イヴを演じるティルダ・スウィントン。
何世紀も生き、既に性を超越したかのような美しくも雄々しいヴァンパイアを演じるのは、中性的魅力に溢れた彼女しかいないようにさえ思えます。
ウエリントン型というのでしょうか、あの大きくて四角いフレームのブラックサングラスがあれだけ似合う女優さんも少ないのではないでしょうか。
何世紀も生きるヴァンパイア。
しかし不老不死ではないのです。ゆっくりと(実にゆっくりと、)老い、図り知れぬ年月を生きた末に死を迎える・・・。
ヴァンパイアとしての尊厳を失わず、しかしながら人間(ゾンビ)界と共存もせねばならない、そして何より、長い長い年月を生きてゆかねばならない。
一度は心に秘めたアダムの決意が哀しいのです。
汚れた血が増え、生き難くなる一方の世の中で、最後に残るのは恋人たちの愛だけなのかもしれません。 オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ、ですね。


実家の庭の南天です。
綺麗な赤いろだなぁと思って撮りました。
南天は「難転」に通じることから縁起木、厄除けとして、お正月に相応しいようです。皆さんにとって、今年がどうぞ佳い年でありますように。


そしてお酒、“スタイリッシュ”に呑み続けたいところですが今年もきっと“ベタベタなお酒好きの相好”でいくのでしょうね。
酒舛さんでの上喜元・純米吟嬢と味の染み込んだアツアツおでん、大変美味しゅうございました。
最後に、本作、細部に面白い映像が幾つか登場していますよ。そうそう、『リミッツ・・・』に続いてジョン・ハートさんが燻し銀的な存在感を放っていらしたのも嬉しかったです。

恥ずかしいので、漢字かな交じりで書くのはやめときます(←だったら、最初からその表現を使うなよ)
ジムジャ監督の最新作なんですね。前作がもの凄く良かったので、ちょっと不安なトコはありますが・・ ちょっと期待してしまいますね。 いつか鑑賞出来る日を楽しみに・・(⌒〜⌒ι)
昨年もたくさん映画のお話などおつき合いいただいて、ありがとうございました。
クリスマスも一作も観られず、それどころか更新さえ出来ずに遂には年まで越してしまいました(^^ゞ
こんな調子ですが、ぺろんぱさんの感想を楽しみにまた伺わせていただきたいと、これからも楽しみにしております。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
ティルダ・スウィントンさんって、知的で透明感があって素敵な女優さんですね。
吸血鬼ですか?
昨年も吸血鬼ものを複数観ましたが、また違った雰囲気を味わえそうで、観たくなりました(*^_^*)
ジャームッシュ監督ってところも楽しみです。
ご実家の南天♪ ワインレッドだなんて本当に綺麗な色ですね。
>ジムジャ監督
なんとまあ斬新な短縮形・・・でも使わせて頂きます。(*^_^*)
本作、『リミコン』(←これは短縮しすぎですか??^^;)とはテイストは少し違うのかもしれませんが、私は好きですす。
いつか是非ご覧下さいね〜。
そして、こちらこそ昨年はありがとうございました。
私も劇場に行けない時は本当に行けてませんでしたし、まあそれも(その作品との)縁かなぁ・・・と。
でもこうしてまた今年もあぶくさんとお話させて頂けることをとても嬉しく思っています。(*^_^*)
ティルダ・スウィントンさん、御出演作で観ていないものは多いと思うのですが、なにしろ『オルランド』で魅せられて以来すっかりファンになっています。ヴァンパイア姿も素敵でした。
南天、そうですね、この枝のだけ何故だか色が濃かったんですよ、それで撮影。(^^)
そういえば随分前にやはり実家の紫陽花の写真を挙げた時に、確かあぶくさん、コメントくださっていましたよね。植物がお好きでお詳しいのですね、きっと。
またいろいろと教えてくださいね。(*^_^*)
なんとも縁起がよいじゃないですか!
監督とティルダさんとトムヒ(トム・ヒドルストンを世間では
こう略すらしいです)目当てにイソイソと行ってまいりました。
見る前は、ヴァンパイアものってちょっと苦手なんだけど。。。
などと思っていましたが、杞憂でした。
ちゃんとジャームッシュの映画でした。
それ以上に、今回は独自の“映像美”に華麗さが加わってるような
そんな印象を持ったのは、ティルダ・スウィントンの存在が大きかったのかなぁ。
ティルダ姉さんの前では、トムヒの影が薄く感じられたような(笑)
あっ、でも役的にはちょうど良いバランスだった気もします。
(イヴがリードしてる関係性という意味で)
もう一回、映画館で見たい、です。
2014年初鑑賞作品が一緒とは、ホント「こいつぁ春から縁起がいいわい!」です。(*^_^*)
それに本作のように好きなテイストの作品に最初に出会えた今年って「幸先良い!」とも感じてしまいましたよ。
近年秀作を出されているジャームッシュ監督ですが、それでも何となく「昔のジャームッシュ作品が懐かしいなぁ」と思っていたのでしたが、本作では「ジャームッシュ監督の“今”が好きだ!」と思わせてもらえました。
ティルダさんの全身の佇まいも、大アップも、ゾクッとする魅力でした。
「トムヒ」さん、なるほど世間ではそう呼ぶのですね(*^_^*)インプットいたしました。
>もう一回、映画館で見たい
同感です。
これからゆるりさんのブログに飛びます。
飛びます飛びます!(←いや、ニュアンス違うし!^^;)