寒〜いですね。冬眠したい気分です。
シネリーブル神戸で『少女は自転車に乗って』(ハイファ・アル=マンスール監督)を観ました。
「映画館の設置が法律で禁じられているサウジアラビア初の女性監督が同国俳優を起用し全て国内で撮影したサウジアラビア初の長編映画」とのことで、公開情報をキャッチして以来気になっておりました。
story
10歳のおてんば少女ワジダ(ワアド・ムハンマド)は、幼なじみの少年アブドゥラと自転車競走がしたいが、母親(リーム・アブドゥラ)は女の子が自転車に乗ることに反対する。そんな時、学校でコーラン暗唱コンテストが行われることになり、ワジダはその賞金で自転車を買おうと一生懸命コーランの暗唱に取り組むが・・・。

※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂いております。
ワジダは、女性が前面に出ることを決して許さないという社会に於いて、決して表面上だけでさえも服従してはいない女の子です。
日本では考えられないほどの規律や風習にがんじがらめの世界なのですが、それにしても、ワジダの服従しない様子は「小気味良い」を通り越して「小憎たらしい」ほどなのです。
先ず、そこで、スクリーン前の観る者殆どを“味方に付けない”くらいの“我が道を行く潔さ”を放っているのです。これはある意味意外でした。
何となく『運動靴と赤い金魚(マジッド・マジディ監督)』的な展開を想像していたので、貧しくて運動靴が買えなかったその作品とは趣を異にしており、主演のワジダがかなりのお転婆で強気な現代っ娘だったのには少々たじろいだ私でした。
その「小憎たらしさ」が大きく変化したのは、もう映画の終盤?ワジダがやっとコンテストで勝利を勝ち得た時から、です。
あ、、、ワジダ、やっぱり努力してたんや、、、と。見せていなかったけれど、彼女は“やる時にはやる”タイプだったのですね。ここから、私のワジダへの視線は180度転換したような気がします。

努力で勝ち得た糧を、何故自分の為に使ってはいけないのか。
それが人間として愚かなこと?なの?
パレスチナの同胞に寄付すべきとの校長の理論は校長自身の思想であって、それを強いた時点で子どもの中に在る何かを摘んでしまってるんですね。サウジの未来を縛っているのは女卑思想の男性だけではなく、女性であるが故の保身に甘んじる女たちなのかもしれません。
勿論、今の日本に生きる感覚が私にそう言わせるということもあるでしょう。実際にかの国に生きていれば強固な因習を打ち破る新たな一歩を踏み出すのは容易ではないのかもしれません。
あの時点でワジダの中で一つの希望の灯は吹き消されかと・・・。
しかしへこたれて当然のワジダを周りの人間がそうさせなかったこと、それが本作で最もキモだったと思えることでした。
本作、「母の愛は強し」の好もしい展開もありましたが、私が最も心惹かれたキャラクターはワジダの幼馴染の少年アブドゥラ君でした。終盤に於ける彼の「ある台詞」には感動すら覚えました。
彼らの世代からは結婚という形も良いように変わってゆくのかもしれないと思わせてくれます。
小憎たらしいくらいだったワジダがもの凄く可憐で、そして十代の瑞々しさでもってとても爽やかに見えたラストなのでした。





今年初のワイン外呑みは、新梅田食堂街の<つばめ食堂>さんでのリースリング3種。
こちらのお店は立ち呑みという業態ですが、ビールはレーベンブロイ、ワインはリースリングに徹底的にこだわっていらっしゃるお店です。
この日に戴いた3種の中では最後の一杯が好い意味での“枯れ感”がある味わいでぐっと来ましたね〜。酒肴として戴いたのはお誘い頂いたI氏チョイスの<スモークチーズ>と<鶉卵のスモーク>。スモークチーズはほんのり甘いカラメル香がクセになるお味で大変美味しゅうございました。

“運動靴と赤い金魚”的な展開とはちょっと違い、面食らった様子の
ぺろんぱさんを想像して少しニヤついてしまいました(笑)
私自身、サウジアラビアの監督作品というのも見た記憶がないのですが、
女性監督が撮った映画なのですね。ふ〜む。
抑圧のある社会、だからこその題材かもしれないなぁという印象を持ちました。
少年アブドゥラ君の「ある台詞」をあれこれ想像しながら、それも裏切られるかもなぁ〜
などと妄想しつつ楽しく拝見しました。
>新梅田食堂街
渋いですね。あそこは“通”の集う場所という印象です。
昔、会社の先輩におでんを食べに連れていって頂いた記憶がありますが、
常連さんが多そうで、ちょっと敷居が高い感じです。
まずは、お昼ご飯でチャレンジしてみたいと思っております。
Yururiさん、こんばんは。
そうなのですよ、抑圧に継ぐ抑圧の世界でしたね。
少女達に「笑い声が男子に聞こえないようにしなさい!」と叱る教師にはびっくり。
そんな中で結構「反逆児」であるワジダなのですが、彼女の鋭い切り返しの裏にはそういう社会への醒めた視線があるのも分かるのですよね・・・。いや、それにしてもワジダは結構グイグイ行ってましたが。^^;
アブドゥラ君の「ある台詞」はシンプル?な、ストレートな?言葉です。彼の存在がこの作品には非常に大きいです。(*^_^*)
何かが変わってゆくのだろうな、と思わせてくれる最後でしたよ。
新梅田食堂街。
はい、おでんのお店、今もあります。仰る通り、あの辺は常連率高し!ですね。しかしそんな中でアウェー感を味わいながら呑むのも中々オツなものです。
逆にワジダの現代っ娘ぶりが新鮮で好ましかったです(笑)
アブドゥラ君の「ある台詞」はよかったですね。
彼が「(自爆死すると)天国で妻が90人(70人でしたっけ?)持てるんだぜ!」
って言った時は、おいおい・・・ーー;でしたが(笑)
きっと彼もイイ男に育ってくれると信じたいです^^
amiさん、ようこそです。
ワジダやアブドゥラくんの言動が、この不穏さを含む世界をカラリと見せてくれていましたね。大人とは違う視線も逆に教えられることがあったり。
そういえばアブドゥラ君のそんな「おいおい」な発言がありましたね^^;。しかしそっちの道を選ばず、“誰か”を見守り続けて欲しいです、ね。(*^_^*)